空と地上を繋ぐ者~竜に育てられた少年~

かげろう

文字の大きさ
1 / 8

地上に下り立つ

しおりを挟む
アークスは砂漠を歩いていた。
照りつける太陽と永遠に続くかの様な砂の海、見上げれば空の青と砂の黄色が果てしなく天と地を隔てる様に広がっている。

「ここはどこだ、、、?まぁとりあえず歩くか、、」

10時間後

「腹、、減ったな」

2日後

「喉、、水、、水、、」

盛大に迷っていた。
既に3日はこんな状況だ。魔力は大量に余っているのだが、俺は水属性の魔法が使えない。こんな時に限って、自分の適正が恨めしい。

3日前に急に母さん、マザードラゴンである天空龍メルクリアスに地界に降り、勉強して来なさい。と放り出された。

なんでも地界にある自らの眷属達の国、龍人族の国が危機に瀕しているとかで、助けに行くそうだ。当分帰ってこないから、自立しなさい。というのが理由らしい。程の良い、厄介払いに違いない、、絶対男がいるんだ。絶対、、、

その際に餞別だと魔剣を与えられたのだが、今の状況には何の役にも立たない。それにこの剣何故だかどれだけ力を込めても抜けないのだ。そもそも抜けない剣は剣ではない。

それよりも問題は、母さんに修行だと言われて、力の多くを封印されてしまった事だろう。

「いつまで歩き続ければ良いんだ、、」

歩けども歩けども、周囲にあるのは砂ばかり。茹だるような熱波が肌を焼き、身体中から水分を奪い去る。

「あー、喉渇いたな、、、」

この砂漠を俺は知っている、ずっと地上に憧れて空より見ていたからだ。ここは世界の真ん中にあるサイラス砂漠。

決して数日歩いただけで踏破出来るものではない。一つの国が丸々収まるだけの広大な土地だ。

「ここに、俺の運命に関わりある人と繋がる可能性があるとかなんとか言ってたが、、何にもないじゃないか。」

メルクリアスは、先読み。少し先の未来を見る事が出来る。その力が告げたんだそうだ。

龍人の国にも巫女としてかなり高い地位にいるらしい。それとなくアドバイスを与える様な事を言っていた。「その内遊びに来るといい」なんて呑気に言っていた事を思い出し、腹が立ってくる。

ずっと歩き続けていると、そろそろ日も陰り始めて来た。気温がグッと下がり始める。今日も夜通し歩くのか、とゲンナリしていると、ふと魔力の波動を感じた。

この世界には人間の他に魔物がいる。人間や魔物は体内に魔力を内包しており、通常状態でも魔力は絶えず体から流れ出ている。これが魔力を扱う達人となれば、一切体外に流出させずにコントロールも可能だ。

地下世界、通称魔界には魔族もいるし、俺が居た天界には、ドラゴン達も住んでいる。まぁドラゴンは数を減らしもう数頭しか残っていないが、、彼等の魔力は人とは比べ物にならない。

魔力の大きさからして、何人か人の存在を感じる。だが、魔力の波動の出所に向かおうと足を動かそうとするが、もう言う事をきかない。

「もうダメだ限界、、」

その言葉を最後に倒れ伏してしまう。視界が歪み、頭に鈍痛が響き、ボーとして何も考えられなくなる。朧げながらに何かが近づいてくるのを感じたが、警戒感は微睡む意識に溶けて消えていった。

「姫様、人です。」

「人が倒れています」

1人の女性が倒れたアークスに駆け寄って近づいて来る。

「あ、ダメです。そんな無警戒に近づいては!!」

1人の女性が倒れたアークスの元に駆け寄って来る。そっと抱き起こして、口元に耳を澄ます。

「良かった、まだ息がある」

「姫様!」

「ここから遺跡までは直ぐです」
「ここではいつ魔物に襲われるか分かりません、急ぎこのお方を連れて、遺跡でキャンプを張ります」

反論は許しませんとばかりに、周りの数人に指示を出す。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!

野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。  私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。  そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました

ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。 ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。 王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。 そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。 「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。

ネットワーカーな私は異世界でも不労所得で生きたい 悪役令嬢として婚約破棄を狙ったら、王家全員に謙虚な聖女と勘違いされて外堀を埋められました

来栖とむ
ファンタジー
「私の目標は、十七歳での完全リタイア。――それ以外はすべて『ノイズ』ですわ」 ブラックIT企業のネットワークエンジニア兼、ガチ投資家だった前世を持つ公爵令嬢リゼット。 彼女が転生したのは、十七歳の誕生日に「断罪」が待ち受ける乙女ゲームの世界だった。 「婚約破棄? 結構です。むしろ退職金(慰謝料)をいただけます?」 死を回避し、優雅な不労所得生活(FIRE)を手に入れるため、リゼットは前世の知識をフル稼働させる。 魔法を「論理回路」としてハックし、物理法則をデバッグ。 投資理論で王国の経済を掌握し、政治的リスクを徹底的にヘッジ。 ……はずだったのに。 面倒を避けるために効率化した魔法は「神業」と称えられ、 資産を守るために回避した戦争は「救国の奇跡」と呼ばれ、 気づけば「沈黙の賢者」として全国民から崇拝されるハメに!? さらには、攻略対象の王子からは「重すぎる信仰」を向けられ、 ライバルのはずのヒロインは「狂信的な弟子」へとジョブチェンジ。 世界という名のバックエンドをデバッグした結果、リゼットは「世界の管理者(創造主代行)」として、永遠のメンテナンス業務に強制就職(王妃確定)させられそうになっていて――!? 「勘弁して。私の有給休暇(隠居生活)はどこにあるのよ!!」 投資家令嬢リゼットによる、勘違いと爆速の隠居(できない)生活、ここに開幕!

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

奇跡の少女セリア〜私は別に特別ではありませんよ〜

アノマロカリス
ファンタジー
王国から遠く離れた山奥の小さな村アリカ… そこに、如何なる病でも治してしまうという奇跡の少女と呼ばれるセリアという少女が居ました。 セリアはこの村で雑貨屋を営んでおり、そこでも特に人気な商品として、ポーションが好評で… 如何なる病を治す…と大変評判な話でした。 そのポーションの効果は凄まじく、その効果は伝説のエリクサーに匹敵するという話も… そんな事から、セリアは後に聖女と言われる様になったのですが…? 実は…奇跡の少女と呼ばれるセリアには、重大な秘密がありました。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...