20 / 29
長日は単なる幼馴染!!
しおりを挟む
人間は、自分が死ぬ運命だとわかっていれば
最後まで、どんなことでもやる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
人の心理を解くのは得意だ
だが、その相手にもよる。心を閉じている人の場合は本当に分かりやすい。何考えてるのか、すべて分かると言っても過言ではない。心を閉じている状態というのは、自分の本当の感情を隠したいからである。仕草、普段の行動、言葉遣い、これらのもので判断できる
一番厄介なのが、相手によって、心を閉じたり開いたりする人だ。常に身近に居る人じゃないとその人の心は分からない
現に、長日はそんな感じである。俺や妹に対しては心を開いている。しかし、他人はどうだろうか。例えば冬刖に対して、心は開いていると言えるのか。とても言えない。冬刖にバレないように、自分の本当の感情を隠している
逆に冬刖の場合を考えてみても同じである。亜沙に対しては心を開いているが、俺や他の人には思いっきり閉じている気がする
何考えているのかわからない2人のそばに居るのは辛いもの。しかし、2人だけにするのも危ない気がする
心理が分からない2人を合わせるのは、本当に厄介だ
「昨日もこう言ってましたよ、『今日用事あるから一緒に帰れないの、ごめんね』って。いつもなら私と一緒に帰ってるし、潤夏ちゃんが急用なんてなかなかないのに」
「ぐ、偶然急用思い出したんだよ!」
「そうですかねー」
冬刖の家に泊まってるなんて言えるわけもなく、誤魔化すしかなかった。でも言ったらどうなるんだろ……
「あ、もうこんな時間だ!すみません、先に帰りますね」
「おう」
「今日は……その、ありがとうございます」
「いいよ、ごめんなホントに」
「いえ、こちらこそすみませんでした…………」
と言って、走って帰って行った
「さて、もうこんな時間だなホントに、俺も帰るか……」
帰るとは言っても、冬刖の家に行くんだけどね
さすがにもう華那ちゃんも帰ったのであろう
そう思って、帰路につく。まだ空は明るみを灯っていたが、時間的にもう6時半くらいであろう
「さてと………………このあとどうしよ……冬刖をいじるか…それとも…………」
冬刖は可愛いので、いじると心が癒されるのだ。あのムスッとした顔がたまらん、最高だぜ。おまけに『むぅー!!やめろぉー!!』『ふぇぇ!?』『知也先輩なんて嫌い!』とか言ってくるから、マジで最高。そのたびに理性失いかけるけど
「はわー、はよ帰ろ」
「お兄さん……」
「っ!?か、華…………長日か、もう帰るのか?」
「……お兄さん嫌いになりますよ…………」
「なんでさ、何もしてないじゃないか」
「……………………」
「しかし、もう帰るのか、このあと一緒にお菓子食べようと思ったのに……残念」
「思ってないくせに……」
「思ってるよ、何にせよ幼馴染だしな」
「……だったら!!」
「っ!?な、なんだいきなり」
「すみません……取り乱しました……」
「そ、そうか」
今でも狂い出しそうな目でこっちを睨んでくる華那ちゃん
ちょっと怖いけど可愛いわ
お持ち帰りしたい
って、今そんなこと考えてる場合ちゃう!
「お兄さんはさ……」
「ん?なに?」
「好きな人とかいますか…………」
は?こいつ何言ってんのいきなり
え?好きな人?は?
