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番外編:お泊まり会開催 13
しおりを挟む「シュナ姉さんの性格は勿論、香油と石鹸が全てを物語っていると私は勝手に思ってます。殆どお化粧されず可愛らしいのも、お酒が入って妖美に微笑むのも、私にとっては魅力にしか映りません!」
イリエは酒で程良く酔っ払いなのを良いことにシュナの手をにぎにぎし、これでもかと近づいて宣言する。
「それを言うなら私だってフェスとの出逢いを暴露します!食堂で一目惚れした私は女嫌いだったフェスとどうしても一緒にいたくてセフレを打診して身体だけのお付き合いから始めました!」
「イリエの突撃のおかげで愚息がまともになったからな」
イリエの暴露宣言にシュナは瞠目しながら眉を下げながら微笑んだ。
「相手を変えるくらい格好良い突撃だよ。…そういう風に思ってくれるなんて嬉しいなぁ。…あ、因みに化粧をしないのは、すると化けちゃってイメージがガラリと変わるからなんだ。今の正反対みたいな顔になっちゃうから、イアンからもしなくて良いよーって」
「「え、見たい」」
「何だと…それは是非見たいぞ。ここでだけなら構わんよな?」
「え?どうだろう…多分問題ない、ですかねぇ」
「よし」
ここでレリエルが呼び鈴を鳴らし化粧一式を持ってこさせた。
ずらりと並べられた化粧を見たシュナが「凄い数…どれ使おう」と呟く。一気に驚きたい三人は暫しの間シュナに背を向け、出来上がったと聞こえたシュナの声に振り向いた。
少し分け目を変えたバターブロンドを掻き上げたふわりとした髪に目元を濃いめに化粧を施し、真っ赤な紅を引いた唇。
イリエと大して年齢が変わらないと思っていた顔が途端にそれこそ妖美な姉様!と崇めたいくらいの美貌に変化していたシュナ。
「「「…」」」
三人共あまりのシュナの変貌に絶句である。
「幼顔なのに化粧するとこうなるんですよー」
「何だこの変わり用は…同じ人物とは思えんぞ。正に妖艶」
「マジやべー色気のある美人さんになるんだぁ」
「…シュナ姉さん…!」
ここから今度はシュナによる女性三人の変化儀式が急遽開催された。
普段化粧が面倒だというレリエルに施した侯爵夫人と称したメイクに皆が感嘆し、赤や茶系の多い化粧をするララを寒色系で攻めてみるとまた違った美人さんに生まれ変わったことに盛り上がり、可愛い系を極めようとイリエには淡い赤系で攻め、目の周りにはフェリウス色のシルバーのキラキラパウダーを施された。
「可愛過ぎるー!私の腕やるじゃん!」
「シュナの手先が器用だからかな?相手の一番良い箇所引き出すの上手いなー」
「イリエ。これで外出たら雄がわんさか釣れるぞ。愚息を困らせてやろうではないか」
「わ、わんさか…?」
イリエもしっかり化粧をする派ではないので、鏡で見た自分の変わり様に少し驚く。
「イリエちゃんも少し濃いめにすると、途端に色気が出るんだね。私の友人もヤバいんだ。垂れ目だから異様に色っぽくなってさ。フェリウスも知ってる人だよ。スーランって言うの」
「スーランさん…シュナ姉さんみたいに漢前?」
「ふふ、うん。私より全然格好良いし猥談に関しては最強説」
「わ、猥談…シュナ姉さんも格好良いのだ!」
「あはは!この酔っ払いめー可愛いなぁ」
イリエはシュッと飛びつきシュナによしよしされながら、酒の酩酊を楽しんだ。
****************
「あー、一仕事終えた後って感じで美味いー」
「だな」
「総帥とやり合って平常保てるって凄いっすね」
「はは。軽くだからね」
隣り合ったもう一つの客室。
寝台は繋げず間に大きめのワゴンが運ばれ、そこには年代物の蒸留酒に発泡葡萄酒、つまみが置かれ男性陣もそれなりに和やかに酒を酌み交わしていた。
「それにしても総帥の殺気を久々に感じましたよ。ゾクッとくるなんて早々ないからなぁ」
「最近は私も書類仕事ばかりだしな。前線が懐かしい」
「一番偉いやつが前線とかおかしいだろ」
「あー…でもうちの総帥もどっちかって言うと、なあ」
「ああ、ベイガーも近衛騎士隊より王都騎士隊に戻りたいって昔良く言っていたからね」
「なるほどー。だから嫡男のベルナドも王都騎士隊なのかなぁ」
「いや。爵位的にそのまま近衛にいけるが、ベイガーはそれを良しとしなかっただけだよ。ベルナドもそう考えらしい」
「俺も王都騎士っすけど、ベルナド隊長はお貴族様らしくないですね」
「ベルナドは必要最低限しか話さない」
「フェリウス系だよねぇ」
「確かにな。ベイガーは快活でおおらかだがベルナドが感情的になるところを見たことはないな」
四人共そこそこ飲むので酒があっという間に底を尽きそうになると「たまには若いのを飲むのも良いものだ」とほろ酔いのカルロが新たな蒸留酒を持ってきた。
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