転生したらハムハムすることに夢中です。

さこ助

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番外編

ハムハムの日常①

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「あっぅ」



 艶めかしいショタの声が響く中、わたしはあいも変わらず妄想の旅へと誘われていく。


「ありがとうございました。ラティのおまじないはやっぱり少しくすぐったくなってしまいますね」



(よかったよ、気持ちいいと一発目の感想ででてこなくて)



 見た目は幼女でも中身は中々のオバちゃんで、それでもこの目の前の小さな紳士はわたしのことを嫌煙することもなく、どちらかというと懐いてくれている。年齢としては彼の方が幾ばくか上なのだが、生きてきた記憶としてわたしの方が勝るのでその様に捉えているのだ。
 
 この見た目可愛い天使ショタは、ある時からわたしのセクハラおまじないを好むようになり、どんどんせがむようになってきていた。
 だからと言って、言葉に出してセクハラハムハムをしてくれ、とは言ってこないけれども、毎日逢瀬を繰り返していけば何と無くわかるようになってきた。子供の気持ちで先にコレが“元気を出すおまじない”と教えられたのだから大人の持つ罪悪感というものは皆無なのだろう。


「ふぅっはぅ」


 大体は声を殺してハムハムを受けるラニエルも時々は痴女には堪らない声を漏らしてくる。
 おかげさまで日頃のノルマ的ハムハムはもう終えているのだけど、どうしても彼の首筋を滑る唇を止めることが出来ないでいた。


「ぁ、らてぃ」

「そんなにわたしを煽らないでください」

「なに?」

「そんな舌ったらずな声を出されたら誰だって止めることが出来なくなってしまいます」

「やぁ、ん、え?どう、いうこと?」

「そういうところ!」


ーーハムハム、ちゅっ


「あ!」


ーーペロ、パク、ハム、ちゅ


「ラティ、まって、ください…なにか、なにか!」



(なに!まさかの精通が今まさに!?)



 ドキドキを通り越してギラギラとした感情がわたしの中を渦巻く中、ラニエルの高揚とした表情は更に加速してドエロくなっていく。
 うっとりとしているような、でもガクガクと怯え震えているようなーーでも瞳に灯る熱は次に来るの波を期待して待ち望んで見える。

 次に何ができるかしら。ハムハムするのはこの歳でもできるけど、でもまさかこの歳で(幼女の姿で)小さな紳士のアレを取り出し、握ることなど許されない。
 実際にはやっちゃえばもうどうでもよくなるような快感が待ってるのも、大人の私は知っている。
 めちゃくちゃ知っている。もう、それはもう、あーーーーー。



(いっそのこと大人の階段登っちゃう?強制的だけど)



 彼の興奮がわたしに熱を灯したのか、それとも元々のわたしの興奮が彼に移ったのか。小さな体からは想像できないほどの艶めかしさを醸し出すこのショタ天使。どうしてやろうか、どうしてやろうか!



「ラティ!」

「は、はい!」

「これ以上は、ダメ、かも」



(はいっプッチーーーン!)

(なんだこのドエロくそ甘ショタはーーー!ぐはーーっ!おばちゃんにそんな''ダメ''なんて"イイ"って言ってるもんやないかーい!)



 興奮のあまり出ましたエセ関西弁。興奮マックス状態、鼻血寸前、彼の中心を握るその寸前ーー


「ラティも、はぁっ…同じ気持ちですか?」

「えぇ!そりゃぁもう!」



(もう!止まりませんよ旦那!あたしゃ大人の扉を開くための鍵となってやるのですよ!)