その言葉に言葉を失うが
「いるよ」
「……!!だ、誰ですか!!」
「そ、そんなに興奮しないでくれ……」
「す、すみません……それで、誰ですか」
「んー、俺の近くの人は全員好きだよ」
「……………………」
「長日も好きだぞぉー」
「…………はぁ……お兄さん本当に……」
「なんだよ、聞いておいて」
「じゃあ言い方変えます。異性として好きな人はいますか」
「………………」
言い方変えやがった。なんとか誤魔化せた思ったのに……
こうなったら
「まあ、俺も男だし……居るっちゃ居るね」
「……誰ですか」
「おうおう、目怖いぞ?」
「そんなこといいです、誰ですか」
「いや、言わないよ」
「なんでですか、私くらい良いでしょ!」
「いくら幼馴染だからって……これは言えないなぁ」
「……じゃあその人の特徴を教えてください」
「なぜに」
「ああ!!早く教えろお!!」
「お、おう」
華那ちゃんは口調変えると、キレかけということを表している。危ないので、教えるしかない
そもそも好きな人など居ないが、架空の人物を作るしかない
「えーと、背が低くて……可愛くて、ちょっと嫉妬深いやつだぞ」
「…………何歳ですか」
「そこまで言わないといけないのか」
「……はい」
「はいかよ……まあ、言えるのは年下ということかな」
「そうですか……名前教えてくれるとありがたいのですが…………」
「俺はそこまで馬鹿じゃない」
「ちっ……」
「………………」
ちょっと怖いので、機嫌を直さないと……機嫌を直すと言うとちょっと違う気がするので、いじって空気を変えると言おう
では、華那ちゃんをいじって空気を変える
「仕方ないなぁ……そんなに知りたいのか」
「はい…………」
「よし、1回しか言わないからな、しっかり聞けよぉ」
「は……い…………グスッ……」
「おいおい、なぜ泣いてる、俺なんか悪いことしたか?」
「…グスッ……すみません…………ぅぅ…!!」
「え、ちょ、待て待て、ここで泣くな」
「ぅぅぅうぇえええん!!」
「なんでだよ!!!はー!!?」
「うわああああああん!!」
「…………ほら、顔こっちに向け」
「いやぁぁ……あぁぁ…」
「おら!こっち向け!」
頭を無理矢理こっちに向かせた。物凄く抵抗していたが、華那ちゃんはか弱いので、そんなのお構いなく向かせた
「ぅぅぅ!!み、見なぃでぇぇぇ」
「……ほら、俺の目見て」
「いやぁぁぁあぁぁ……グスッ…」
「長日もう泣くな!!」
「う、うわああああああん!!」
「…………」
これ以上いじっては行けない感じがしたので
ちょっと真面目に対応する
本当はもうちょっといじりたいが、ここは街中だ、今すごい野次馬が集まってる
「華那ちゃん!!」
「ふ、ふぇぇ……グスッ」
「好きな人っていうのは、お前だって!!!」
「…………ふぇ??」
「だから!!華那ちゃんのことが好きだって!」
「………………」
やべ!?これ、公開告白やん!!やばいやばい、いじるために言ったのに、周りに人がいること忘れた
やばいやばい、マジでやばい、どうしよどうしよ、あああああああ
「……もう1回…………」
「え……」
「もう1回言って!」
「いや、周り人いるし……」
「だからなの!言って!!」
「はい……」
あぁ…………周りの目が痛い、どんどん集まってくるし、しかも何か言ってるし…………
「またバカップル誕生かよ」
「てかリア充死ね」
「こいつらまじ爆ぜろ」
「ふざけんな、てかその子可愛い襲わせろ」
いや、最後の誰や!!誰や!出てこいや!!
「早く言って!!」
「は、はいぃぃぃぃ!!」
もう言うしかなかった……まさかこんな形で…………俺は絶対に嫌だからな!!いつか別れる!!俺は1人がいいんだ!!
「華那ちゃんのこと!!ずっと前から好きだったんだ!!」
「……/////」
「………………」
やってしまった感がえげつなかった
悪ふざけって……時に災難もたらすんだね…………実感したよ
「わ、私もずっと好きでした……小さい頃からずっと、ずっとずっとずっとずっとずっと好きでした!!」
「…………え」
「お兄さん好きお兄さん好きお兄さん好きお兄さん好きお兄さん好き!!」
「うわっ!ちょ!公衆の目!!」
「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き」
「あ、あはははは…………」
人生終わった……野次馬にめちゃくちゃ写メ取られてるし…………絶対ネットに上げてるだろ
「バカップル誕生」とかの題名付けてさ…………
もういや……死にたい…………
それから俺は無理矢理華那ちゃんをおんぶして、人気のないところへ移動した。さすがに持たなかったからだ。あの公衆の目、今までで一番しんどかった
今包丁くれたらなら死ねる
「お兄さーーん、好きーー!!」
「う、うん、そうだね」
「お兄さんも言って!」
「……華那ちゃん好きーー」
「お兄さん大好き!!」
「あははは…………」
クソがやらかしやマジで
どうしよどうしよ……なんて伝えればいいんだろ…………悪ふざけで言っただけでした……とか言ったらどうなるんかな
いや、それはダメだ。流石に殺される。人の感情弄ぶ人が大嫌いだし華那ちゃん……しかも弄ばれたとか知ったら…………うっ、想像しただけで頭がっ!
