2 / 4
第2話 嘲笑の舞踏会
しおりを挟む
アレクシス・ヴァルディウス公爵。その名は社交界の誰もが知るものでありながら、誰も真実の姿を知らない。それほどに彼は謎めき、そして恐れられていた。冷血、無慈悲、感情を持たぬ男——そんな噂がまことしやかに囁かれている。
リリアナは目の前に立つその男を見つめながら、ひとつ呼吸を飲み込んだ。夜風が彼の黒い髪を揺らし、月光が灰のような瞳を照らす。その冷たい光に、不思議と怖さは感じなかった。
「……迎えに来た、とはどういう意味ですの?」
リリアナの声は震えていなかった。すべてを失った後の人間には、もはや失うものはない。その静かな諦めが、彼女の中にわずかな強さを与えていた。
公爵は少し表情を緩め、低く穏やかな声で言った。
「貴女が婚約破棄を受けたという話を聞きました。……いえ、あの晩に社交界で起きた騒動を、私は偶然目にしました。」
「目に……?」
「ええ。あの男——クラヴィス侯爵家の嫡男が貴女を公衆の面前で辱めたあの時、私は階段の上から見ていたのです。」
リリアナの息が止まる。彼の声が夜の静寂を裂くように続いた。
「馬鹿げた芝居でしたね。真実も証拠もなく、噂ひとつで貴女を断罪する。しかも、あの女の泣き真似一つに騙されて。」
彼の灰の瞳に、微かな怒りが宿っているように見えた。その温度差に、リリアナは一瞬戸惑う。冷血公爵と呼ばれる男が、なぜ彼女のためにそんな怒りを見せるのか。
「わたくしに、何のご用ですの……?」
「簡単です。あなたを、公爵領へとお連れしたい。安全な場所で、静かに暮らすといい。」
「……突然そのようなことを言われましても」
リリアナは眉を寄せた。彼の優しさの裏に何か考えがあるのではないかと、自然に警戒してしまう。それでも、公爵の眼差しには打算や欲がひと欠片も感じられなかった。
「とはいえ、信じられるはずもありませんね」とアレクシスは苦笑する。
「ひとまず同行だけしてくれればいい。君が望めば、すぐにでも自由に帰してやる。」
その言葉に、リリアナの胸の奥で小さな灯がともった。誰も味方してくれなかった世界の中で、彼だけが違った。
——一時の逃避でも構わない。少しだけ、息ができる場所がほしい。
彼女は小さく頷いた。
「……わかりました。お世話になります。」
アレクシスの口元に、微かに安堵の笑みが浮かんだ。
*
ヴァルディウス公爵領までは、王都から二日ほどの距離があった。馬車が進むたびに、街の灯が遠ざかり、開けた大地と森が広がっていく。霧が流れ、夜明けの光が淡く世界を染めた頃、リリアナは初めて深い眠りから目を覚ました。
窓の外には雄大な山々、白く霞む湖、整然とした街並み。その景観の中心に、公爵邸がそびえていた。黒い石造りの建物は威厳に満ちていて、冷たさよりも静かな気高さがあった。
「ここが……公爵領……」
呟くと、隣の席のアレクシスが静かに微笑む。
「歓迎します、リリアナ嬢。ここには誰も、あなたを笑う者はいません。」
その言葉が、思いがけず胸に沁みた。涙が出そうになるのを、彼女は必死に堪える。
馬車が止まり、扉が開く。出迎えた執事が恭しく頭を下げた。銀髪の老齢の男性、その動作ひとつでこの家の格が伝わる。
「公爵様、ようこそお戻りくださいました。そして……お客様も。」
「アラン。この方が、しばらく我が屋敷に滞在されるリリアナ・フェンリース嬢だ。」
「承知いたしました。お嬢様、何なりとお申し付けください。」
リリアナは小さく会釈し、玄関をくぐった。
屋敷の中は想像以上に温かい雰囲気だった。広間には大理石の柱が並び、整然とした美が漂う。だがその一方で、暖炉の火が柔らかく灯り、木の香りが広がっている。
自分を受け入れようとしてくれる空間。たったそれだけのことが、これほど有難く感じられるとは思わなかった。
*
着替えと休息を勧められた後、リリアナは一人、応接室でお茶を飲んでいた。
昨日までの悪夢の出来事が、嘘のように静かな時間。
そんな中で、胸の奥に沈んでいた疑問が再び顔を出す。
——なぜこの公爵は、私を助けたのだろう?
