魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第11章 出向社員的ダンジョンマスター

第393話 本業はいくら経とうが本業だと実感できます。

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 これは幅が広すぎる。サンテが見せた資料は幅が広すぎた。まずは日本”豪農農家”式豪邸。かやぶき屋根と馬返しのついたこの字型は一の時代劇で出るタイプだ。確かの豪邸でしかも、この辺は稲が取れる。それを使った建築のアピールは大きい。が、これで歓待するのか?ファンタジーに拳で喧嘩を売りに行くスタイルだ。次は…アラブ、イスラム建築式豪邸で、白を基調としたスタイルだ、大理石を引いた床のほかに。白や黒、その他の塗料は白は”貝を砕いた白””炭の黒”などを用いた、旧体然としたスタイルだ。一応ファンタジーの枠に入るがこの辺だと通気性込みで涼やかすぎて住んでいる奴が風邪をひきかねない。次は…ローマ古典建築の土壁式建築…。これだと建築費も低く豪邸も目立たないが。これ、周辺の家と埋没する。ついでに建築費は一番安いが、技術である”漆喰づくり”が見せれるため、技術の表現にはいい。次は…え…江戸時代”庄屋造り”だなこれ。確かに豪邸なのだが、商売っ気が強すぎて、腰を据えての階段はできない、この辺が西洋靴文化なのを考えても。この作りには強引さを感じる。で…え…。次は中世”領主の館”風の豪邸だ。これは”大使館”に持つ河原たファンタジーと言ったらこれという奴だが欠点は外見が似すぎて、大使館と区別付かんという点だ。最後は…。は?プレハブ工法のべニア作りの通称”現場本部”と呼ばれる作りだ。大型建設現場で用いるプレハブを縦横にユニット重ねにした、簡易アパート風と言えばわかるだろうが、確かにこの世界の技術ではありえない技術ではあるが、ベクトルが違い過ぎるだろ!
「ね?」
「確かにこれは悩む。」
「イーハ?どれがいい?」
「どれも欠点が多すぎる。」
「「え?」」
「これなら一から引き直す。だから二人とも、マスターとかそう言うくくりを抜きにして。まずは君たちの新居に要望することを教えてくれ。それから図面を起こして、DPで建てる。」

