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ピンポーン、ピンポーン。
鳴り続けるインターホンを無視し続けていた律だったが、スマホの着歴も凄い事になっていた為、仕方なく、Tシャツを被り、パンツをはいて出る事にした。
「「律(先輩)!」」
「ったく……何の用だよ…?敦志…に、朋奈ちゃんか…。」
「「沙里(ちゃん)は??」」
「や、寝てるけど」
まあ、敦志も朋奈も、この部屋のえっちしまくっていた感に気づいている。
昨日の土曜日の午前中から、“日曜にラケットを見に4人で出かけない?“と、何度もメッセージを送っているのに、律も沙里も一切返信がなかった。
沙里にいたっては、既読にすらならなかった。
もう日曜の午後…と言っても夕方の4時。
明日は大学もあるし、いい加減心配になって二人で様子を見に来たというのに。
「「メッセージ読まなかった(の)?」」
「読んだ」
「「…取り敢えず、沙里(ちゃん)の顔見ていい?」」
「しょうがないな、来いよ」
二人は、シンプルだがまあまあ乱雑になっている律の部屋に入れてもらった。
ベッドで眠る沙里の脇に立った朋奈は、おもむろにピラッと肌掛けを捲(まく)った。
「「「わっ!!!」」」
三人の「わっ」はそれぞれ意味が違った。
朋奈は「わっ、キスマークすご過ぎっ。タチの悪い病気みたいに鬱血だらけ」
律は「わっ、敦志も見てるじゃねーか、いきなり捲くんなっ」
敦志は「わっ……暴力的にエロい……」
「じ、事情は分かった…ような気がするけど、律先輩、もう、いい加減、沙里を家に返しなさいよ。沙里、たしか月曜日は一限からとってたと思うし。」
「沙里ちゃん、こうして話してても全然起きないね。律、ちゃんと沙里ちゃんに食べさせてんの?」
「分かってる。ちゃんと送って行くし、ずっと食べさせてた。」
敦志がハート目になってるようで面白くなくて素っ気ない言い方になったが、言われなくても今日は沙里を家に送るつもりだった。
「「ならいいけど……」」
「沙里が起きると気まずいだろうから、私達は帰るね。早めに送ってあげてよね、律先輩」
「二人とも、わざわざ来てくれてありがとな」
律は一応お礼を言った。
敦志は、今まで、律は女に執着しない淡白な奴だと思っていた。
(とんだ勘違いだったな。───無理もないか……。沙里ちゃんって律のモロタイプだもんな。それに、あの……)
敦志は、ごくんと唾を飲んだ。
そして、ぶんぶんと頭をふって、実は自分も好みの外見でもある沙里。その沙里の魅惑的な肢体を忘れようと、敦志は必死に頑張るのだった。
始まりは外見でも、内面重視。
律は言う事を聞く従順な彼女が欲しかったし、敦志は振り回し系の行動的な彼女を求めていた。
(律もようやく理想の女の子に出逢えて、良かった。沙里ちゃんの身体が心配だけど…。───沙里ちゃんの身体が───。「身体」………)
敦志は、頭の中にまた出てきてしまった沙里のエロい裸体を、慌てて頭から追い出した。
※ ※ ※ ※ ※
週明けの月曜日、フランス語の講義で沙里を見つけた朋奈は、嬉しそうに駆け寄ってきた。
「沙・里ぃ~、おはよー」
「朋奈~、おはよ。メッセ、返信出来なくてごめんね。」
「いいの、いいの。ところで、サークルはどうする?どこにも入ってないし、やっぱりポラリスに入らない?」
「うん、一緒に入る」
「じゃ、ラケットは4人で見に行きたいから、今日もし敦志達が暇だったら一緒に見に行こ。」
「う、うん」
「あ、もう講義始まるね。沙里は今日何限までとってる?」
「わたしは3限まで。今日って、一緒の講義、これだけだったよね。」
「うん、じゃ、敦志に連絡取って、後でメッセ入れとくね。」
「分かった」
─────
4人で、スポーツ用品店に行く事が決まり、学食で皆を待っていると、沙里を呼ぶ敦志の声がした。
「沙里ちゃん」
「敦志先輩、この前は体験ありがとうございました。」
敦志は(起きている)沙里の顔見て、何故か目を泳がしながら、「いや、……どういたしまして」と、にこっと笑って小さく応えた。
少しして、律と朋奈が一緒にやってきた。
「「敦志、沙里」」
「「律、朋奈(ちゃん)」」
「早速、見に行くか」
「そうだな、律、モールのスポーツ EXEだろ?朋奈ちゃん、沙里ちゃん行こう。」
「「うん」」
前を歩く敦志と朋奈は、相変わらず、仲良さそうに腕をくんでいる。
勿論、律と沙里も手をつないでいる。
(律の手………)
律の手にされたあんな事やこんな事を思い出して、沙里は律の横顔を盗み見た。
(形のいい鼻。薄い唇も好きだな。なぁんて、きゃっ)
一方、律は、沙里と指を絡ませ合い歩きながら、買い物が済んでからの事を考えていた。
律は、当然今日も沙里を家に持ち帰り、いちゃらぶセックスをして、沙里をイかせまくって泊まらせるつもりだ。けれど、恋愛初心者の沙里は、泊まる準備などしてきていないだろう。それ以前に、さんざんセックスした週末の明けた平日の月曜日から、律がセックスする気マンマンでいる事すら、沙里は分かっていないかも知れない。
(最低限の物だけ買っておこう。この前用意した1ケースのコンドームも3日間で使いきったし。沙里が良すぎて消費が激しかったからな。)
ちらっと沙里を見ると、目が合った。
『隙のない美人』。だが、中身は───。
そして、前を歩く二人も、週末野獣と化した律の思惑に当然気づいていた。
さっき、待ち合わせ場所にやってきた律は、沙里を見た瞬間から、舌舐めずりした狼にしか、二人の目には見えなかった。
律が沙里をがっちり捕まえて、逃がす気がない事に、当の沙里だけが気づいておらず、1ヶ月間の彼女が終わったら、またグループ交際に戻ってしまうのだと沙里は思っているのだった。
沙里以外の3人の頭には、「グループ交際」などという言葉すら、とうに消えてなくなっていたというのに………。
(律とずっと付き合っていけたらいいな)
─────by沙里─────
≪end≫
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