考えれば考えるほど、答えは見つからない。
権力者が失墜した伯爵家の娘を庇う理由など、どこにもない。
戸惑いの渦を断ち切ったのは、静かな扉の音だった。
振り返ると、アレクシスが再び部屋に姿を現した。
「休めましたか?」
「ええ……ありがとうございます。」
「よかった。実は、ひとつお願いがあるのです。」
彼は向かいに腰を下ろし、視線を真っ直ぐに合わせる。その表情は柔らかいが、何か決意を含んでいた。
「あなたに、ある舞踏会に同行してほしい。」
「舞踏会……ですの?」
「三日後、王都で伯爵派と公爵派の合同舞踏会が開かれます。そこに私が出席することになっており、正式な婚約者を同伴するのが慣例です。」
リリアナは息を呑む。
「お、婚約者……?」
「形式上の話です。貴女に恥をかかせることは決してしません。ただ、少しばかり見せつけてやりたい人間がいるだけです。」
「……まさか、クラヴィス侯爵家?」
アレクシスの口角がゆるりと上がった。
「聡明ですね。その通りです。」
沈黙のあと、リリアナはゆっくりと口を開く。
「……わたくしが、あの者たちの前に出るのですか?」
「もし嫌なら、やめましょう。しかし、あなたの名誉を取り戻す機会でもある。」
信じがたいほどにまっすぐな言葉だった。
嘘も同情も感じられない。
——ただ、彼は本心でそう言っている。
なぜなのかはわからない。それでも、その眼差しを疑うことができなかった。
「……わかりました。出席いたします。」
「ありがとう。」
公爵は短く答えた。それだけで充分だった。
*
舞踏会の夜。
会場に入った瞬間、ざわめきが広がった。
リリアナの姿を見た者たちの目が驚愕に見開かれる。
数週間前、断罪の夜会で笑い者にされたはずの令嬢が、公爵の隣を歩いているのだ。
彼女のドレスは、アレクシスの命で仕立てられた深紅のシルク。
白い肌を引き立て、視線を惹きつける。
その堂々とした立ち姿に、誰もが息を呑んだ。
「見て……フェンリース伯爵令嬢、あれは……!」
「嘘でしょう?あの令嬢が、今度は公爵の腕を?」
噂は瞬時に広がる。
だが、彼女はもう怯えなかった。
隣に立つ公爵の存在が、不思議と背を支えてくれていた。
やがて、会場の奥から見覚えのある声がした。
「リリアナ……?」
顔を上げると、そこにはかつての婚約者エドモンド。
その腕には美しく着飾ったベルティナが寄り添っている。
だが彼の表情は、どこか曇っていた。
「ずいぶん……変わったな。」
「ええ。おかげさまで。」
リリアナは微笑んだ。冷たくも、凛とした笑み。
その横でアレクシスが軽くリリアナの手を取った。
「ご紹介にあずかろう、クラヴィス侯爵家のご子息。私はヴァルディウス公爵、リリアナの――婚約者だ。」
会場が静まり返る。
誰もが理解できずに息を呑む中、ベルティナが顔を真っ青にした。
「こ、婚約者……っ!?そ、そんな……!」
アレクシスは淡々と言葉を続ける。
「そうだ。君たちは知らなかったのか?リリアナ嬢が私の庇護下にあることを。」
完全に面食らったエドモンドは、何も言えずに立ちすくんだ。
リリアナはその横顔を一瞥し、穏やかに口を開く。
「お気になさらないで、エドモンド様。あなたのおかげで、ようやく自分にふさわしい場所を見つけられましたわ。」
言い終えた瞬間、会場中の視線が一斉に彼女に注がれた。
誰もが、数日前まで笑い者だった令嬢の堂々たる姿に息を呑んでいた。
音楽が流れ、アレクシスが手を差し出す。
「次は、私に一曲踊ってもらえますか?」
「喜んで。」
二人が舞踏の輪の中に入ると、人々の囁きがやがて静まり、拍手が起こった。
赤と黒が夜会を彩り、彼女の新しい人生が、静かに幕を開けた。
