25 / 25
番外編
ハムハムの日常①
しおりを挟む「あっぅ」
艶めかしいショタの声が響く中、わたしはあいも変わらず妄想の旅へと誘われていく。
「ありがとうございました。ラティのおまじないはやっぱり少しくすぐったくなってしまいますね」
(よかったよ、気持ちいいと一発目の感想ででてこなくて)
見た目は幼女でも中身は中々のオバちゃんで、それでもこの目の前の小さな紳士はわたしのことを嫌煙することもなく、どちらかというと懐いてくれている。年齢としては彼の方が幾ばくか上なのだが、生きてきた記憶としてわたしの方が勝るのでその様に捉えているのだ。
この見た目可愛い天使ショタは、ある時からわたしのセクハラを好むようになり、どんどんせがむようになってきていた。
だからと言って、言葉に出してセクハラをしてくれ、とは言ってこないけれども、毎日逢瀬を繰り返していけば何と無くわかるようになってきた。子供の気持ちで先にコレが“元気を出すおまじない”と教えられたのだから大人の持つ罪悪感というものは皆無なのだろう。
「ふぅっはぅ」
大体は声を殺してハムハムを受けるラニエルも時々は痴女には堪らない声を漏らしてくる。
おかげさまで日頃のノルマ的ハムハムはもう終えているのだけど、どうしても彼の首筋を滑る唇を止めることが出来ないでいた。
「ぁ、らてぃ」
「そんなにわたしを煽らないでください」
「なに?」
「そんな舌ったらずな声を出されたら誰だって止めることが出来なくなってしまいます」
「やぁ、ん、え?どう、いうこと?」
「そういうところ!」
ーーハムハム、ちゅっ
「あ!」
ーーペロ、パク、ハム、ちゅ
「ラティ、まって、ください…なにか、なにか!」
(なに!まさかの精通が今まさに!?)
ドキドキを通り越してギラギラとした感情がわたしの中を渦巻く中、ラニエルの高揚とした表情は更に加速してドエロくなっていく。
うっとりとしているような、でもガクガクと怯え震えているようなーーでも瞳に灯る熱は次に来るナニかの波を期待して待ち望んで見える。
次に何ができるかしら。ハムハムするのはこの歳でもできるけど、でもまさかこの歳で(幼女の姿で)小さな紳士のアレを取り出し、握ることなど許されない。
実際にはやっちゃえばもうどうでもよくなるような快感が待ってるのも、大人の私は知っている。
めちゃくちゃ知っている。もう、それはもう、あーーーーー。
(いっそのこと大人の階段登っちゃう?強制的だけど)
彼の興奮がわたしに熱を灯したのか、それとも元々のわたしの興奮が彼に移ったのか。小さな体からは想像できないほどの艶めかしさを醸し出すこのショタ天使。どうしてやろうか、どうしてやろうか!
「ラティ!」
「は、はい!」
「これ以上は、ダメ、かも」
(はいっプッチーーーン!)
(なんだこのドエロくそ甘ショタはーーー!ぐはーーっ!おばちゃんにそんな''ダメ''なんて"イイ"って言ってるもんやないかーい!)
興奮のあまり出ましたエセ関西弁。興奮マックス状態、鼻血寸前、彼の中心を握るその寸前ーー
「ラティも、はぁっ…同じ気持ちですか?」
「えぇ!そりゃぁもう!」
(もう!止まりませんよ旦那!あたしゃ大人の扉を開くための鍵となってやるのですよ!)
