18 / 22
木村江梨子
①
しおりを挟む
《今度の日曜日、すっごく楽しみです。帰り、ちょっとドライブして送ってくれたらうれしいな。二人っきりになれるかな……》
《なれるといいけど、無理かもね。でも、ユウカちゃんに会えるだけで幸せだよ》
《わたしもですー。ほんとに大好き》
《俺もユウカちゃんのこと好きだよ。いけないのはわかってるけど、好きなんだ。早く日曜日になればいいね。》
夫は浮気性だった。過去にも二回あった。結婚する前に一度と、妊娠中に一度。妊娠中の時の浮気相手ははすごく若い子で、慰謝料だなんだと騒ぐ気にもなれなかったし、出産して一那を可愛がり始めた頃別れたようだったので目を瞑っていた。
しかし江梨子はもうその点で夫を信じようとは思わなくなっていて、定期的に携帯を盗み見て動向をチェックしていたのだ。今日はたまたま、その行為を夫に見つかってしまった。だからと言ってこれはなんだ、離婚だと騒ぐ気はないが、それにしても一那の友達に手を出していたとは。まさかストーカーというのは、夫だったのではないか? 十五歳の子にこの内容は異常だとしか言いようがない。
「いや、違うんだよ」
夫は何が違うのかよくわからないが抵抗を始めた。
「ユウカちゃんはお父さんがいなくて、俺に父親を求めてるようなところがあってさ」
苦しいいいわけだ。いけないのはわかってるけど、などと真っ黒な内容を送っておいて、何を言う。
「何もないよ、あるわけないでしょ。だって一那の友達だし」
一那の友達と個人的にラインなど、江梨子はしたことがない。
「親子ごっこ、みたいな。だってさ、俺だって一那には大好きだよとかもう言われないし、そういうの嬉しいじゃない」
父と娘は、それが普通ではないか。
「犯罪? わかってるよ。娘と同じ年の子供に、何をするっていうの。そんなんじゃないよ」
優花は背は低いが、ものすごく人目を引く子で、顔も愛らしい。性格の良し悪しはさておき、男女ともに人気があると思われる。ああいう子供が好きな大人の男はいくらでもいる。
夫の女性遍歴を思い出した。自分の前の女は、高校生だとか言っていた。きっと若い子が好きなのだ。浮気相手も二十歳そこそこだったし、たまにそういう動画を見ていることも知っている。
しらをきっているが、こいつは優花が好きだ。自分の娘のクラスメイトであっても。
《なれるといいけど、無理かもね。でも、ユウカちゃんに会えるだけで幸せだよ》
《わたしもですー。ほんとに大好き》
《俺もユウカちゃんのこと好きだよ。いけないのはわかってるけど、好きなんだ。早く日曜日になればいいね。》
夫は浮気性だった。過去にも二回あった。結婚する前に一度と、妊娠中に一度。妊娠中の時の浮気相手ははすごく若い子で、慰謝料だなんだと騒ぐ気にもなれなかったし、出産して一那を可愛がり始めた頃別れたようだったので目を瞑っていた。
しかし江梨子はもうその点で夫を信じようとは思わなくなっていて、定期的に携帯を盗み見て動向をチェックしていたのだ。今日はたまたま、その行為を夫に見つかってしまった。だからと言ってこれはなんだ、離婚だと騒ぐ気はないが、それにしても一那の友達に手を出していたとは。まさかストーカーというのは、夫だったのではないか? 十五歳の子にこの内容は異常だとしか言いようがない。
「いや、違うんだよ」
夫は何が違うのかよくわからないが抵抗を始めた。
「ユウカちゃんはお父さんがいなくて、俺に父親を求めてるようなところがあってさ」
苦しいいいわけだ。いけないのはわかってるけど、などと真っ黒な内容を送っておいて、何を言う。
「何もないよ、あるわけないでしょ。だって一那の友達だし」
一那の友達と個人的にラインなど、江梨子はしたことがない。
「親子ごっこ、みたいな。だってさ、俺だって一那には大好きだよとかもう言われないし、そういうの嬉しいじゃない」
父と娘は、それが普通ではないか。
「犯罪? わかってるよ。娘と同じ年の子供に、何をするっていうの。そんなんじゃないよ」
優花は背は低いが、ものすごく人目を引く子で、顔も愛らしい。性格の良し悪しはさておき、男女ともに人気があると思われる。ああいう子供が好きな大人の男はいくらでもいる。
夫の女性遍歴を思い出した。自分の前の女は、高校生だとか言っていた。きっと若い子が好きなのだ。浮気相手も二十歳そこそこだったし、たまにそういう動画を見ていることも知っている。
しらをきっているが、こいつは優花が好きだ。自分の娘のクラスメイトであっても。
0
あなたにおすすめの小説
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる