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彩奈?だれそれおいしいの?
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我々は権力には勝てない
永遠に
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「さて、どうぞ上がってくださーい」
「お、おう」
結局本当に華那ちゃんの家に来てしまった。やっぱり雰囲気は昔と変わらなかった。寂しくて暗い感じの家だった
やっぱり両親とかいないからなのだろうか
長日華那の両親とは昔からの知り合いである。昔からの2人とも忙しかった。共働きで、いつも朝早く家を出て、夜遅くに家に帰ってくるのが普通だった。そのため、華那ちゃんはいつも俺らの家に寄って遊んでいた
何回か華那ちゃんの家には入ったことがある。だが、そういう日はいつも華那ちゃんの両親がいる日である。それでも、寂しくて暗いと感じ取れてた
「あ、」
「ん?どうしたの」
「今日彩奈ちゃん家に泊まるんだった」
「……は?」
おいおいお前そんなに重要なこと忘れるのか。てかもうそろそろ来るんじゃね、やばいだろ
俺ここにいるとバレたら終わりやん。何言われるか分からんやばい死ぬ
「仕方ないですので、後で親の部屋に隠れといてください」
「え、は?」
「お兄さんだってバレたくないんでしょ?」
「ま、まぁ…………うん」
「ならお願いします」
しかし、いつ来るのだろうか。時は既に夜である
家はすぐ隣だし、すぐに来るのでは?
ダメだ、なんか怖くなってきた
だってバレたらマジで殺されるかもしれないんだぞ
しかも今の華那ちゃんはやばい状態…………バレたら不利な状態に成りかねない
ピンポーンとチャイムの音がする
そう、もう来たのだ
「かーなちゃんっ!!」
「あ、待ってー!!」
華那ちゃんは俺に向けて小さな声で「はやく行ってください」と言ってきた
素早く華那ちゃんの親の部屋へと向かう
冷めたドアノブを回し、中へ入って鍵を閉めた
「…………寒いなぁここ」
なんなのだろうか、ホントに寒い。物理的にも寒いが、精神的にも寒かった。まるでどっかの廃墟見たいな感じだった
「どれ位帰ってきてないんだ……」
でも思うのは、華那ちゃんの育て具合である
なんか植物みたいな言い方で変だけど
一般的な家庭だったら、こういう場合、つまり親共働きで子どもだけが家にいる場合が多い場合、その子どもがすくすくと育つことが少ない。しかも、こんなに礼儀のいい子には育たないのである
そこが華那ちゃんの凄いところと言っても良いだろう
華那ちゃんにも勿論他の子と同じのところはある
それは我慢ということだ
こういう場合、子どもは我慢を他の子よりも早く覚えてしまって、我慢の仕方も上手い。大人にバレないようにしっかりと隠しているのだ
実際、華那ちゃんはそんな感じである。俺も華那ちゃんの考えていることがイマイチだ
「今日も見よ!!」
「えぇ……今日はいいでしょ……」
「いいや!華那ちゃん!兄貴の弱いところを掴んでガツンと叱ってやるのだ!」
「お兄さんが可哀想だよ」
「は?あいつが悪いんでしょ!」
なんか騒がしい会話が聞こえる
ここからリビングまでは近いため、会話が丸聞こえである
「さ!!はやくはやく!!」
「今日くらいはいいでしょ!ね!」
「なんでだよぉ、華那ちゃんだって見たいんでしょ?」
「い、いやぁ、今日はそういう気分じゃないというかなんというか」
「えぇぇ」
何の話をしているのか全く分からない。何かをするのかな?それを華那ちゃんが断って、今妹が落ち込んでいるところかな?
いや、するのではなくて見るのか。何を見るんだろ……………………
まさかね…………違うよねうん……
でもそういう年頃だし
…………まあ華那ちゃん俺がいることを気遣って断ってくれたんだな、なんていい子。ヤンデレだけど
ヤンデレ…………か
華那ちゃんは俺のどこが好きなのだろうか、そこが一番気になる
そんなに好きになれる要素あるか?俺。ない気がするぞ、性格腐ってるし…………
幼馴染だからかな……小説でよく書いてある幼馴染との恋とかなんとこ…………現実でもそんなの有り得ないとは思っていたが、まさかこんな形でなるとは思わなかった
「じゃ、ゲーム持ってきたからやろ!」
「うん、いいよぉ。あ、待ってねお菓子持ってくる」
「うん!!」
俺といるときと全然違うテンションだぁー、すごーーい!!
マジでどんだけ俺のことが嫌いなんだよ
「………………兄貴どこだよぉ」
!?
