機械の神と救世主

ローランシア

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第二章 始まりとやり直し

019 マキナと反撃

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 アルテミスを捕らえた日から安全の為に俺は食事を自室で採る事にした
 傍仕えさんや、料理長、陛下……
 関係者に事情を話し協力を得られるまでに半日を要したが、
 俺の希望が通り部屋でアルテミスを対面に監視しながら飯を食べていた
 もちろんアルテミスの手を自由にさせるわけにはいかないので
 ワイヤーに捕縛したままマキナがアルテミスに食べさせている
 ちなみに手は用心の為にマキナの装甲と同じ素材をマキナに作ってもらい、腕を手から肘まで鋼鉄で塗り固めて拘束している

 カチャッ……カチャッ…………コトッ……

 無言の部屋に俺達二人の食事の音だけが響く

「……アルテミス、聞きたい事がある。答えたくなきゃ答えなくていい。
 これについては頭の中を見るような事はしない。単なる世間話として聞いてくれ」
「……なんだ?」
「人間は、嫌いか」
「……嫌いだ」
「……そうか…………」

 たったそれだけだが、初めて会話が成立した

 二人とも一通り食べ終わり、次元の狭間に入れる直前……アルテミスが口を開く

「……お前も裏切られた時にわかるさ。お前も人間の醜さに絶望しろ…………」
「俺は裏切られても構わない」
「……お前、変わってるな…………」
「よく言われるよ」

 マキナが次元の狭間にアルテミスを収監する

 さって、飯食い終わったし。動き出しますかぁ、マキナ? ランデル王子は今この街にいるのか

 ≪はい。かなーりイラ立ってますね。「以前依頼した時は翌日には死体になっていたのに」とかボヤいてます≫
 まさか、送った暗殺者が返り討ちにあった挙句捕まってるなんて思ってもいないんだろうなぁ

 漫画とかでよくあるテンプレ展開の「ランデル王子をぶん殴って終わり」なーんて甘い事は俺はしねーぞ? ランデル王子……?
 ソフィアにあんな思いさせたアンタはきっちり償ってもらうからな……!

 ≪マスターに矢を八本も刺して殺しかけた罪……国ごと滅ぼしてもよろしいのでは≫
 マキナちゃん! すぐに人を殺すとか言っちゃダメ!
 ≪だって! 私は死と破壊を司る神ですよっ!? たまにははっちゃけたいじゃないですか!≫
 それは知ってるけど……何? ストレスたまってるの? マキナちゃん
 ≪私だってストレスくらい溜まりますよ……。
 マスターのお願いとは言えランデル王子のあの見るに堪えない傍若無人ぶり四時間スペシャルを見たら。……うぇ、思い出したら吐きそう…………≫
 マキナが気持ち悪がるって相当だな。そこまでランデルの暴君ぶりは酷かったのか?
 ≪はい。嫌がる女の子を裸にして凌辱して、自分の尿や便を食べさせながら「豚」と罵ったり、
 笑いながら首絞めて周りの傍仕えやメイドが少しでも止めると、ギロチンで処刑してました。
 そして、止めた女の子がギロチンの刑に処されるのを、他のメイドたちに一緒に笑う事を強要して一緒に笑いながら見てました
 これ……大分ソフトにお伝えしてますよ? …………マスター? ご覧になられます?≫
 ……いい、夕飯がまずくなりそうだ…………
 ≪はい。ね……? そんなの四時間も見たらストレスもたまりそうでしょ…………?≫
 うん、マキナが気持ち悪がるのもわかるよ……。想像を絶するドクズだったな、ランデル王子
 ストレス発散の方法が何かあれば良いんだがな……。この世界にもバッセンとかあったらいいのにな
 ≪バッセンって何ですか?≫
 バッティングセンターの略でバッセンっていうんだ
 飛んでくる球をバットっていう棒のような道具で打ち返す遊びができる遊興施設だよ
 ≪……ああ、これならすぐできますよ? やっていいんですか≫
 えっ? バットとか……ないよな? この世界。あ、俺の籠手みたいに作るとか?
 ≪いえ、ただの棒でいいですよ。私が球の代わりに手榴弾を投げてランデル王子がそれを棒で打ち返すという遊びが楽しめますね。
 ランデル王子は球が打てなかったら爆発して死ぬというスリリングな遊びが楽しめます。私もランデル王子を爆破して楽しめますし!≫
 俺の知ってるバッセンはそんなに物騒なルールじゃない! 最近ブラックジョークのレベルが半端ないね!? 絶対ダメ!
 ≪ぶー≫
 可愛く拗ねてもダメ
 ≪……≫
 上目遣いで媚びてもダメ!
 ……この件が終わって落ち着いたら街に遊びに連れて行ってあげるからそれまで我慢しようね?
 ≪はいっ! もうそれが楽しみで楽しみで……≫
 ああ、さっさと片付けて遊びに行こうぜ
 ≪はいっ。ではお聞きします。マスターは今回の件をどう決着をつけるおつもりですか?≫
 うーん……、決着かぁ…………。
 単純な解決方法は殺す事だけど、殺したら大事になるしなぁ、困るよなぁ
 ≪ですねー。生きてても死んでても迷惑な人です。
 やっぱり無難なのは陛下に相談して事を公にして……とかですかね?≫
 そんなことしても無駄さ。そもそも証拠が何もない状態じゃな……
 ≪えっ……!? あの…………、あの映像ではダメですか……?≫
 マキナのモニターも映像という物も、それ自体がこの世界に存在しないものだからなぁ
 この国なら少しは実績もあるし俺らの味方を陛下やソフィア、レティシアに隊長やレイザーさん、
 それに貴族の皆さんが援護してくれるだろうから、ある程度の信用は得られるだろうさ。
 だけど俺らの事を知らない国の連中が、あの映像を見たところで「はい、そうですか」と信じるとは思えない。
 まして自分たちの国を揺るがす大事件の鍵を握ってるのが、見た事も聞いた事もない代物で見せられる映像だ。得体のしれない物感抜群だろ
 ≪……モニターや映像そのものを疑われるという事ですか≫
 そういう事。仮に陛下に直談判して事を公に出したとしても、知らぬ存ぜぬを通されたら終わりさ。
 仮にカメラみたいなことができる魔法がこの世界にあるのなら話は変わって来るけど、そういう魔法は存在しないみたいだしな。
 現状でそのモニターも映像もマキナからしか出せないだろ?
 モニターを騎士団長に初めて見せた時も信じてもらえるか賭けだったしなぁ
 逆に俺らが証拠を捏造したとか言い出されたら、それこそ捏造をしていないという証明なんて無理だ

