魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第11章 出向社員的ダンジョンマスター

第395話 同僚からの依頼の口調で、今の自分の立場が理解できます。

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 村の視察も終わり、銅に固まった処理が終わったころ、水木から微妙な連絡が届いた。
『できれば、建築を2件依頼できないでしょうか。』
 一応、同盟ではあるのだが、念の為こうしたメールでやり取りすることになっている。同盟に何か隠し項目があり、情報が洩れる事を計算に入れてだ。というわけで、早速直接会うべくダンジョンバトルで、出会う事にした。

「依頼は二つありまして、できれば助言だけでも力添え…願えないかと。」
「とりあえず、要件を。」
「それがですね…あの…。」
 申し訳ない感じたっぷりに説明されて、かなり事情を聴くのに時間がかかった。とても申し訳ないと思っているというか…遠慮されているのが…まだ距離がある感じがするな。が、事情は確かに微妙だった。一つは亜人同盟が企画した”ダンジョンマスターでも楽しめるダンジョンの製作”というわけで、ランダムダンジョンモドキを作る計画を立てた…らしい。私もランダムダンジョンを作りたくて”くるくるメイズ”の作成を行った。あれがどうもきっかけで、あれを作るダンジョンの代わりに企画されたのが”複数ダンマスによる製作ダンジョンマンション”それが”ケイブ(洞穴)”と名付けられたダンジョンの企画だった。確かにこれなら、巨大ダンジョンを少ないLVでも製作できる。で、この企画において亜人同盟のどのダンマスも参加自由だが…。ここで実はダンマスレベル7の水木だった。ダンマスレベル7は俗に言う”大ダンジョンマスター”という位置づけになっており、千鳥万花は基本ダンジョン外にダンマスを出して作業させることが多いので、レベル7まではほぼ全額融資している。が。他の同盟ではそういう事はしていない。なので、当然水木の扱いは”大ダンジョンマスター”である。なので、ケイブの参加を断れなかった。押しに弱いとも言う。

 そしてもう一つの依頼。それは『ココカカ村での初心者ダンジョンの制作』である。当然水木は扱い場は”亜人の新人ダンジョンマスター”だ。ついでに彼女は元々ダンジョン経営以外にダンジョンバトルでのヒール依頼に応じ、ダンジョンに救援に向かうアルバイトをしていた。その顧客が亜人内部に結構いた。ついでに彼女に基本領域は情報が漏れないように”診療所周りのみ”にしてある。実際は”国持ちのダンジョンマスター”と呼ばれる最近できた基準による領域のかなり大きなダンジョンマスターとしても扱われる。ついでに下から”領地なし<村<町<国<都市<大都市<大国”らしい…。こういうのは好きな奴が好きなんだろう。どちらにしろ彼女はレベル7の村か、領地無しダンジョンマスターに亜人同盟には映った。そこで、聖女教のシスターとしてココカカ村に赴任しつつ、近くにダンジョンを開いてもらう事になった。

 ココカカ村はザガートン国東部に位置する…極めてのどかな村であり、自給率100%くらいの平凡な村だ。村には数人の若い人と10件程度の家。今回ギルドショップと兼用の診療所の依頼があり、派遣されることになった。なんでここにダンジョンが欲しいのか。それがザガートン国における勇者とダンジョンの広がりだそうだ。どうも。勇者大陸では各町ごとにダンジョンがあり、そこからお宝が発見され、それが高値取引される、魔法が誰でも使えるようになる”スキルオーブ”や様々な武器防具など非常に高価な宝石まで落ちるという。だが、大陸一個越えたくらい遠いカナタの話だと、ザガートン国では当初この話を信じてもらえなかった。が、ダンジョンマスターは実際にザガートン国でも活躍しており、モンスターの排出は行っていた。が、そのほとんどは旧魔王軍を恐れ、亜人に降伏した。が、そう言うダンジョンにお宝のうわさが広がると、ダンジョンに潜る若者が増加していった。…ここで問題になるのが、それによる人口流出だ。皮肉か、相当距離がある所で発生してしまったダンジョンは村の若い人間をダンジョンにいざない。労働人口が激減する村が現れ始めた。集まられた方は人口の急増に犯罪率が増加と食糧不足で国に支援を求め、ダンジョンがない村々は人手を求めた。これに対策を立てるべく撃った手が、”ダンジョンの配置を均一化させる”という作戦だった。うちの○○は何とダンジョンだったんだ。と言い。若い者にダンジョンにとっとと潜ってもらい、現実を理解してもらう。またここで慣れて難易度の高くした、収益率の高いダンジョンに行ってもらえればなお良し。その為にはできるだけ均一にダンジョンを置きたい。そこで新人ダンジョンマスターに領域を貸し、ダンジョンを開いてもらう計画を出した。その許可はザガートン国王から貰ってあるという。ついでに領域は持ち主(王)に許可を貰えれば領域化できる。家の家主でもいいのだが、もっと大きな区分で”国王”に許可をもらった場合、その国が制定した国境線の範囲内の人が住んでいるいない関係なく全部を領域化可能となる。それにより亜人同盟はザガートン国の全域を領域に収めている。
「だが、二つか…難しいな。」
「どうもケイブは新年の集いの一か月後、どうもカレンダー制定の動きがあるらしくその新年二日目に行うと。」
 大方こっちとつながっているのを理解したうえでの依頼だな。どっちも確かに興味がある。特にココカカ村初心者ダンジョンは今千鳥万花にある”食肉ダンジョン”からワンステップアップした攻略ダンジョンになってもらうべくそのテストケースとして使える。それに、ダンマス向けダンジョンという…一ひねりも二捻りも欲しいダンジョンは意外と建築魂を揺さぶられる。
「分かった、組んでおきたいがまずは、ココカカ村に行こう。まずは現場を見たい。どの程度の難易度でいいのか、市場調査を行いたい。」
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