「はわー、幸せー」
「そ、そうだね」
私は全然幸せじゃありません。確かに可愛い子に抱きしめられて幸せだが
心が死にそうです
「てか、そろそろ帰らないと……俺怒られる」
「……冬刖先輩のところですか」
「あ…………」
察した俺は強い
「ま、まぁ、そうだな」
「なんで冬刖先輩の家で泊まってるんですか、なんで?なんで?なんで?」
「……言ったはずだが…………ほら、妹をね」
「だったら私の家に泊まればいいです!!」
「いや……ほら、俺の家から近いしさ…………ちょっと……」
「でも冬刖先輩の家に行くというのだけは許さないです」
「…………なんでだよ」
「そもそも恋人なのに、別の女の家で泊まるなんて有り得ません」
「…………仕方ないだろ……」
そもそも俺は付き合いたくなんてなかった
もう後悔しかしてない
「だから、今日は私の家で泊まるんです!!絶対彩奈ちゃんにバレないようにします!!」
「いやでも……」
いろいろ買ったし、荷物まだそっちにあるし
ぬこちゃん居るし…………
「荷物とかなら私が持ってきます」
「……それはダメだ」
「なんでですか……」
「いや、ほら、なんか自分の荷物が他人の手にあると思うと嫌じゃん?だから自分で取りに行くよ……」
「なるほどです。では、今から行ってください、私はアパートの下で待っておきます」
「あ、うん」
冬刖には悪いが……そうするしかない
華那ちゃんに逆らうとどんな目に遭わされるか分からないし
「……知也先輩…………荷物です」
「な!!と、冬刖!?」
「うふふ、気が利くじゃないですか冬刖先輩」
どういうことだ
なぜ俺の荷物を持っている
なぜだ、なぜだ、何が起きてる
「お前なんで」
「……ごめんなさい、勝手に思い込んでしまって」
「は?なんだよおい」
「お兄さん、荷物ありますし、ほら行きますよ!」
「ごめん、ちょっと待ってくれ」
「…………お兄さんもう行きますよ!!!」
ガシッと捕まれ、無理矢理引っ張られる
しかし、そんな力では男には勝てないわけで、手を解き
「先に帰っといて……」
「お兄さんのバカ!!」
華那ちゃんは走って行った
「冬刖、ちゃんと説明してくれ」
「……ごめんなさい…………あ、ぬこちゃんも連れてきましたよ」
「だから!!お前いきなりどうしたって!」
「……こ…………ふ……」
「ゴニョゴニョしてたら分からんだろ!」
「こっちのセリフですよ!!!!!!」
「な、なんで怒鳴るんだよ……」
「長日ちゃんのこと好きだったら!!なんで私の家に!!」
「は?」
「……すみません………………そもそも勝手に色々思い込んでた私が悪いです……」
「は?待て、マジで訳が分からん」
どういうことだ
もしかして華那ちゃんと2人きりで話をした時に何が起こったのか…………
その可能性は極めて高い
「何かあったのか……華那ちゃんと」
「その名前嫌いです…………」
「は?」
「なんでもないです…………特に長日ちゃんとは何もありませんでし」
「じゃあなんで」
「…………さっきの告白聞きました」
「あ」
「ごめんなさい」
「なんで謝るんだよ」
「……………………長日ちゃんを幸せにしてやってください」
「草生えるからやめーや。そもそも華那ちゃんとは付き合ってない」
俺の中ではだけど
皆からしたら付き合っていると感じてるだろうけど
「え、でもさっき」
