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第1章 学園編〜天然王子とその護衛(クラスメイト)たち
第12話 恋人かよ
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【今回の学習】
側から見たらカップルです
————————————————————
「ん……んん?」
カーテンの隙間から太陽の日が差し込み眩しくて起きる。しかし、身体には何か重いものがのしかかっていた。
眠たい目を擦りながら目を開くと……
「おはようアツ」
「おはよう……って朱莉?」
なんと俺の上には、朱莉が馬乗りのような形で腹の上に乗っていた。どうりで重さを感じたはずだ。
「お、重い……」
「へぇー女の子に対して重いとか言っちゃうんだぁ~。じゃあーー」
「——ぐぶっ!?」
目が一気に覚めた。それもそうだ。朱莉が俺の腹の上でジャンプしやがったからだ。
「えいえい」
「ぢょ……まっ……ぐえー…」
「あはは!ぐえー…だって~!」
腹の上で腰を落として跳ねる朱莉は俺の反応を面白がっている。コイツ……あとで絶対後悔させてやる……。
「……普通に死ぬんだけど」
身体を起こし、疲れきった声でそう言う。朝っぱらから変な体力を使わせないで欲しい。
「女の子に重いって言った罰だよ」
「もうその2文字は絶対言わないわ。ところでなんでいるんだよ」
「今日はアタシが護衛の日だから居ても問題ないでしょ?」
「ないけど何故俺の上に乗ってた訳?」
「んー…気まぐれかな?」
「お前、やっぱりビッチだったのか……」
男の腹の上に乗って朝、起こすとか大胆すぎる。もう少し下だったらヤバかった……アレがな……。
「ビッチ言うな。自分で言うのもなんだけどアタシって結構可愛いと思うんだよねー」
「それ、翠も言ってたぞ」
「この世界の女の子は自分のことを可愛いと自覚しないとやっていけないのよ」
「女の子って大変だなー…。だが、いくら仲のいい女友達なお前でもこれはやり過ぎじゃないか?」
「女友達ねぇ……」
何か考え込むように顔を険しくする朱莉。すると、俺の肩に手をそっと置いた。
「ねぇアツ、キスマークつけていい?」
「はぁ?」
思わぬ提案にそんな声が出る。
「女友達なんでしょ?」
「それとこれとは別だろ……。大体なんのためにつけるんだよ」
「んー…これも気まぐれかな?」
「気まぐれで済む問題かよ……」
キスマークって恋人とかが愛の印とかにつけるやつだろ?気分次第で決めていたものなのか?
「ただの女友達なんでしょ?それとも女として意識しちゃった?」
朱莉は誘惑するような妖艶な瞳をこちらに向け、不敵に微笑んだ。その姿にドキッとしたが一息つき落ち着く。
「女友達と言ったのはお前が話しやすいって意味だ。朱莉は気さくで料理もできて頭も良くてまさに完璧人。つまり……」
「朱莉はめちゃくちゃいい女だ」
俺が真面目に答えたからなのか、目の前の朱莉の顔は真っ赤に染まっていた。
「そんな美少女からキスマークをつけられて嫌な男はいない」
「……アツってなんでそんなにカッコいい台詞言えるの?タラシなの?」
「実はちょっとカッコつけてた」
最後の台詞とか思い返しただけで恥ずかしい。こういう台詞はイケメンが言った方がよりときめくよな。
「キスマークはつけていいんだね?」
「おうよ」
「どこがいい?」
「そもそもキスマークってどこにつけるの?」
経験とかないから分からない。
「一般的なのは首筋とかかな?」
「じゃあそこで頼む」
俺がそう答えると、朱莉は目を閉じて「ふぅ……」と一息はいた。
「じ、じゃあいくよ?」
「おう」
朱莉は俺の首元に顔を埋めた。
次の瞬間、チクリと針で刺されたような痛みが走る。その部分がジワジワ熱くなりキスマークをつけられたことを肌で感じる。
「ん……つけたよ」
「といっても俺には見えないけどな」
首筋ら辺だからギリギリこちらから見えない。
朱莉も流石に恥ずかしかったらしく、真っ赤になった顔をパタパタと手で扇いでいる。
「気になるなら制服で隠していいから」
「大体の人は虫刺されと勘違いするだろ」
それに第一ボタンを付ければ見えなそうだ。
「——…虫刺されねぇ……」
「ん?なんか言ったか?」
「ううん、なんでもない。それより梨月ちゃん、今日は日直らしくて早めに出かけたよ。朝ご飯は出来てるからね」
「おう」
朱莉が上からどいてくれたのでベッドを降りて身体を軽く捻ったりする。
「もう、髪ボサボサなんだけど……」
「朝だからな」
「何その理屈」
朱莉はクスリと笑うと部屋の入り口に移動した。
「ご飯食べた後、寝癖直してあげるから着替えて早くきなさい」
「はーい」
朱莉が階段を降りて行ったので、制服に着替える。
「というかよくよく考えたら今のって恋人っぽいな。まぁ朱莉が俺のこと好きなわけないか」
◆
「……ペロッ」
自分の唇を舐める。さっきまでアツの首筋を吸っていた唇を舐める。
鼓動が早まる
胸が締め付けられる
体温が上昇する
僅かに顔が熱くなる
今、アタシは最高に幸せだ。
「アツは警戒心無さすぎて心配になるなぁー…」
あんなに簡単にキスマークをつけさせてくれるなんて。
気まぐれと言ったが本当はアツとアタシが親密な関係だと周りに知らせるためだ。独占欲、とでも言おう。
「ふふっ、おねぇより先にキスマークつけちゃったぁ……。次は何しようかなー…」
ねぇアツ、そんなに鈍感だとアタシが君を食べちゃうよ?