ちょっと焦ってしまった
壁の向こう側から微かな殺意が感じ取れる
こいつはひどい、もうマジで家に帰りたくない
「……兄貴…………お…ぃ…ん……どこぉぉ……」
………………ちょっと途切れて聞こえなかったけど
悪口にしか聞こえなかった
クソ兄貴ぃぃ!!お前いぃ加減にせー、どこだぁぁぉぉぉぉ!!!
って聞こえたんだけど怖いんだけど
壁の向こう側から殺意が増してきた…………
もうだめだ、持たない
「お待たせ」
「あ、ありがとう!」
「じゃあやろっか」
ピコピコとゲームのする音が聞こえた
2人だけなのにすごい騒いでる。これが親友ってやつか…………良かったわ楽しく遊んでて。こういうのもいいなぁ
「おらぁ!!死ねぇ!!」
「彩奈ちゃん!言葉遣い!!」
「だって!うざいんだもん!おらぁ!!」
「彩奈ちゃん!?」
ただし悪口が酷かった
カスだのボケだの死ねだの使えねぇだの
俺の妹はやっぱり次元が違った
もうこっちは両親に育てられてきたのに!!
あ、そっか、両親がいるからこそか。あの2人ド変態だし、何かしら口悪いし、仕方ないよな
「俺も実際変態だし、これが何よりも証拠だな」
でもなぁ……なんかなぁ、妹にはこんなキャラにはなって欲しくなかったなぁ。昔はあんなに可愛くてふわふわしてたのに…………昔の妹を返せ!!!俺の妹を返せ!!!
失礼取り乱しました
「そういえば、1回だけあったなぁ、お兄ちゃんって呼んでたの」
そう、兄貴しか言ってこなかった妹がお兄ちゃん、と1回だけ言ったことがある
あの響きは可愛かった。朝起きていつも通りに起こしに行ったら、ドア越しからお兄ちゃんって甘い声が聞こえたんだよ、その時死にそうになったわ。自分の妹ってこんなに可愛かったっけ!?ってなってたのが何よりも印象的である
でもね、その後分かったんだ
こいつはゲームの中の人に対してお兄ちゃんと呼んでいるということ……エロゲーだった、近〇〇姦もののやつ…………俺その「お兄ちゃん」の声聞いて分かったもん。結構有名なエロゲーだったし
そう、妹はクソ変態で、お兄ちゃんと呼んだことがある(ただし俺に対してではない)
永遠に
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「さて、どうぞ上がってくださーい」
「お、おう」
結局本当に華那ちゃんの家に来てしまった。やっぱり雰囲気は昔と変わらなかった。寂しくて暗い感じの家だった
やっぱり両親とかいないからなのだろうか
長日華那の両親とは昔からの知り合いである。昔からの2人とも忙しかった。共働きで、いつも朝早く家を出て、夜遅くに家に帰ってくるのが普通だった。そのため、華那ちゃんはいつも俺らの家に寄って遊んでいた
何回か華那ちゃんの家には入ったことがある。だが、そういう日はいつも華那ちゃんの両親がいる日である。それでも、寂しくて暗いと感じ取れてた
「あ、」
「ん?どうしたの」
「今日彩奈ちゃん家に泊まるんだった」
「……は?」
おいおいお前そんなに重要なこと忘れるのか。てかもうそろそろ来るんじゃね、やばいだろ
俺ここにいるとバレたら終わりやん。何言われるか分からんやばい死ぬ
「仕方ないですので、後で親の部屋に隠れといてください」
「え、は?」
「お兄さんだってバレたくないんでしょ?」
「ま、まぁ…………うん」
「ならお願いします」
しかし、いつ来るのだろうか。時は既に夜である
家はすぐ隣だし、すぐに来るのでは?
