平和は訪れない!!

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昔話の終盤!!

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眠ることは人にとって最大な幸せである。心の精神や体の疲労を回復させてくれる、最大の癒しでもある。時には嫌なことを忘れさせてくれることもある
だけど、眠りは人にとって最大な辛みでもある。「永遠」の眠りは、心の精神や体の疲労を限界にまで追い込まれる。そして、解放され、楽になる。楽になるのは最大な幸せかもしれない、それは人によるものだ
「永遠」の眠りを見てきた人なら分かるだろう、辛いものであると


起きたのは既に午後回っていた。周りを見渡しても誰もいない
リビングに行っても、誰もいなかった

「陽向ちゃーーん」
………………

返事はない。あいつの性格なら飛び込んでくるはずが。もう家に帰ったのかな

「帰ったか……さすがに」

親に心配かけたままでは行けないからな。あ、親の許可降りてるんだっけ、もうわけ分からんわ
ここはホントに地球なの?なんでこんなに変態がいるの?ねー、なんで?

「……帰るんだったらメモくらい残せって……暇になったやん」

普通はメモくらい残すべきだ。何も言わずに居なくなると、誰もが心配するし
まあ、この子の場合は、そんな心配しても意味ないと思うが。だからきっと帰ったんだろう

「………………ホントに静か……こういう時間は嫌い」

確かに俺は自由が大好きだが、こういう自由は求めていない
何もしないなんて自由とは言えない、何かをするからこそ自由と言えると俺は思う
ただ単に時間が過ぎていくのは勿体無い

「この時間ドラマしかやってないし…………推理ドラマとか面白いけど……適当に見るか」

1人になるって、こんなに辛いものなんだな、初めて知ったよ
いつもなら妹とか、友達と遊んでるし……ボッチは楽しいとかいうけど、ホントにそうなのかな……

「……まあ、帰ってくれただけでありがたいかな、あんなに疲れるのも嫌だし」

果たしてそれは本音なのだろうか、自分でもよくわからなかった
気分を無理矢理変えたかったのかもしれない。本当は帰って欲しくなかったのかもしれない
本当に分からない

「住所聞くべきだったなぁ……」

これは本音である。自分でもよく分かる、これは本音だということに
気分転換の言葉とかではない
…………住所知ってどうするんだ、俺
まさか遊びに行くとか、考えてるのか……

「そんなわけ……」

テレビ見ながら、こんなくだらないこと考えていると、ドアの鍵の開く音が聞こえた

「え、待って誰や」

今は午後2時半、妹の学校は3時半に終わる。いや、早退かな

「違うそういう問題じゃない」

そもそも陽向のやつは俺の家の鍵を持っているわけがない。だから、家出た時に、鍵を閉めなかったはずだ

「これ泥棒やん、やばいやばいやばい、とりあえず身隠さないと!!」

急いでテレビ消して、適当に机の下に隠れた
椅子のおかげで他人からは見つかりにくい

「ただいまー……なんてね」
「は?」

思わず小さな声に出してしまった
そりゃ「は?」ってなりますよ
だって、入ってきたの
陽向だよ

「知也お兄ちゃん起こさないと、流石に寝すぎよ」

これどうしよう、出るタイミングが
今のうちに出て、トイレに行ってた、って言った方がいいかな
いや、なんでわざわざこんなことするんだ
よくよく考えたら
この子にまだ説教が必要だ!!

「驚かしてやる」

陽向がリビングに出て、座るタイミングを促す
驚かして、説教
完璧だ

「あれ、知也お兄ちゃんがいない。どこ行ったんだろ……私のこと、し、心配して外に出て探しに行ったのかな。それだったらメモ残した方がよかったなぁ……」

心配してねーよ
そんなことはいいんだ、はよ座れ

「あーぁ、どうしよう……知也お兄ちゃんが帰ってくるのを待つしかないか」

そして、ソファーに座ってテレビを見始めた
そりゃそうだよな、ソファーに座るよな、うん

「出るタイミング見失ったァ」

いや待て、まだ希望はある
ここからソファーまではソファー側から気付かれにくい。それを利用して出て、そして後ろから襲う
やったぜ、完璧だぜ
恐る恐る外に出た、やっぱりここは気付かれにくい
足音立てないように、歩くのではなく、身を低くして、床の滑りを利用した最大限の滑りで近づく

そして、ついに後ろへ回り込んだ
こんなに頑張ったの初めてだ
あとは立って、後ろから目ふさいで、口も塞いでやる
ふふふ、ふははははは

「よし、いまだ」

ぱっと立ち上がって、素早く目を塞いでやって、口も塞いでやった

「っ!?!?んーーー!?!?」

暴れてる暴れてる
でも流石に俺よりかは力ないだろ
お前は抱きつく力だけが取得だからな、はっはっはー
このまま時間経過してみるか

「ん~~!!んむぅぅ!!」

くそ!顔にパンチしてきやがる、ここは我慢だ!!痛くない痛くない!!