 ≪はい……≫

 ショボンとした顔になり俯くマキナ

 ……大丈夫。考えてあるから
 ポン……と頭に手を置き撫でながら言うとパアっとマキナの顔が明るくなり俺の方を向く

 ≪ホントですかっ?≫

 ああ。それでちょっとマキナに確認したいことがある
 俺の元いた世界でさ「神隠し」って怪奇現象があったんだけど、この世界にもそういうのあるか?
 ≪……ああ、これですね。「神隠し・人が忽然と姿を消し行方不明になる現象…………」
 はい。それこそ魔物や野盗が各地で人を攫って殺して死体がみつからない等は日常茶飯事で……あ! もしかして…………?≫

 マキナのその言葉を聞き思わず二ィッ……と口角が上がる

 ≪あっ? マスターが悪い顔してるー! ということは、やっぱり……?≫
 うん、そうだよ? ランデル王子に神隠しに遭ってもらうつもりだよ?

 俺らに「天罰」与え損なった神様に、機械の神が起こす「神隠し」に遭ってもらおうじゃねえか

 ≪ふふふふっ! それ、いいですねっ! そして罪や疑いは野盗や魔物が引き受けてくれる、と≫
 ランデル王子が一人で部屋にいる時に、一切の証拠を残さず次元の狭間にかっさらうなんて……、マキナにとって造作もない事だろ?
 ≪一秒間部屋を不可視化して、遮音して……。そんなの、欠伸しながらでもできますよ≫

 マキナと顔を見合わせ悪い顔で二人で笑い出す

「≪ふふふふふっ≫」

 ≪ふふっ! でも、殺さないというのは意外でした≫
 いくらなんでも殺しはしねえさ……ちょっといなくなってもらうだけだ
 ≪なるほど。ランデル王子には永久に続く無限の荒野で反省してもらいましょう≫
 じゃあ、ランデル王子がマーキスに帰った日の夜中頼む
 ≪今すぐじゃないんです?≫
 この国でランデル王子が消えるとエルトにも面倒な事が起こりそうだしな。マーキス国の自分の部屋で消えてもらおう
 ≪……もしかして、今まで次元の狭間に人が入れるって事を絶対に知られないようにしてたのって…………≫
 うん、そうだよ? リリアさんを助けた時にこの世界のヤバさは理解してたし、この物騒な世界なら何かしら問題は起こると思ってたからな
 いつかは誰かを消したいって時が絶対にやってくると思ってたし。そうなった時、次元の狭間に放り込むって最強の一手だろ
 ≪ですね……。仮に疑われたとしても証拠を出しようがないですもんね≫
 ああ。セキュリティレベル最大の隔離空間で頼むな?
 ≪はいっ≫
 ないとは思うけど、マキナ以外が隔離空間かセキュリティにさわった瞬間、ランデルを隔離空間ごと消滅させてくれ
 ≪……? なぜそこまでするんですか?≫
 あの妨害のペンダントの存在が気がかりだからな
 あの森の妨害装置も、あのペンダントも明らかにマキナの存在を知っていて、
 どんな能力を持っているのか知らないとまず作らない物だろう?
 ≪あぁー……、確かに…………対策できる対象がピンポイント過ぎますもんね≫
 だろ? と言う事はそいつは次元の狭間の存在を知っていてもおかしくないからな
 ≪なるほど≫
 今の俺の強さでセキュリティレベル最大ってできるか?
 ≪はい。それはできます。仮にマスターが一〇0%私の力を引き出したとしても、セキュリティ強度は今と同じです≫
 ≪ふふふふっ! ホンットマスターって色々考えつきますねぇ……≫
 後俺らがやる事はランデル王子がマーキス国に帰るまでは監視かな
 ≪わかりましたっ。動きがあったらお伝えします≫

