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ゲヘナ編
三十七章 ※
しおりを挟むふうううぅ、と深く息を吸って吐く。
それから両足を抱えて玄二の恥部を暴く。
大きなちんぽと深紅の孔が豊かな尻肉に挟まれてそこにあった。
足を抱えながら、玄二の置いてくれたローションに手を伸ばす。蓋を開けてぶちゅっと中身を手の上に乗っけると両手を合わせる。
「あに、き?」
戸惑いオレに縋ろうとする玄二を今は無視し、透明の粘液で濡れた指を孔の中に押し込んだ。
「――ひ!? っくうぅ……ン゛ぅ」
玄二は顔が見えなくなるほど仰け反って、甲高い声を発した。
そこで、隣にいる恋白のことを思い出したのか慌てて両手で口を封じた。オレもうっかり忘れていたが、寝ている子を起こさないようにしなくては。
大切な家族の恋白がいるのに、気遣ってあげないといけないのに、もう止められなかった。
「ごめんな。玄二。我慢しよう、な?」
「ぁにきっ、あ、待っ――うぅう」
中に挿入れた中指をさらに奥に向かわせる。肉の襞が前よりもきゅうきゅうと締めてきて、油断したら折れてしまいそうだ。
いつもは余裕なくせして、思いっきり声を出せないせいか玄二はいっぱいいっぱいになってる。
そんな玄二のちんぽにもう片方の手で触れる。
びしょ濡れの手でそれを上下に扱けば、また苦し気に呻いた。
「っ、んーんぅ! ひゅ、ぁうぐっ」
必死に声を抑え、固く閉じた瞼からは涙を溢れさせている。
あんなに誰にも見せたがらなかった涙をオレの前では晒してくれたことが嬉しくて、オレは指を増やした。
「玄二、意地悪してごめんな。今からは優しくスるからさ、ちゃんと息しよ? な?」
「っふ、は、すぅー……はあー……」
頭を撫でながらそう言うと、玄二はゆっくりと手を退かして何度か深呼吸する。
呼吸が落ち着いた辺りで、指の動きを再開させる。ほぐすように内側を慣らしていくと、ふうふう息を吐く。
「ん、いい子だ。玄二」
彼を労わるように、胸や、腹筋にキスを落とす。
唇で触れる度に「あっ」とか細い声を少しずつ漏らす。それのなんとも艶っぽいこと。
そうやって時間をかけてゆっくりと玄二の孔を弄っていく。そうして三本目の指が入ったところで、胸の柔肉に顔を埋めその匂いに浸る。
何も纏わないまま抱き合う感触が気持ちよくて、指から伝わる玄二の内側に意識を集中していく。
「ぁに、き」
「玄二の中、ふわふわで、温かくて、溶けちゃいそう」
「あ……う、オレ、も」
このままこの中で溶け合えたら、本当に幸せだろうな。
なんてことを思いながら、十分にほぐれ切ったナカから指を引き抜く。
「は……っ、ン」
玄二は寂しそうな切ない声をあげた。
オレはその腹を両手で撫でる。
「大丈夫。すぐに挿入れてやるから」
「……きて、兄貴。欲しいぃ」
泣き笑いの表情を浮かべて、両手を伸ばしてオレの首に抱き着く。
あの玄二が必死に縋るさまがあまりにエロすぎて、頭と股間に血が昇る。
もう我慢が出来なくて勃ち上がったソレをハクハクと蠢く孔に宛がう。
「は、ぅ、早くぅ」
「わかってる。ゆっくりスるから……いくぞ」
「――っぁ゛あ!」
そこから腰を押し込んで、玄二のナカを侵していく。
熱くて湿ったナカは想像の何倍も気持ちよくて、本当に体が溶けてしまいそうだ。
「あ~……ぅ……すっげえ、きもちい……」
「はぁ、う、ンンぅ」
本当は思いっきり腰を揺すって玄二を堪能したいけど、オレも声が漏れないように我慢しなきゃいけない。だから吸い付く奥に先端を擦り付けるようにゆっくりと動く。
ジュポジュポと湿った音とくぐもった声だけが部屋に響いている。
まるでこの世界にオレと玄二だけがいるみたいで、どんどん嬉しくなっていく。
「玄二、好き」
「ぁ、はう、オレ、もっ、すき」
首に回された手の力が強くなって、興奮も相まって息が苦しくなる。玄二の厚くて柔らかい胸を感じながら、トントンと腰を打ちつける。肉と肉の間から二人のが合わさった液体が漏れてくる。それが熱くて、本当に溶けちまいそうだ。
きっと好きって言って貰ったのもあって、オレも玄二もいつもより興奮してるみてえだ。
玄二の体に抱き着いて、遮るもののない裸の肌の感触に酔いしれる。
「ずっとこうしてえな」
「ん……」
ポツリと呟いたオレの声が聞こえたのか、玄二はオレの後ろ髪をそっと撫でる。優しい手付きだ。呻き声のようなか細い音でも、それはしっかりとオレの耳に届いている。愛しい玄二の声なんだから、当然だ。
※
「ん……んぅ……ふ……」
枕に顔を埋め、こちらに背を向けている玄二に抱き着いていた。
激しさもないのに、体だけじゃなくて呼吸も、内側も、本当に一つになったみたいだ。
枕を掴んでいる玄二の手を握ると、きゅうと握り返して縋ってくる。
それがどうしようもなく可愛くて、頭を撫でてから項にまたキスをする。
一度不安になってから、改めて気づいた。
オレはもう玄二のいない生活を考えられない。
原作を崩壊させた出会いと恋だとしても、もう離れるのは無理だ。
「玄二」
「……ふ、ン?」
「ずっと側にいる。一緒に、幸せになろうな」
まだ学生、それにセックス中にプロポーズなんて最低だよな。
でも今言っておきたかった。オレの気持ちを。
玄二は金色の目を潤ませ、オレに振り返る。
「ん……なる……ずっと、いっしょ」
そう告げるとまた、オレの手を握った。
ああ。愛する人に愛されるって、こんなに幸せなんだな。
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