「あれはね、悪ふざけで言おうと思ったら……まさかこうなるとは思わなかったし。だから、俺の中では、俺と華那ちゃんは付き合っていないから」
「……………………」
「華那ちゃんほ単なる
幼馴染だし」
最後まで、どんなことでもやる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
人の心理を解くのは得意だ
だが、その相手にもよる。心を閉じている人の場合は本当に分かりやすい。何考えてるのか、すべて分かると言っても過言ではない。心を閉じている状態というのは、自分の本当の感情を隠したいからである。仕草、普段の行動、言葉遣い、これらのもので判断できる
一番厄介なのが、相手によって、心を閉じたり開いたりする人だ。常に身近に居る人じゃないとその人の心は分からない
現に、長日はそんな感じである。俺や妹に対しては心を開いている。しかし、他人はどうだろうか。例えば冬刖に対して、心は開いていると言えるのか。とても言えない。冬刖にバレないように、自分の本当の感情を隠している
逆に冬刖の場合を考えてみても同じである。亜沙に対しては心を開いているが、俺や他の人には思いっきり閉じている気がする
何考えているのかわからない2人のそばに居るのは辛いもの。しかし、2人だけにするのも危ない気がする
心理が分からない2人を合わせるのは、本当に厄介だ
「昨日もこう言ってましたよ、『今日用事あるから一緒に帰れないの、ごめんね』って。いつもなら私と一緒に帰ってるし、潤夏ちゃんが急用なんてなかなかないのに」
「ぐ、偶然急用思い出したんだよ!」
「そうですかねー」
冬刖の家に泊まってるなんて言えるわけもなく、誤魔化すしかなかった。でも言ったらどうなるんだろ……
「あ、もうこんな時間だ!すみません、先に帰りますね」
「おう」
「今日は……その、ありがとうございます」
「いいよ、ごめんなホントに」
「いえ、こちらこそすみませんでした…………」
と言って、走って帰って行った
「さて、もうこんな時間だなホントに、俺も帰るか……」
帰るとは言っても、冬刖の家に行くんだけどね
さすがにもう華那ちゃんも帰ったのであろう
そう思って、帰路につく。まだ空は明るみを灯っていたが、時間的にもう6時半くらいであろう
「さてと………………このあとどうしよ……冬刖をいじるか…それとも…………」
冬刖は可愛いので、いじると心が癒されるのだ。あのムスッとした顔がたまらん、最高だぜ。おまけに『むぅー!!やめろぉー!!』『ふぇぇ!?』『知也先輩なんて嫌い!』とか言ってくるから、マジで最高。そのたびに理性失いかけるけど
「はわー、はよ帰ろ」
「お兄さん……」
「っ!?か、華…………長日か、もう帰るのか?」
「……お兄さん嫌いになりますよ…………」
「なんでさ、何もしてないじゃないか」
「……………………」
「しかし、もう帰るのか、このあと一緒にお菓子食べようと思ったのに……残念」
「思ってないくせに……」
「思ってるよ、何にせよ幼馴染だしな」
「……だったら!!」
「っ!?な、なんだいきなり」
「すみません……取り乱しました……」
「そ、そうか」
今でも狂い出しそうな目でこっちを睨んでくる華那ちゃん
ちょっと怖いけど可愛いわ
お持ち帰りしたい
って、今そんなこと考えてる場合ちゃう!
「お兄さんはさ……」
「ん?なに?」
「好きな人とかいますか…………」
は?こいつ何言ってんのいきなり
え?好きな人?は?