 こうしてランデル王子への反撃方法を決定し、作戦決行までの間修行をして過ごした

 それから三日目の朝、朝食後マキナから話しかけられる
 ≪マスター? 夕べ、マスターがお休みになった後、ランデル王子を次元の狭間へご招待完了しました≫
 おぉ、ようやくマーキス国に帰ったか。
 となるとランデル王子が隔離されてから一夜明けたわけだがランデル王子はどんな感じだ

 ≪放り込んだ数時間は怒ったり泣いたりわめき散らしてました≫

 ハハハ! ざまぁ!
 ≪それからは起きては寝てを繰り返す毎日ですね。突然泣き出したり、笑い出したり、怒り出したりと観察していて飽きません。
 十年が経った頃から「あ~~~あああ~~~」と唸り声のような声しか出しません。完全に精神に異常きたしてますね≫
 よし、予想通り精神壊れたか。これで完全に潰れたな。
 まぁ、あの何もない空間で百年近くいたら精神も壊れるわな
 マーキス国の様子はどうだ? 王子がいなくなったってもう気が付いたのか
 ≪いえ、まだ気が付いていませんね。後10分ほどで傍仕えがランデル王子の部屋に来るはずなのでそこで気が付くと思います
 隔離してから何時間経ってる?
 ≪あと10分で丸10時間です≫
 よし、じゃあランデル王子を元の部屋に戻していいよ。ランデル王子の部屋に誰もいないの確認してからな
 ≪はい、誰もいません。……? …………解放するんですか? このまま永久に次元の狭間に放置するんじゃ≫
 一国の第一王子が突然行方不明になったら大事になるさ。それがたとえどんなドクズであってもな。
 ランデル王子がいなくなったとわかったら、エルトにも何か言いがかりをつけてくるかもしれない。
「ソフィア姫はランデル王子を疎んでいたはず、ソフィア姫が救世主に命じてランデル王子を攫ったのではないだろうか?」
 なーんて考えを持つ奴が出てくるかもしれない
 だから身柄だけは返してやるさ。まともな状態じゃないけどな。
 今このタイミングで解放すれば「一晩明けたらランデル王子がおかしくなってた」って見えるはずだ
 ≪ランデル王子は元々まともじゃなかった気が……≫
 ハハハハ! そりゃそうだ! 逆にまともになったんじゃねえか?
 ≪「人に迷惑をかけない」という点だけはまともになりましたね……ふふふふふっ!≫
 ≪……今、ランデル王子を開放しました。…………あっ。ちょうどメイドがランデル王子の部屋に着ましたね
 ……メイドがランデル王子の異変に気が付いて声を上げて驚いた後、ニヤニヤしながら他の人へ伝えに行きました≫
 やっぱり随分憎まれてるな
 ≪それはそうでしょう……≫
 じゃ、ランデル王子は放置しても大丈夫そうだな
 ≪マスター? ランデル王子が元の状態に戻ったらどうするんですか≫
 その時はお仕置きのおかわりだな
 ≪なるほど。それを聞いて安心しましたっ。早くよくなってほしいですね……≫
 ああ、ランデル王子。なんておいたわしいことでしょう
 ≪棒読みです! マスター! ふふふふふっ≫

 さって、とりあえずランデルはいいとして、次はあの傍仕えだけど……なんかわかった事ある?

