クズ男は転生花嫁 戻るなんて許さないし絶対離さない

毒島醜女

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こんなの愛じゃない

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酒を飲まされて監禁され、今日あったばかりの男に犯される。
そんな現実が信じられなかった。

それでも俺の服はあっという間に剥がされ、今、要さんは俺の体を舐めまわしている。

「じゅる、じゅぶ……ハァ……これが天女の味……私と番う為に降りてきた、花嫁……」

違う! 俺は男だ!
妊娠なんて出来るわけないし、何言ってんだこの人は!

必死に身動ぎして、やめるように言おうとした。
それでも、体に力が入らない。口も上手く回らない。
まるで要さんに触れられるのを待ち構えているかのように体が勝手に熱くなってくる。

「はー、ぅっ、ぐ、や、やめて、くださっ」

なんとか吐き出せたその言葉を要さんは無視した。
というか要さん、細身なのに力が強い。
抱きしめられてビクとも動けない。

「ひぐっ」
「ああ、良くほぐれてますね。あなたが寝ている間に慣らさせていただきました。痛まないように」

一瞬、何が起こっているかわからない。

霞んだ目を下腹部の方に向けると、俺の足を掲げた要さんがその間、俺のなにも纏っていない臀部に顔を寄せて指を突っ込んでいた。

もう俺のキャパシティーは限界だった。
いきなり尻の穴覗かれるし、その中に指入れられるし、寝てる時に「準備」されるだなんて。

自分は今そんな恥辱を受けているのだと知った瞬間、俺の感情は涙となって溢れていた。

「う、ううぅ……やだぁ……ッ! お願、も、マジ、やめて!」

俺の声は震え、涙が頬を伝って布団に落ちる。
でも要さんは俺の願いなんて耳に入ってないかのように、ただその狂った目で俺を見つめ続ける。

「ああ、なんて可愛らしい、運命の天女……亜蘭さん。あなたは私のもの。そんなあなたを穢すことが出来るなんて……」

要さんの声はふわふわと、どこか陶酔しているようだった。
俺の体はまだ力が入らず、まるで操り人形のよう。
きっとあの酒のほかにそういう効果のある薬を盛られたのか、頭もぼんやりしてきた。

それでも、心の奥では叫び続ける。

――違う! 俺はあんたの運命なんかじゃない! 天女でも、なんでもない! 俺はただ平穏に生きたかっただけで、こんな目に遭うためにここにいるんじゃない!  

要さんの指がさらに深く動くたび、俺の体は勝手に反応してしまう。
全身がゾクゾクして、一人で抜くよりずっと快感がある。
それが余計に俺を追い詰めた。
ありえない。気持ち悪い。怖い。

なのに、体の熱は裏切るように高まっていく。
それを必死に否定する。

「や……だっ、離せ……!」

必死に声を絞り出すけど、要さんの腕はまるで鉄のように固く、俺をがっちり押さえつける。  
それどころか、まるで恋人にわがままを言われたかのように眉を八の字にして笑うんだ。

 「そんな顔、しないでくださいね。あなたは私の花嫁なんだから、私からの行為をただ受け入れるだけでいいんですよ?」

要さんの唇が俺の太腿の付け根に触れる。
あり得ないところにキスされぞっとする感覚が背筋を走り、俺は思わず体を硬くした。
  
「俺は要さんの花嫁じゃない……! 俺は男だっ、こんなの……間違ってる……!」

やっとの思いで叫んだ言葉は、しかしまた、要さんの耳には届かない。
いや、届いても無視してるんだ。  

でも突然、要さんの動きが止まった。
俺は一瞬、止めてくれるかもという希望を見た気がした。が、すぐにその希望は打ち砕かれる。

「間違ってる? いいえ、これは私の子を孕むための神聖な儀式。あなたが理解しなくても、私には関係ありません」

その言葉に、俺の心はさらに凍りついた。
こいつは本気で俺をただの「もの」としてしか見てない。
天女や花嫁やなんだと持ち上げてはいるものの、結局は孕むだけの尊厳も何もない命がある物体なんだ。

「やめ……て」

やっと振り絞った声はもう掠れ、ほとんど呻き声に近い。
それでも、俺は諦めたくなかった。
心のどこかで、まだ逃げられる、こんな状況を変えられるって信じたくて。
 
でも現実は非情だ。 
要さんの動きはさらに激しくなる。指も更に増えていったのだろう。ナカがぐちゃぐちゃで頭おかしくなりそうだ。

ぐちゃぐちゃ。
みんなぐちゃぐちゃだ。
羞恥も、恐怖も、全部がぐちゃぐちゃになって、ただ涙だけが止まらない。  

「美しいっ、その顔! もっと見せて下さい、愛しい私の亜蘭さん!」

俺の心はどんどん壊れていく。
そんな言葉、欲しくない。そんな「愛」いらない。  
自由になりたい。もう殺してもいいから解放してくれ。

要さんが自身の股間から赤く滾ったソレを取り出した時、俺は完全に思考を中断させた。

時間がどれだけ過ぎたのか、俺にはもう分からない。
湿った布団の冷たさも、体の痛みも、夢と思いたいのにそれが現実だと教えてくる。

体は重く、心は空っぽ。涙ももう枯れ果てて、ただ虚無だけが残る。

要さんは満足そうに俺を見下ろし、優しく髪を撫でてきた。
その手付きは本当の恋人にするようなもので、本当に鳥肌が立つ。

「これであなたは私のもの。永遠にここで幸せに暮らしましょうね」

その言葉に、俺の心は一瞬だけ燃えた。

――永遠に? 幸せに? ふざけるな。

俺は要さんを睨みつけた。本当は俺の頭を撫でる手を弾いてやりたかったがその力はなく、せめて目と言葉だけでも抵抗したかった。  

「お前を……絶対、好きになんかならない……いつか、ここから出ていく、からな」

掠れた声で、でもはっきりと言った。  
要さんの顔に一瞬、驚きが浮かんだ。でも、すぐにまたあの気味悪い笑顔に戻る。

「いいですよ。そしたら、また見つけてあげますから」
  
俺はすぐさま目を閉じた。
もう何も見たくなかった。
心の奥で、ただ一つだけ決めた。
どんなに時間がかかってもここから逃げる。

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