 なんとなく二人の要望を聞き、どこぞかで聞く建築家のベーシックの仕事と友達夫婦の家を建てる時のあの初々しさを思い出してしまった。あの時予算から色を付けるために値段交渉で各工務店を回った思い出が懐かしい。が、取りあえず図面を引いていく。
「凄い…。」
「お姉ちゃん。凄いよ。」
 最近水木から紙の生産が亜人で完成したと聞いて取り寄せ、バイラード革から作れる”ゴム判子”を使い、方眼紙を作成、まあ、これらの量産を行い鳥海は書く”事務用紙”の作成を急いでいた。あの人はどうも性質的に”事務員”が優先事項でそれに付随した感じらしく、文房具や身の回りの雑貨に予算を多分に履く為。現在ミギールさん含め
鳥海さんのダンジョンでは”事務用品”の開発を行っていた。特にノート、方眼紙などの事務の効率を上げる者を優先していた。また、買い付けた”定規”もこっちの帝国で標準化、単位の統一を行った。そして”検地”も実行される予定だ。単位が不安定だと、取る側も取られる側も、ごまかしがきく。それは農家の失望鳥さんを招く。今は食料
輸出国としてまずは農家の拡充のために税制の明文化、および単位の統一を図った。その為ギルド販売の”単位基準器”を全部導入、帝国皇帝の号令の元、各貴族に配布された。物品の販売での防止に偽装防止に、役人が時々商店を周り、”単位Gメン”みたいなことまでしているという。おかげさまで設計に使う大型方眼紙と、炭を改良した”炭ペン”の開発に成功し、こうして設計図が紙面で引けるようになった。それまでは地面だったから、ある意味辛かった。
「とりあえず、外見は漆喰に木枠、障子作りでいいか。」
「障子?」
「ガラスの開発ができないのでな。光を取り入れた建築にするためにはこうした障子を使った木枠の製作が必須なんだ。」
 紙が製作されれば、和紙として”障子”の生産が可能だ。この光を取り入れた建築というのは実際中世最大の難題でもある。特にこの世界にはいまだ”ガラス”の販売が思い出召喚以外存在しない。メッチャングの浜野砂は硝石ではなく”砂晶石”と呼ばれる特殊な物…嫌地球にはないもので、どうあがいてもガラスみたいな高熱結晶化をしなかった。
その上しても透明度はほぼない…サンゴの砂浜を思い出す仕様となった。また、どのダンマスも”ガラス”をメインに据えたアイテムの製作をしていなかった。がこれはある難題が発声する。建築上”必ず雨漏りする家”か、”かなり高額に光熱費がかかる家”鹿建築できなくなるのだ。光を取り入れ、且つそれ以外を通さない素材はない場合、家の奥はヒルでも真っ暗になる。それの解消には”光取り窓”が欲しいのだが。それが非常に雨漏りしやすい、ある程度光りを入れて直線でないと光は室内に入らず、雨漏り対策すれば今度は光が届かなくなるという代物だ。が、これは貴族を迎え、艦隊に使う予定の建築では不便となる。じゃあ、明りを大量に設置するのかと言われれば、今度は”一酸化中毒”との勝負になってしまう。ファンタジーの”光る魔道具”は買ってきたが、あれにはどうも”回路図”を理解できる知能と知識が欲しいらしく…。わが千鳥万花では全滅した。その為、魔道具は今の所”亜人同盟”の開発が頼りになる。
「それもいいな…できればお願いしたい。」
 家が小さいならいらないのだが…。今回は領主の家なので障子を窓に採用した。
「でだ、台所はどうする?」
 地味にこれも、悩ましい。というのも、モアレたちが女性だからだ。男領主みたく黙って料理を出させるというのは村的に良くない。この村も封建的にあれで料理=女性の思考があり、それをモアレたちが嫌っていない。そこが地味に女領主に求められるため、男性領主より多忙になりやすいというのが、モアレ達や鳥海を見て、思った事だ。ついでに鳥海も簡単でいいなら、部下に時々料理を振舞っているそうだ。それに、ここは”香草ステーキ”の元祖だ。またイーハ商会製作料理もある。なので、台所の大型化は必須だが、これを家のどの位置に置くのかが悩ましい、この世界の焼き肉を含め、非常に”臭い”。肉は確かに血抜きや内臓外しはするが少しは腐った肉や”内臓のかけら”の臭みは強い。その為この世界での建築の台所の上には部屋を建設しないのが通例だ。これは村々の家を建てる時に聞かされた。ダンジョンで匂いの元を消しても生理的嫌悪感は引きずる。なので、これは絶対だ。が、モア
レたちが好んで調理するなら、近い箇所で食堂と台所を建設しておきたい。
「一応料理もしたい。イーハにいい食事も出してやりたいからな。」
「お姉ちゃん練習してるんだよ。地味に。」
「ば、ばか!」
「いいじゃん。どうせばれるよ。」
「…期待して待っているよ、が、一応…それじゃ、近くでいいな。」
「…よろしく頼む。」
 モアレたちの顔を赤くしてもじもじしているが、私も恥ずかしいのだが…いや、先に進めて誤魔化そう。
「でだ、そうなると2階建ては決定だが…。広さもトイレも大体…。」
 地味にこれがきついのだ。今はまだ建築法が定まっていないが、中世の建築にとって”建築法”は地味に重みだ。最低でも”王様より権威在りそうな豪華な建物は禁止”である。が建築技術が発展してこれば当然越えたり大きくしたりする。そうなると出てくるのが建築許可の陳情だ。また、中世では幾度かこういう建築建物の大きさの話が出てくる。それ位建物は権威である。だから求められるのが”王城より立派でないが、それなりに立派で権威を示せる建物”であることだ。こうした”儲かったように見える家”は地味に好調に見せかけ、商談で長期取引利益があるように見えるので、値引き交渉等含め、様々な事が有利になる。が、さじ加減が難しい。
「そんなに大きくなくていいぞ。」
「そうだよ、今でも狩りに行くんだから。」
「そう言うわけにはいかんのだよ。」
 やはりいつの世も女性は実利を家に求めがちだな。鳥海もバラン城の大まかな設計の際は”官僚が仕事しやすく、書類作業がはかどる城”だったからな。
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