「ラティ…まだダメ」
ーーップツン
「ラティ!?えっ大丈夫ですか!」
「うん、大丈夫じゃないかも、しれません」
わたしの中でいろいろがキレたらしい。思考はアラサーだけど、どうしても体は幼女のラティファナの体。
脳みそがドエロ痴女の思考に耐えられなくなったらしく、とうとうわたしの体からは限界のお知らせを告げてきた。
「鼻血が…」
「…(残念ながら)キャパオーバーのようです」
「まず、横になって」
慌てながらわたしの体を後ろへと倒し、自分の上着を枕がわりに引いてくれる。小さな紳士はどんな状態でも変わることがない。
あー紳士だな、と思ったことで漸くわたしのさっきまでのギンギラギンの熱は勢いを鎮めていった。
「エルはそのままでいて下さい」
「どうしたんですか、急に。まず喋らないで、落ち着くまで目を閉じていて下さい」
ふわりと目元に置かれた小さな手は、子供の体温のせいなのか少し汗ばみ、先程のハムハムの名残を教えてくれているように思う。
「エルの手は気持ちいいわ」
「ふふっラティのまつ毛は長くて、少しくすぐったいですね」
「あら、そんなことないわよ。エルに負けちゃうわ」
ーーペロン
「んんんーーー!?」
「あぁ、勿体無い」
「えっちょ何!?今何したの!?」
「だってラティの血が流れてしまうのがもったいなくて」
「いやいや、鼻血だからね?」
「それでも貴女の体液を外に落としてしまうなんて、ましてわたしのチーフに吸わせるのも嫉妬してしまいます」
(ん?変態なのかな?)
言葉の節々に変態感を隠しきれないでいる。いや、これはむしろオープン変態ではないだろうか。感触から言ってアレは舌で鼻血を拭ったーー舐めとったのだろう。変態のわたしでも思う、こいつはーー
「エルは変態なの?」
「ラティの全てが愛おしいだけですよ」
「うん、変態だね」
さっきまでわたしの下でアンアン鳴いていたはずなのに、いつの間にこんな立派な変態チビ紳士になってしまったのだろう。いや、わたしがしてしまったのか。
なら、仕方ない?うん、致し方あるまい。
「では変態仲間記念ということで…」
「うん、っあ」
下から眺めているのもつまらないので、とりあえず彼の乱れた肩口へと頭を持ち上げ、そしてすかさず舌を這わせる。さっきよりも息をあげているので少し湿った肌になっている。
こりゃたまらん。えぇ、たまらんよ~このショタ紳士め!
「ラティ…だから、ダメって」
「エル、いい匂い…」
ーーペロッちゅっくちゅり
「あっんん、んっ」
「もっと声を出しちゃえばいいのに」
「そんなの、だってっ恥ずか、しくて、できっない、です」
(堪んねーなーおいおいおい!)
脳内三十路フィーバーなラティファナはどんどんエスカレートし、どんどん変態への階段を猛ダッシュで駆け上がっていく。
いいえ、変態と言われようと、痴女と罵られようと!この目の前のご馳走に舌を出さずのいられるか?いや、答えは否!
(とくと味わってヤンゼーーー!!)
脳内のツッコミ不在、現実にも不在。昼下がりの太陽眩しいうららかな時、只々煩悩にまみれた小さな痴女が暴徒と化していた。
誰も知らない、誰にも教えない。そんな小さな紳士と小さな痴女のちょっと変わったロマンスな昼下がり。
「それ以上は!ラティーー!」
「エルもっと!もっとよ!」
…そんな変態達の、いつもの日常の一コマ。きっと我に返ったときに後悔するのは、さぁどっちなのでしょう。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(4件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
侍女の名前がカナンなのかカインなこのかどちらでしょうか?
すごく面白い話なので更新を楽しみにしています!
ほんとですね!初めて名前が出てき他のにイキナリ別人になってしまいましたねっっ
大変失礼致しました!直させていただきました!ありがとうございます(^^)
すごく楽しみに待ってました─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
本当に長いことおチビたちを放置してしまいました(´;ω;`)お待たせいたしました〜今度はちゃんと更新していこうと思います。
チビたちの行く末をどうぞ見守ってやってください。
お巡りさ〜ん!
オォーーイ( 」゚Д゚)」
ハムリング活用させていただきました!勝手にすみません。
ありがとうございます!
オマワリさーん!呼んであげてください!