やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女

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十六話 永久の誓い

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憂いは全て消え去った。
両親や友人、傭兵団の愉快な人たちの前で、僕とローランは愛を誓った。
ステンドグラスから溢れる温かで色とりどりの光が僕らを祝福してくれた。
蜜月を迎える港町のコテージに向かう途中。
ローランは馬車を停めた。
そこは海が目の前にある高台だった。
彼は手に花束を握り、柵の方まで近づいた。
強い潮風を浴びて、茶色の髪が揺れる。真昼の日光が白装束に注いで、とても眩しかった。

「母さん。俺は幸せだ。どうかあなたも、静かに眠っていてくれ」

というと、ローランは花束を海へと投げつけた。
ひらひらと花びらが幾つか舞い散って、それは波に呑まれていった。

「海は、母の墓だ……あの屋敷からかき集めた遺灰は海に撒いたから……ずっと、帰りたがっていたからな」
「……喜んでくれてるよ、きっと」

こうして母に餞を贈ったことで、ローランの心も晴れていくのかもしれない。
水平線を見つめる彼の腕に、僕は手を回す。
そんな僕の頭頂に彼は唇を落とす。
風が強く体を打ち冷えてくるが、彼の温もりが更に恋しくなった。

「馬車に戻ろう。寒くなってきた」
「ああ。せっかくの蜜月だ。長い間、ずっと側にいたいしな」

僕らは共に馬車の方に向かう。


 ※


コテージに着くと夕飯を食べる前に僕らはそれぞれ風呂に入り、ベッドに向かった。
これで体を重ねるのは二回目になるけど、夫婦になって迎える初夜は特別なものだった。
酒がない分、ローランはじっくりと、欲に任せずに僕に触れてくれる。
その手付きが、本当に宝物に触れるかのようで、指の動き一つで幸せに満たされる。

(これが……僕にとっての運命なんだろう)

本来のイライはヒロインを虐げ断罪されるだけだった、ちっぽけな男。
それが周囲からの信頼を勝ち取り、名誉を得て、最愛の番に出会えた。
僕はその幸福な真実を味わっていた。

「イライ、繋がったから……首、いいか?」

僕らは今、一つになっている。
ローランの熱いものが臍の奥を抉って、呼吸が苦しいけど、それ以上に気持ちよくて、頭がおかしくなってしまいそうだ。
夢心地のまま僕は、チョーカーを外して首筋を晒す。
今、ローランの元には僕のフェロモンが届いているだろう。
彼は待てを命じられた犬のように、縋るような目をしながら、僕に近づいた。
そして耳朶にキスをしてから優しく、きっと僕にだけが聞ける声で囁いた。

「死んだって離さねえ。愛してるぞ」

そうして彼は僕に項に噛みついた。
歯が皮膚を突き破ると共に、彼のフェロモンが僕の中に溢れていくのを感じる。
心を直接抱きしめられているかのような、穏やかで多幸感に満ちた温もりだった。

「……僕、も。愛してる」

少し遅れて、僕も返事を返す。
ローランはその言葉に幸せそうに目を細めて、僕にキスをした。
口付けは次第に深いものへと変わり、僕らは更に深く交じり合った。
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