「ラティ…まだダメ」



ーーップツン



「ラティ!?えっ大丈夫ですか!」

「うん、大丈夫じゃないかも、しれません」



 わたしの中でいろいろがキレたらしい。思考はアラサーだけど、どうしても体は幼女のラティファナの体。
 脳みそがドエロ痴女の思考に耐えられなくなったらしく、とうとうわたしの体からは限界のお知らせを告げてきた。


「鼻血が…」

「…(残念ながら)キャパオーバーのようです」

「まず、横になって」


 慌てながらわたしの体を後ろへと倒し、自分の上着を枕がわりに引いてくれる。小さな紳士はどんな状態でも変わることがない。
 あー紳士だな、と思ったことで漸くわたしのさっきまでのギンギラギンの熱は勢いを鎮めていった。


「エルはそのままでいて下さい」

「どうしたんですか、急に。まず喋らないで、落ち着くまで目を閉じていて下さい」


 ふわりと目元に置かれた小さな手は、子供の体温のせいなのか少し汗ばみ、先程のハムハムの名残を教えてくれているように思う。


「エルの手は気持ちいいわ」

「ふふっラティのまつ毛は長くて、少しくすぐったいですね」

「あら、そんなことないわよ。エルに負けちゃうわ」


ーーペロン


「んんんーーー!?」

「あぁ、勿体無い」

「えっちょ何!?今何したの!?」

「だってラティの血が流れてしまうのがもったいなくて」

「いやいや、鼻血だからね?」

「それでも貴女の体液を外に落としてしまうなんて、ましてわたしのチーフに吸わせるのも嫉妬してしまいます」



(ん?変態なのかな?)



 言葉の節々に変態感を隠しきれないでいる。いや、これはむしろオープン変態ではないだろうか。感触から言ってアレは舌で鼻血を拭ったーー舐めとったのだろう。変態のわたしでも思う、こいつはーー


「エルは変態なの?」

「ラティの全てが愛おしいだけですよ」

「うん、変態だね」



 さっきまでわたしの下でアンアン鳴いていたはずなのに、いつの間にこんな立派な変態チビ紳士になってしまったのだろう。いや、わたしがしてしまったのか。
 なら、仕方ない?うん、致し方あるまい。



「では変態仲間記念ということで…」

「うん、っあ」



 下から眺めているのもつまらないので、とりあえず彼の乱れた肩口へと頭を持ち上げ、そしてすかさず舌を這わせる。さっきよりも息をあげているので少し湿った肌になっている。
 
 こりゃたまらん。えぇ、たまらんよ~このショタ紳士め!


「ラティ…だから、ダメって」

「エル、いい匂い…」


ーーペロッちゅっくちゅり


「あっんん、んっ」

「もっと声を出しちゃえばいいのに」

「そんなの、だってっ恥ずか、しくて、できっない、です」



(堪んねーなーおいおいおい!)



 脳内三十路フィーバーなラティファナはどんどんエスカレートし、どんどん変態ちじょへの階段を猛ダッシュで駆け上がっていく。
 いいえ、変態と言われようと、痴女と罵られようと!この目の前のご馳走に舌を出さずのいられるか?いや、答えは否!



(とくと味わってヤンゼーーー!!)





 脳内のツッコミ不在、現実にも不在。昼下がりの太陽眩しいうららかな時、只々煩悩にまみれた小さな痴女が暴徒と化していた。


 誰も知らない、誰にも教えない。そんな小さな紳士と小さな痴女のちょっと変わったロマンスな昼下がり。


「それ以上は!ラティーー!」

「エルもっと!もっとよ!」


 …そんな変態達の、いつもの日常の一コマ。きっと我に返ったときに後悔するのは、さぁどっちなのでしょう。
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感想 4

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みんなの感想(4件)

紫翠
2019.07.31 紫翠

侍女の名前がカナンなのかカインなこのかどちらでしょうか?
すごく面白い話なので更新を楽しみにしています!

2019.08.02 さこ助

ほんとですね!初めて名前が出てき他のにイキナリ別人になってしまいましたねっっ
大変失礼致しました!直させていただきました!ありがとうございます(^^)

解除
だらだら
2019.07.22 だらだら

すごく楽しみに待ってました─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ

2019.07.22 さこ助

本当に長いことおチビたちを放置してしまいました(´;ω;`)お待たせいたしました〜今度はちゃんと更新していこうと思います。
チビたちの行く末をどうぞ見守ってやってください。

解除
いおる
2018.11.27 いおる

お巡りさ〜ん!
オォーーイ( 」゚Д゚)」

2018.11.27 さこ助

ハムリング活用させていただきました!勝手にすみません。
ありがとうございます!

オマワリさーん!呼んであげてください!

解除

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