「っ~~!!!!んぅぅ!!!」

大人しくしとけー!!クソが!!なんでそんなに正確に顔にパンチしてくる!!

「んーーー………………」

あれ、力尽きたのかな
勝ったぜ!!初めてこいつに勝ったぞ!!
やったー!!!!こんなに嬉しいことはない!!

「…………れろれろ」
「っっっ!?!?!?」

出ましたよ、れろれろ攻撃
手が変な感じして気持ち悪い、早く離したいけど……ここは我慢して!!

「れろれろれろ…………ちゅうぅぅぅぅぅ」

吸うなーー!!!!!こいつ、テクニシャンか!!上手すぎか!!

「おいひい……れろれろれろ」

きったねーー!!!早くて洗いたい!!てか美味しくない、おえ

そのまま頑張って五分耐えたが、れろれろ攻撃はその間ずっと続いた
俺の限界もあったので、口に塞いだ手だけ離したい
ベトベト……汚い…………

「ぷはぁ……もっとれろれろしたかった……」

この子ったら!!誰の手かも知らんのにそんなことを!!

「ねー、知也お兄ちゃん、こういうプレイが好きなの?」
「!?!?」

あれーーー???あれれ?おかしいぞー?
なんでだ?バレてるわけないよな

「手の匂いで分かったもん、知也お兄ちゃんだーって。やっぱり知也お兄ちゃんはれろれろされるの大好きなんだね!!」
「ちっがうわ!!!!!」

思わず無意識にツッコンでしまった

「ほら、目の手も離してください、知也お兄ちゃんの顔が見れません」
「離すか!離すわけないだろ!!」
「ええー!!ひどーーい!!」
「この野郎!!勝手に家出て!!勝手に鍵持っていって!!なんなんだよ!!」
「あ、あれ……知也お兄ちゃん?」
「せめてメモくらい残せって!!心配するだろアホ!!」
「知也お兄ちゃん……」
「帰ったのかと思ったじゃねーか!!!」

思わず本音を全部吐き出してしまった
目まで熱くなり、なにか頬に流れるのが感覚でわかった
こんな感情初めてである。怒っておるのに、内心ではホッとしている自分がいる

「知也お兄ちゃんごめんね、勝手に外に出て」

頬に流れてきたものを拭くために手を離したのだろうか、陽向は今自由の身として、俺の横へ近づき
頭を撫でてくれた

「次からはちゃんとメモ残すからね……心配してくれてありがと知也お兄ちゃん」
「こいつ、お前こういうのは卑怯だかんな!!」
「あははー。でもでも、知也お兄ちゃんそんなに独りで寂しかった?」
「うん、今日で確信したよ」
「そっかー。私ね、もうすぐ家へ帰ろうと思うの」
「……そっかー」
「寂しくなる?」
「そんなことない。やっと解放できるからな、喜びでいっぱいだわ」
「……そう…私は寂しいな」
「……そんな事言うなって」
「じゅ、住所教えますので、いつでも遊びに来てくださいね!!」

そういって、住所を書いてくれた
確かに住所は教えて欲しかったし、ありがたかった

「住所なんて教えてくれてもなー、意味無いのになぁ」
「なんでですか」
「お前の家に行かないし、絶対変な事言うし」
「酷いですね、遊ぶだけですよ」
「それだよ、その遊びが怖いんだよ」
「そうですか?ただ単にいちゃいちゃするだけなんですけどね」
「だからそれだって!!それが危ないの!」
「ほう、そうですか」

半分本音、半分戯言ってことかな、今の発していた言葉
自分でもよく分からないけど、本音は一応含めたつもりだ

「まあ、そんなことはいいんです。こっちから知也お兄ちゃんの家に来ればいいだけですしね」
「確かにそうだな、そっちの方が助かる」

本音である。なにせ、俺は移動しなくて済むからな。楽ちんだぜ

「じゃあ、今日はお礼に!料理しまーーす!」
「おっ!マジすか」
「マジっす、昼まだ食べてないだろうと思って、家出て買ってきたの」
「おおお、ありがたやー。で、お前俺の家の鍵、どこから持っていった」
「よし!!作るぞぉーー!!」
「おい待てよ」

壁ドンして、行き場をなくしてやった
壁ドンなんて初めてだわ、ドキドキもしないし、特に何も感情ないわ

「と、知也お兄ちゃん…………あ、あの」
「どこから持っていった?」
「あぅぅ……ずるいよぉ……」
「答えろよ?痛い目に遭いたくなければ」
「うぅぅぅ……」

そんなにドキドキするものなのかね?この子ったら、顔真っ赤!!りんごだね!!食べちゃいたい!