リリアナは目の前に立つその男を見つめながら、ひとつ呼吸を飲み込んだ。夜風が彼の黒い髪を揺らし、月光が灰のような瞳を照らす。その冷たい光に、不思議と怖さは感じなかった。
「……迎えに来た、とはどういう意味ですの?」
リリアナの声は震えていなかった。すべてを失った後の人間には、もはや失うものはない。その静かな諦めが、彼女の中にわずかな強さを与えていた。
公爵は少し表情を緩め、低く穏やかな声で言った。
「貴女が婚約破棄を受けたという話を聞きました。……いえ、あの晩に社交界で起きた騒動を、私は偶然目にしました。」
「目に……?」
「ええ。あの男——クラヴィス侯爵家の嫡男が貴女を公衆の面前で辱めたあの時、私は階段の上から見ていたのです。」
リリアナの息が止まる。彼の声が夜の静寂を裂くように続いた。
「馬鹿げた芝居でしたね。真実も証拠もなく、噂ひとつで貴女を断罪する。しかも、あの女の泣き真似一つに騙されて。」
彼の灰の瞳に、微かな怒りが宿っているように見えた。その温度差に、リリアナは一瞬戸惑う。冷血公爵と呼ばれる男が、なぜ彼女のためにそんな怒りを見せるのか。
「わたくしに、何のご用ですの……?」
「簡単です。あなたを、公爵領へとお連れしたい。安全な場所で、静かに暮らすといい。」
「……突然そのようなことを言われましても」
リリアナは眉を寄せた。彼の優しさの裏に何か考えがあるのではないかと、自然に警戒してしまう。それでも、公爵の眼差しには打算や欲がひと欠片も感じられなかった。
「とはいえ、信じられるはずもありませんね」とアレクシスは苦笑する。
「ひとまず同行だけしてくれればいい。君が望めば、すぐにでも自由に帰してやる。」
その言葉に、リリアナの胸の奥で小さな灯がともった。誰も味方してくれなかった世界の中で、彼だけが違った。
——一時の逃避でも構わない。少しだけ、息ができる場所がほしい。
彼女は小さく頷いた。
「……わかりました。お世話になります。」
アレクシスの口元に、微かに安堵の笑みが浮かんだ。
*
ヴァルディウス公爵領までは、王都から二日ほどの距離があった。馬車が進むたびに、街の灯が遠ざかり、開けた大地と森が広がっていく。霧が流れ、夜明けの光が淡く世界を染めた頃、リリアナは初めて深い眠りから目を覚ました。
窓の外には雄大な山々、白く霞む湖、整然とした街並み。その景観の中心に、公爵邸がそびえていた。黒い石造りの建物は威厳に満ちていて、冷たさよりも静かな気高さがあった。
「ここが……公爵領……」
呟くと、隣の席のアレクシスが静かに微笑む。
「歓迎します、リリアナ嬢。ここには誰も、あなたを笑う者はいません。」
その言葉が、思いがけず胸に沁みた。涙が出そうになるのを、彼女は必死に堪える。
馬車が止まり、扉が開く。出迎えた執事が恭しく頭を下げた。銀髪の老齢の男性、その動作ひとつでこの家の格が伝わる。
「公爵様、ようこそお戻りくださいました。そして……お客様も。」
「アラン。この方が、しばらく我が屋敷に滞在されるリリアナ・フェンリース嬢だ。」
「承知いたしました。お嬢様、何なりとお申し付けください。」
リリアナは小さく会釈し、玄関をくぐった。
屋敷の中は想像以上に温かい雰囲気だった。広間には大理石の柱が並び、整然とした美が漂う。だがその一方で、暖炉の火が柔らかく灯り、木の香りが広がっている。
自分を受け入れようとしてくれる空間。たったそれだけのことが、これほど有難く感じられるとは思わなかった。
*
着替えと休息を勧められた後、リリアナは一人、応接室でお茶を飲んでいた。
昨日までの悪夢の出来事が、嘘のように静かな時間。
そんな中で、胸の奥に沈んでいた疑問が再び顔を出す。
——なぜこの公爵は、私を助けたのだろう?