その言葉に言葉を失うが
「いるよ」
「……!!だ、誰ですか!!」
「そ、そんなに興奮しないでくれ……」
「す、すみません……それで、誰ですか」
「んー、俺の近くの人は全員好きだよ」
「……………………」
「長日も好きだぞぉー」
「…………はぁ……お兄さん本当に……」
「なんだよ、聞いておいて」
「じゃあ言い方変えます。異性として好きな人はいますか」
「………………」
言い方変えやがった。なんとか誤魔化せた思ったのに……
こうなったら
「まあ、俺も男だし……居るっちゃ居るね」
「……誰ですか」
「おうおう、目怖いぞ?」
「そんなこといいです、誰ですか」
「いや、言わないよ」
「なんでですか、私くらい良いでしょ!」
「いくら幼馴染だからって……これは言えないなぁ」
「……じゃあその人の特徴を教えてください」
「なぜに」
「ああ!!早く教えろお!!」
「お、おう」
華那ちゃんは口調変えると、キレかけということを表している。危ないので、教えるしかない
そもそも好きな人など居ないが、架空の人物を作るしかない
「えーと、背が低くて……可愛くて、ちょっと嫉妬深いやつだぞ」
「…………何歳ですか」
「そこまで言わないといけないのか」
「……はい」
「はいかよ……まあ、言えるのは年下ということかな」
「そうですか……名前教えてくれるとありがたいのですが…………」
「俺はそこまで馬鹿じゃない」
「ちっ……」
「………………」
ちょっと怖いので、機嫌を直さないと……機嫌を直すと言うとちょっと違う気がするので、いじって空気を変えると言おう
では、華那ちゃんをいじって空気を変える
「仕方ないなぁ……そんなに知りたいのか」
「はい…………」
「よし、1回しか言わないからな、しっかり聞けよぉ」
「は……い…………グスッ……」
「おいおい、なぜ泣いてる、俺なんか悪いことしたか?」
「…グスッ……すみません…………ぅぅ…!!」
「え、ちょ、待て待て、ここで泣くな」
「ぅぅぅうぇえええん!!」
「なんでだよ!!!はー!!?」
「うわああああああん!!」
「…………ほら、顔こっちに向け」
「いやぁぁ……あぁぁ…」
「おら!こっち向け!」
頭を無理矢理こっちに向かせた。物凄く抵抗していたが、華那ちゃんはか弱いので、そんなのお構いなく向かせた
「ぅぅぅ!!み、見なぃでぇぇぇ」
「……ほら、俺の目見て」
「いやぁぁぁあぁぁ……グスッ…」
「長日もう泣くな!!」
「う、うわああああああん!!」
「…………」
これ以上いじっては行けない感じがしたので
ちょっと真面目に対応する
本当はもうちょっといじりたいが、ここは街中だ、今すごい野次馬が集まってる
「華那ちゃん!!」
「ふ、ふぇぇ……グスッ」
「好きな人っていうのは、お前だって!!!」
「…………ふぇ??」
「だから!!華那ちゃんのことが好きだって!」
「………………」
やべ!?これ、公開告白やん!!やばいやばい、いじるために言ったのに、周りに人がいること忘れた
やばいやばい、マジでやばい、どうしよどうしよ、あああああああ
「……もう1回…………」
「え……」
「もう1回言って!」
「いや、周り人いるし……」
「だからなの!言って!!」
「はい……」
あぁ…………周りの目が痛い、どんどん集まってくるし、しかも何か言ってるし…………
「またバカップル誕生かよ」
「てかリア充死ね」
「こいつらまじ爆ぜろ」
「ふざけんな、てかその子可愛い襲わせろ」
いや、最後の誰や!!誰や!出てこいや!!
「早く言って!!」
「は、はいぃぃぃぃ!!」
もう言うしかなかった……まさかこんな形で…………俺は絶対に嫌だからな!!いつか別れる!!俺は1人がいいんだ!!
「華那ちゃんのこと!!ずっと前から好きだったんだ!!」
「……/////」
「………………」
やってしまった感がえげつなかった
悪ふざけって……時に災難もたらすんだね…………実感したよ
「わ、私もずっと好きでした……小さい頃からずっと、ずっとずっとずっとずっとずっと好きでした!!」
「…………え」
「お兄さん好きお兄さん好きお兄さん好きお兄さん好きお兄さん好き!!」
「うわっ!ちょ!公衆の目!!」
「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き」
「あ、あはははは…………」
人生終わった……野次馬にめちゃくちゃ写メ取られてるし…………絶対ネットに上げてるだろ
「バカップル誕生」とかの題名付けてさ…………
もういや……死にたい…………
それから俺は無理矢理華那ちゃんをおんぶして、人気のないところへ移動した。さすがに持たなかったからだ。あの公衆の目、今までで一番しんどかった
今包丁くれたらなら死ねる
「お兄さーーん、好きーー!!」
「う、うん、そうだね」
「お兄さんも言って!」
「……華那ちゃん好きーー」
「お兄さん大好き!!」
「あははは…………」
クソがやらかしやマジで
どうしよどうしよ……なんて伝えればいいんだろ…………悪ふざけで言っただけでした……とか言ったらどうなるんかな
いや、それはダメだ。流石に殺される。人の感情弄ぶ人が大嫌いだし華那ちゃん……しかも弄ばれたとか知ったら…………うっ、想像しただけで頭がっ!