「知也お兄ちゃんの部屋の机の上だよ!!も、もういいでしょ!!料理してくるから!!」
「おっと、あぶね」

そういって、無理矢理俺の手をどかして、台所へと向かった
そっかー、俺の机の上かぁ
そんな所に鍵なんて置かないんだけどなぁ
置くとしても制服のポケットに入れてるんだよなぁ、忘れないために
さてはこいつ、俺のタンス漁ったな

そんなこんなんで、時間だけが過ぎていく
俺はテレビを見て、昼が出来るのを待っていた。正直いって楽しみである。お礼として料理を振舞ってくれるのは初めてだからだ
そして

「出来ましたよー」
「おおーー!!美味そうだな」
「頑張った甲斐がありましたよー」

そこにあったのは
カレーライス
シンプルに見えるが、作るのが非常に大変である。そして、シンプルだからこそ、美味しそうという感情があまり湧かないのが現実
それを頑張って表現しようとしたのだろう、ホントに色まで綺麗で、すごくいい匂いがした

「お前すげーな、めちゃくちゃ美味そうじゃん」
「ありがとうございます」
「見た目だったら店に出してもいいぞ、マジで」
「見た目だったらって……なんか引っかかりますね……食べてくださいよ!!」
「おけおけ。では、お礼をありがたく、いただきます」
「ど、どうですか」

あー、これダメだわ、これは酷い


こんな美味いカレーライスはある意味酷い、あかんわ
口に入れた瞬間、カレーのスパイスの本来の香り口に広がる。普通なら具材などで消されてしまうカレーの本来の味をしっかりと残してある
具も具で、柔らかいし、美味い
じゃがいもも食べごたえがあって、とても美味い
そして今回使ってる肉は牛すじかな
すごく上手く調理してある
癖がないし、なんといっても柔らかい
全体的にめちゃくちゃいいカレーライスだ

「めちゃくちゃ美味いなおい!!店出せよ」
「ホントですか!!」
「当たり前だよ、こんなうまいカレーライス初めてだわ」
「そんなに褒めても何も出ませんって」
「いやー、でも本当に美味しい。食べてみるか?」
「いや、いいですよ」
「なんで?」
「ほら……か、間接キスになってしまいますし……」
「いいから、ほら、あーん」
「ふぇ!?あ、あーん」

推しに弱い陽向ちゃんである

「あ、私にしてはちゃんと出来てますね」
「普段家で料理してんの?」
「はい」
「すごいね、小6なのに」
「知也お兄ちゃんだってそうですよ、中1なのに家事とか全部出来て」
「俺の場合は親が忙しいだけだけどな」
「なるほどですね」

雑談も交わしながら、時間を過ごしていた
ホントにあっという間で、何故かちょっと寂しくなってくる

「片付けしますね」
「手伝うよ」
「そんな、いいですよ」
「いや、手伝う」

何故だろうか、ちょっとだけそばに居たかった
決して好きでは、そういう気持ちではない。これだけは断言出来る
謎の惜しみが心の中にさまよっているみたいな気持ちだ

「よし、片付け手伝ってくれてありがとうございます、おかげで早く終わりました」
「いいって、こっちこそ美味いもん作ってくれてサンキュな」
「えへへ。それでは、もう家に帰りますね」
「おう」

すべて用意を済ましてきたのだろう
家に帰ってきた時にはすでに着替えていた

「1日の間でしたが、ありがとうございました」
「ははー、その1日がすごい疲れたんだけどね」
「いやー、すみません」
「ま、正直言うと惜しみはあるね」
「そうですか?私はないですよ。どうせまだ会うんですし」
「まあ、そうだな」

そうだ、まだ会えるからいいんだ

「では、お邪魔しました」
「はいよー、気をつけてなー」
「はい」

ドアの外まで見送り、完全に姿が見えなくなるまで遠くを見つめていた

「さてと……」

ドアを閉めて、部屋へと向かった

「ゲームするか」






そして
この冬の間、亜沙と会うことは無かった
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