 ≪はい。あの傍仕えですが、北の大国「セレスティア法国」が二年前マーキスに送り込んだスパイのようですね
 初めて聞く国の名前だな
 ≪以前は北のセレスティア、南のエルトと並び称されるほどの大国だったようです≫
 以前は……ってことは今はやっぱり…………?
 ≪はい。度重なる破滅の王の軍勢の攻撃を受けエルトと同じように、国の力は低下し風前の灯のようです≫
 ≪セレスティアは昔の栄華を取り戻すためエルトの乗っ取りを企てていたようです≫
 ……? え? エルトを乗っ取るつもりなのに、なんでマーキスにスパイ送りこんでんだ?
 ≪昔からマーキス国と交流のあったエルトですから、ランデル王子とソフィア姫を結婚させてエルトの内情を得ようとしたようです≫
 なるほどね、あえて遠回りしてバレるのを避けたってとこか
 わかった、傍仕えの監視も頼めるか? また破滅の王の軍勢と接触するかもしれないし、傍仕えは泳がせておこう
 ≪はいっ≫

 さて、ある程度カタはついたな。よし、ソフィアに知らせに行くか
 ≪はいっ。……ソフィアさん、安心してくれるといいんですけど…………≫
 だなぁ。でも詳しく説明するわけにもいかないしなぁ……
 ≪ですよねー……≫

 傍仕えさんに聞きソフィアの居場所を聞く
 今陛下の部屋にいるらしい

 ……ソフィアも王女の仕事で忙しいからな…………。
 無事に帰って来たという事を知らせる為に顔だけ見せておこうか
 同じ城に住んでいても食事の時以外は滅多に顔を会わせないからなぁ

 陛下の部屋の前に行きドアの前の近衛兵さんに事情を話し、近衛兵さんがドアをノックをしようとした時ドアが開かれた

 ガチャッ

「……おや? これは救世主様…………どうかなさいましたか」

 陛下の傍仕えさんが少し驚いた表情で迎えてくれる

「あっ!? 司様っ!」

 パタパタパタ……

 部屋を駆けてくる音が聞こえソフィアがドアを開けてくれる

「っ! ……司様っ!」

 俺の顔を見たソフィアが抱きついてくる

「そ、ソフィア……? どうしたの? 何かあった…………?」
「司様……司様…………」

 スリスリスリスリ……

 俺の胸に顔をうずめソフィアが甘えてくる

 あー……これは、やっぱり…………相当心配させちゃってるなぁ……
 ≪ですねぇ。まあ、気持ちとしてはわかります……≫

「ソフィア? とりあえず中入っていい?」
「は、はいっ! どうぞっ……」
「……失礼します、陛下」
「おぉ、救世主様。どうぞ、お入りください」


 ソフィアに導かれ中にはいると、アニメや漫画でしか見た事ない豪華なベッドが目に入る
 すげぇ! 天幕が付いてるベッド初めて見た!

 マキナ? 部屋の遮音頼む
 ≪はいっ≫

「ソフィア? ランデル王子の件だけどさ」
「……っ! …………はい」

 ソフィアが凄く不安そうな顔になる

 ソフィア? もう大丈夫だからそんな顔しなくて大丈夫だよ

「昨日ランデル王子が依頼したっていう暗殺者が襲ってきたんだけどさ」
「……っ!?」

 ソフィアが口を押さえ顔を青ざめる

「暗殺者って……! あの、司様…………? お怪我は……」
「だ……」

 大丈夫と言おうとした瞬間ソフィアの顔色が真っ青になり、ソフィアが突然大きな声を出す

「っ! こ、この腕の傷痕……! 昨日はありませんでしたよね…………!?」

 腕の傷痕を凝視し、ソフィアが顔を凍ったように強張らせる

 ≪……腕どころか、他にも七か所くらい…………≫
 マキナちゃん! ソフィアにそれ絶対言っちゃダメだからね!? 言ったら俺怒るからね!?
 ≪はぁい……≫

「あ……えっと。だっ! 大丈夫! ほら! 俺救世主…………!」
「司様……っ!」

 救世主だから大丈夫、そう言いかけた時、ソフィアに抱きしめられ、ベッドに押し倒される

「うっ……ぐすっ…………! わ……、私のせいでこんな痛い思い……を……! ごめんなさいっ」

 う、うわあああああ!?
 おっ! 俺っ……俺っ!? 女の子に抱き付かれてる!?
 ちょ、マジどうしたらいいんだこれ!?

 人生初の出来事に混乱し、押し倒された状態で体が直立不動になる

「えっと……」

 どうしよう? どうしたらいい?
 様々な言葉がぐるぐると頭を回るがどれを言えばいいのかわからない

「えっと、ソフィア? 俺なら大丈夫だから……」

 なんとか笑顔にしそれだけ、やっと口から出す事ができたのはそれだけだった

 ひとしきり泣き終わったのか、ソフィアが顔を上げ俺の顔をじーっと見てくる

「司様ぁ……」

 胸に顔を押し当てグリグリと顔を擦り付けてくる

 ……なんだ。…………大国の、第一王女様ってすげぇって色々気を遣わなきゃって思ってたけど
 こうしてるソフィアはただの普通の「女の子」じゃん……
 なんか「大国の第一王女」って肩書に変にレッテル張ってたのは……俺だけだったって事か……

 ソフィアの意外な一面を見てなにかを安心し、腕を動かす


 ソフィアの頭を撫でると気持ちよさそうに笑顔になってくれたので撫で続けていた────
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