「はわー、幸せー」
「そ、そうだね」
私は全然幸せじゃありません。確かに可愛い子に抱きしめられて幸せだが
心が死にそうです
「てか、そろそろ帰らないと……俺怒られる」
「……冬刖先輩のところですか」
「あ…………」
察した俺は強い
「ま、まぁ、そうだな」
「なんで冬刖先輩の家で泊まってるんですか、なんで?なんで?なんで?」
「……言ったはずだが…………ほら、妹をね」
「だったら私の家に泊まればいいです!!」
「いや……ほら、俺の家から近いしさ…………ちょっと……」
「でも冬刖先輩の家に行くというのだけは許さないです」
「…………なんでだよ」
「そもそも恋人なのに、別の女の家で泊まるなんて有り得ません」
「…………仕方ないだろ……」
そもそも俺は付き合いたくなんてなかった
もう後悔しかしてない
「だから、今日は私の家で泊まるんです!!絶対彩奈ちゃんにバレないようにします!!」
「いやでも……」
いろいろ買ったし、荷物まだそっちにあるし
ぬこちゃん居るし…………
「荷物とかなら私が持ってきます」
「……それはダメだ」
「なんでですか……」
「いや、ほら、なんか自分の荷物が他人の手にあると思うと嫌じゃん?だから自分で取りに行くよ……」
「なるほどです。では、今から行ってください、私はアパートの下で待っておきます」
「あ、うん」
冬刖には悪いが……そうするしかない
華那ちゃんに逆らうとどんな目に遭わされるか分からないし
「……知也先輩…………荷物です」
「な!!と、冬刖!?」
「うふふ、気が利くじゃないですか冬刖先輩」
どういうことだ
なぜ俺の荷物を持っている
なぜだ、なぜだ、何が起きてる
「お前なんで」
「……ごめんなさい、勝手に思い込んでしまって」
「は?なんだよおい」
「お兄さん、荷物ありますし、ほら行きますよ!」
「ごめん、ちょっと待ってくれ」
「…………お兄さんもう行きますよ!!!」
ガシッと捕まれ、無理矢理引っ張られる
しかし、そんな力では男には勝てないわけで、手を解き
「先に帰っといて……」
「お兄さんのバカ!!」
華那ちゃんは走って行った
「冬刖、ちゃんと説明してくれ」
「……ごめんなさい…………あ、ぬこちゃんも連れてきましたよ」
「だから!!お前いきなりどうしたって!」
「……こ…………ふ……」
「ゴニョゴニョしてたら分からんだろ!」
「こっちのセリフですよ!!!!!!」
「な、なんで怒鳴るんだよ……」
「長日ちゃんのこと好きだったら!!なんで私の家に!!」
「は?」
「……すみません………………そもそも勝手に色々思い込んでた私が悪いです……」
「は?待て、マジで訳が分からん」
どういうことだ
もしかして華那ちゃんと2人きりで話をした時に何が起こったのか…………
その可能性は極めて高い
「何かあったのか……華那ちゃんと」
「その名前嫌いです…………」
「は?」
「なんでもないです…………特に長日ちゃんとは何もありませんでし」
「じゃあなんで」
「…………さっきの告白聞きました」
「あ」
「ごめんなさい」
「なんで謝るんだよ」
「……………………長日ちゃんを幸せにしてやってください」
「草生えるからやめーや。そもそも華那ちゃんとは付き合ってない」
俺の中ではだけど
皆からしたら付き合っていると感じてるだろうけど
「え、でもさっき」
「あれはね、悪ふざけで言おうと思ったら……まさかこうなるとは思わなかったし。だから、俺の中では、俺と華那ちゃんは付き合っていないから」
「……………………」
「華那ちゃんほ単なる
幼馴染だし」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる