魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第18章 水木さんは地味に大幹部さん

第725話 食べられることがダメージになるモンスター

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「…大体出来上がったんじゃが。これがのぉ。」
 スキュラとの交渉後、すぐに俊三さんに呼ばれ
「どうも、スライムの特性が分かってきて…”リアル”でないと、種族認定されんことが分かってきたのじゃよ。」
 そう言って出されたのは特殊なスライムだった。

グミスライム(リンゴ)TIPS:ある星系都市において誕生した”生きている食料品”である。制御リミット付きで販売されたが”ネトネトする””人懐っこいが、口に自分から飛び込むので窒息しそうになった”等の苦情で取りやめになった。増殖の代わりに巨大化するが、手で引きちぎって食べる。

「この、赤白いスライムか?」
 外枠が赤で内側に行くにつれ白くなる謎のスライムだ。俊三さんの資料によると、食料になるそうだが、いやこれ…。
「今までの研究で、スライムに限り”スライムのリアル化”及び”与えるアイテムがリアルである”、”何代もその食べ物を食べて濃縮されている事”の条件を満たさないと、正式な進化としてみなされんのじゃ。しかも、”亜種進化”以外はすべて普通のスライムになりおる。」
「結構きついな。」
「で、このスライムはどうしてできただわさ?」
「こっちで取れたリンゴと、思い出召喚のグミを使っての。それを混ぜて食わせたがのぉ。が…これ…養殖するか?」
「うーん。」
 流石に考えてしまう。なんだろう。
「アチシは非常食としてはありだわさ。ただ…。」
「まあ、戦闘実験も行っておるが…それが微妙でのぉ。」
「どういう意味だ?」
 微妙なって事は負けるのか?
「食用にしては強すぎるんじゃ。かといって、本気で戦うと、食う可食部分がだめになるんじゃ。」
 と言って、映像を見せてもらった、確かにこれはだめだ。大きさ5mから7mの巨大スライムだが、普通と違い、物を溶かさない。代わりに取り込もうと体内に引き寄せて固定しようとする。ここで問題なのが”床”だ、日本人的な衛生感覚からすると靴を履いた床にいるかぶりついて食べれるモンスターなんて、何だろう。もにょる。
「アチシは却下したいだわさ。」
「一応スライム定番で、汚物の処理もできるうえに、ちゃんと味の変化はないのは確かめたんじゃ。」
「もっとダメだわさ!」
 わかる、もっとダメだろそれ。自分のあれ突っ込んだうえにそれを食べるのか?何か吐き気してきた。
「儂もそう思う、だから、聞きに来たんじゃ。これ、どうじゃ?」
 …確かにわかる、凄い有用なんだ、俗にいう異世界スライム的に非常に有能でかつ、食べれる、いらない物を突っ込んで食い物に変化できる、確かに有能だ。確かにな。だが、心情的にこれほどきついスライムを見たのは初めてだ。まさか有用に見える”食える”という項目がダメージになるとは。
「そう言えば、これを動物に食べさせてみただわさ?」
「そこも、問題でのぉ。こいつ…。基本この巨体じゃろ、餌にならんのじゃ、引きちぎった肉体の方はグミと一緒じゃが、動かんのまではいいんじゃが。…どうも動物が興味を示さんからのぉ、」
「そう言えば、グミ本体でさえ動物はあんまり食わんな。」
「確かにそうだわさ。」
「だから、開発してみたものの、これ、どうしたらいいのか悩むんじゃ、後、危ないスライムリストは渡しておく。やっとこれで一段階着いたから、幾つか、仕事を貰えると嬉しいがのぉ。」
「…感謝するだわさ。後で、仕事を割り振るだわさ。」
 まあ、こういう自由人が企業にいるのは悪くないが…。
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