側から見たらカップルです
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「ん……んん?」
カーテンの隙間から太陽の日が差し込み眩しくて起きる。しかし、身体には何か重いものがのしかかっていた。
眠たい目を擦りながら目を開くと……
「おはようアツ」
「おはよう……って朱莉?」
なんと俺の上には、朱莉が馬乗りのような形で腹の上に乗っていた。どうりで重さを感じたはずだ。
「お、重い……」
「へぇー女の子に対して重いとか言っちゃうんだぁ~。じゃあーー」
「——ぐぶっ!?」
目が一気に覚めた。それもそうだ。朱莉が俺の腹の上でジャンプしやがったからだ。
「えいえい」
「ぢょ……まっ……ぐえー…」
「あはは!ぐえー…だって~!」
腹の上で腰を落として跳ねる朱莉は俺の反応を面白がっている。コイツ……あとで絶対後悔させてやる……。
「……普通に死ぬんだけど」
身体を起こし、疲れきった声でそう言う。朝っぱらから変な体力を使わせないで欲しい。
「女の子に重いって言った罰だよ」
「もうその2文字は絶対言わないわ。ところでなんでいるんだよ」
「今日はアタシが護衛の日だから居ても問題ないでしょ?」
「ないけど何故俺の上に乗ってた訳?」
「んー…気まぐれかな?」
「お前、やっぱりビッチだったのか……」
男の腹の上に乗って朝、起こすとか大胆すぎる。もう少し下だったらヤバかった……アレがな……。
「ビッチ言うな。自分で言うのもなんだけどアタシって結構可愛いと思うんだよねー」
「それ、翠も言ってたぞ」
「この世界の女の子は自分のことを可愛いと自覚しないとやっていけないのよ」
「女の子って大変だなー…。だが、いくら仲のいい女友達なお前でもこれはやり過ぎじゃないか?」
「女友達ねぇ……」
何か考え込むように顔を険しくする朱莉。すると、俺の肩に手をそっと置いた。
「ねぇアツ、キスマークつけていい?」
「はぁ?」
思わぬ提案にそんな声が出る。
「女友達なんでしょ?」
「それとこれとは別だろ……。大体なんのためにつけるんだよ」
「んー…これも気まぐれかな?」
「気まぐれで済む問題かよ……」
キスマークって恋人とかが愛の印とかにつけるやつだろ?気分次第で決めていたものなのか?
「ただの女友達なんでしょ?それとも女として意識しちゃった?」
朱莉は誘惑するような妖艶な瞳をこちらに向け、不敵に微笑んだ。その姿にドキッとしたが一息つき落ち着く。
「女友達と言ったのはお前が話しやすいって意味だ。朱莉は気さくで料理もできて頭も良くてまさに完璧人。つまり……」
「朱莉はめちゃくちゃいい女だ」
俺が真面目に答えたからなのか、目の前の朱莉の顔は真っ赤に染まっていた。
「そんな美少女からキスマークをつけられて嫌な男はいない」
「……アツってなんでそんなにカッコいい台詞言えるの?タラシなの?」
「実はちょっとカッコつけてた」
最後の台詞とか思い返しただけで恥ずかしい。こういう台詞はイケメンが言った方がよりときめくよな。
「キスマークはつけていいんだね?」
「おうよ」
「どこがいい?」
「そもそもキスマークってどこにつけるの?」
経験とかないから分からない。
「一般的なのは首筋とかかな?」
「じゃあそこで頼む」
俺がそう答えると、朱莉は目を閉じて「ふぅ……」と一息はいた。
「じ、じゃあいくよ?」
「おう」
朱莉は俺の首元に顔を埋めた。
次の瞬間、チクリと針で刺されたような痛みが走る。その部分がジワジワ熱くなりキスマークをつけられたことを肌で感じる。
「ん……つけたよ」
「といっても俺には見えないけどな」
首筋ら辺だからギリギリこちらから見えない。
朱莉も流石に恥ずかしかったらしく、真っ赤になった顔をパタパタと手で扇いでいる。
「気になるなら制服で隠していいから」
「大体の人は虫刺されと勘違いするだろ」
それに第一ボタンを付ければ見えなそうだ。
「——…虫刺されねぇ……」
「ん?なんか言ったか?」
「ううん、なんでもない。それより梨月ちゃん、今日は日直らしくて早めに出かけたよ。朝ご飯は出来てるからね」
「おう」
朱莉が上からどいてくれたのでベッドを降りて身体を軽く捻ったりする。
「もう、髪ボサボサなんだけど……」
「朝だからな」
「何その理屈」
朱莉はクスリと笑うと部屋の入り口に移動した。
「ご飯食べた後、寝癖直してあげるから着替えて早くきなさい」
「はーい」
朱莉が階段を降りて行ったので、制服に着替える。
「というかよくよく考えたら今のって恋人っぽいな。まぁ朱莉が俺のこと好きなわけないか」
◆
「……ペロッ」
自分の唇を舐める。さっきまでアツの首筋を吸っていた唇を舐める。
鼓動が早まる
胸が締め付けられる
体温が上昇する
僅かに顔が熱くなる
今、アタシは最高に幸せだ。
「アツは警戒心無さすぎて心配になるなぁー…」
あんなに簡単にキスマークをつけさせてくれるなんて。
気まぐれと言ったが本当はアツとアタシが親密な関係だと周りに知らせるためだ。独占欲、とでも言おう。
「ふふっ、おねぇより先にキスマークつけちゃったぁ……。次は何しようかなー…」
ねぇアツ、そんなに鈍感だとアタシが君を食べちゃうよ?
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