男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして？

分からせパート

第12話 報告と策略

　夕飯を食べ、鹿波ちゃんに今日の出来事を電話で報告していた。

　報告したのは主に３つ。
　
・七崎さんを下呼びに変更

・香久山さんとの約束を断り、立夏ちゃんとご飯を食べた。

・香久山さんといつもご飯を食べていることを話したら、一瞬、立夏ちゃんの様子が変だった。


『なるほどねぇ……』

「どうかな？　攻略できそう？」

『ええ、できるわよ』

　鹿波ちゃんがそういうなら信じれるけど……。

「思ったよりも反応薄かったよ、大丈夫？」

　頬を赤く染めて恥ずかしがるって感じはなかったし……むしろ余裕そうに見えた。

　振り返ってみれば、彼女たちの部屋着は、Tシャツ姿であるけれど、ブラジャーが完全に透けているのを気にしてもいない。

　恥じらいの面で感覚が違うのは、貞操逆転世界独特だ。

　童貞かつ女性免疫の無い僕にとっては、エロさしか感じないのに。
　いつも股間との戦いなのに。

『大晴、なんだか息が荒いけど大丈夫？』

「大丈夫、なんでもない」

『そう。なら、話を戻すけど……それはまだ本性を隠しているからよ』

「本性？」

『この学園の校風を忠実に守ってる優等生ってこと。2日目も今日の調子でいきなさい。勝負の分かれ目は3日目の水泳の授業。大晴が今まで通り優しい男子ではないことを"分からせる"絶好のチャンス』

「ほうほう」

『だから……3日目は特に頑張るのよ』


◆

　そして迎えた攻略3日目。

　2時限目、体育。授業は水泳だ。

　今は準備運動をしていて、女子、女子、女子。見渡す限り女子しかいない。

　そしてみんな、ほぼ裸と変わらないんじゃないかと思えるほどの布面積が小さいビキニを着ていた。

　ここは天国かな？　……鼻血が出そう。

「大丈夫か、田中？」

「う、うん……」

「って、震えてんじゃねぇかよ。無茶すんなよ、田中に何かあったら俺、悲しいし」

「高橋……」

　なんだこのラブコメ。
　隣で田中と高橋がイチャイチャしている。
　周りがキラキラ輝いて見えるのは、目の錯覚かな？

「2人組を作れ！」

　準備運動を終え、水に浸かったところで先生の指示。

　高橋と田中が組むことで、僕は男子と組むことが不可能。

　まぁ最初から組む気はないけど。

「立夏ちゃん、僕と組もう」

　今日も立夏ちゃんのところに真っ先に向かう。

　だが、その一言で珍しく周囲の女子たちがざわつき始めた。