ダメだ、なんか怖くなってきた
だってバレたらマジで殺されるかもしれないんだぞ
しかも今の華那ちゃんはやばい状態…………バレたら不利な状態に成りかねない
ピンポーンとチャイムの音がする
そう、もう来たのだ
「かーなちゃんっ!!」
「あ、待ってー!!」
華那ちゃんは俺に向けて小さな声で「はやく行ってください」と言ってきた
素早く華那ちゃんの親の部屋へと向かう
冷めたドアノブを回し、中へ入って鍵を閉めた
「…………寒いなぁここ」
なんなのだろうか、ホントに寒い。物理的にも寒いが、精神的にも寒かった。まるでどっかの廃墟見たいな感じだった
「どれ位帰ってきてないんだ……」
でも思うのは、華那ちゃんの育て具合である
なんか植物みたいな言い方で変だけど
一般的な家庭だったら、こういう場合、つまり親共働きで子どもだけが家にいる場合が多い場合、その子どもがすくすくと育つことが少ない。しかも、こんなに礼儀のいい子には育たないのである
そこが華那ちゃんの凄いところと言っても良いだろう
華那ちゃんにも勿論他の子と同じのところはある
それは我慢ということだ
こういう場合、子どもは我慢を他の子よりも早く覚えてしまって、我慢の仕方も上手い。大人にバレないようにしっかりと隠しているのだ
実際、華那ちゃんはそんな感じである。俺も華那ちゃんの考えていることがイマイチだ
「今日も見よ!!」
「えぇ……今日はいいでしょ……」
「いいや!華那ちゃん!兄貴の弱いところを掴んでガツンと叱ってやるのだ!」
「お兄さんが可哀想だよ」
「は?あいつが悪いんでしょ!」
なんか騒がしい会話が聞こえる
ここからリビングまでは近いため、会話が丸聞こえである
「さ!!はやくはやく!!」
「今日くらいはいいでしょ!ね!」
「なんでだよぉ、華那ちゃんだって見たいんでしょ?」
「い、いやぁ、今日はそういう気分じゃないというかなんというか」
「えぇぇ」
何の話をしているのか全く分からない。何かをするのかな?それを華那ちゃんが断って、今妹が落ち込んでいるところかな?
いや、するのではなくて見るのか。何を見るんだろ……………………
まさかね…………違うよねうん……
でもそういう年頃だし
…………まあ華那ちゃん俺がいることを気遣って断ってくれたんだな、なんていい子。ヤンデレだけど
ヤンデレ…………か
華那ちゃんは俺のどこが好きなのだろうか、そこが一番気になる
そんなに好きになれる要素あるか?俺。ない気がするぞ、性格腐ってるし…………
幼馴染だからかな……小説でよく書いてある幼馴染との恋とかなんとこ…………現実でもそんなの有り得ないとは思っていたが、まさかこんな形でなるとは思わなかった
「じゃ、ゲーム持ってきたからやろ!」
「うん、いいよぉ。あ、待ってねお菓子持ってくる」
「うん!!」
俺といるときと全然違うテンションだぁー、すごーーい!!
マジでどんだけ俺のことが嫌いなんだよ
「………………兄貴どこだよぉ」
!?
ちょっと焦ってしまった
壁の向こう側から微かな殺意が感じ取れる
こいつはひどい、もうマジで家に帰りたくない
「……兄貴…………お…ぃ…ん……どこぉぉ……」
………………ちょっと途切れて聞こえなかったけど
悪口にしか聞こえなかった
クソ兄貴ぃぃ!!お前いぃ加減にせー、どこだぁぁぉぉぉぉ!!!
って聞こえたんだけど怖いんだけど
壁の向こう側から殺意が増してきた…………
もうだめだ、持たない
「お待たせ」
「あ、ありがとう!」
「じゃあやろっか」
ピコピコとゲームのする音が聞こえた
2人だけなのにすごい騒いでる。これが親友ってやつか…………良かったわ楽しく遊んでて。こういうのもいいなぁ
「おらぁ!!死ねぇ!!」
「彩奈ちゃん!言葉遣い!!」
「だって!うざいんだもん!おらぁ!!」
「彩奈ちゃん!?」
ただし悪口が酷かった
カスだのボケだの死ねだの使えねぇだの
俺の妹はやっぱり次元が違った
もうこっちは両親に育てられてきたのに!!
あ、そっか、両親がいるからこそか。あの2人ド変態だし、何かしら口悪いし、仕方ないよな
「俺も実際変態だし、これが何よりも証拠だな」
でもなぁ……なんかなぁ、妹にはこんなキャラにはなって欲しくなかったなぁ。昔はあんなに可愛くてふわふわしてたのに…………昔の妹を返せ!!!俺の妹を返せ!!!
失礼取り乱しました
「そういえば、1回だけあったなぁ、お兄ちゃんって呼んでたの」
そう、兄貴しか言ってこなかった妹がお兄ちゃん、と1回だけ言ったことがある
あの響きは可愛かった。朝起きていつも通りに起こしに行ったら、ドア越しからお兄ちゃんって甘い声が聞こえたんだよ、その時死にそうになったわ。自分の妹ってこんなに可愛かったっけ!?ってなってたのが何よりも印象的である
でもね、その後分かったんだ
こいつはゲームの中の人に対してお兄ちゃんと呼んでいるということ……エロゲーだった、近〇〇姦もののやつ…………俺その「お兄ちゃん」の声聞いて分かったもん。結構有名なエロゲーだったし
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