考えれば考えるほど、答えは見つからない。
権力者が失墜した伯爵家の娘を庇う理由など、どこにもない。
戸惑いの渦を断ち切ったのは、静かな扉の音だった。
振り返ると、アレクシスが再び部屋に姿を現した。
「休めましたか?」
「ええ……ありがとうございます。」
「よかった。実は、ひとつお願いがあるのです。」
彼は向かいに腰を下ろし、視線を真っ直ぐに合わせる。その表情は柔らかいが、何か決意を含んでいた。
「あなたに、ある舞踏会に同行してほしい。」
「舞踏会……ですの?」
「三日後、王都で伯爵派と公爵派の合同舞踏会が開かれます。そこに私が出席することになっており、正式な婚約者を同伴するのが慣例です。」
リリアナは息を呑む。
「お、婚約者……?」
「形式上の話です。貴女に恥をかかせることは決してしません。ただ、少しばかり見せつけてやりたい人間がいるだけです。」
「……まさか、クラヴィス侯爵家?」
アレクシスの口角がゆるりと上がった。
「聡明ですね。その通りです。」
沈黙のあと、リリアナはゆっくりと口を開く。
「……わたくしが、あの者たちの前に出るのですか?」
「もし嫌なら、やめましょう。しかし、あなたの名誉を取り戻す機会でもある。」
信じがたいほどにまっすぐな言葉だった。
嘘も同情も感じられない。
——ただ、彼は本心でそう言っている。
なぜなのかはわからない。それでも、その眼差しを疑うことができなかった。
「……わかりました。出席いたします。」
「ありがとう。」
公爵は短く答えた。それだけで充分だった。
*
舞踏会の夜。
会場に入った瞬間、ざわめきが広がった。
リリアナの姿を見た者たちの目が驚愕に見開かれる。
数週間前、断罪の夜会で笑い者にされたはずの令嬢が、公爵の隣を歩いているのだ。
彼女のドレスは、アレクシスの命で仕立てられた深紅のシルク。
白い肌を引き立て、視線を惹きつける。
その堂々とした立ち姿に、誰もが息を呑んだ。
「見て……フェンリース伯爵令嬢、あれは……!」
「嘘でしょう?あの令嬢が、今度は公爵の腕を?」
噂は瞬時に広がる。
だが、彼女はもう怯えなかった。
隣に立つ公爵の存在が、不思議と背を支えてくれていた。
やがて、会場の奥から見覚えのある声がした。
「リリアナ……?」
顔を上げると、そこにはかつての婚約者エドモンド。
その腕には美しく着飾ったベルティナが寄り添っている。
だが彼の表情は、どこか曇っていた。
「ずいぶん……変わったな。」
「ええ。おかげさまで。」
リリアナは微笑んだ。冷たくも、凛とした笑み。
その横でアレクシスが軽くリリアナの手を取った。
「ご紹介にあずかろう、クラヴィス侯爵家のご子息。私はヴァルディウス公爵、リリアナの――婚約者だ。」
会場が静まり返る。
誰もが理解できずに息を呑む中、ベルティナが顔を真っ青にした。
「こ、婚約者……っ!?そ、そんな……!」
アレクシスは淡々と言葉を続ける。
「そうだ。君たちは知らなかったのか?リリアナ嬢が私の庇護下にあることを。」
完全に面食らったエドモンドは、何も言えずに立ちすくんだ。
リリアナはその横顔を一瞥し、穏やかに口を開く。
「お気になさらないで、エドモンド様。あなたのおかげで、ようやく自分にふさわしい場所を見つけられましたわ。」
言い終えた瞬間、会場中の視線が一斉に彼女に注がれた。
誰もが、数日前まで笑い者だった令嬢の堂々たる姿に息を呑んでいた。
音楽が流れ、アレクシスが手を差し出す。
「次は、私に一曲踊ってもらえますか?」
「喜んで。」
二人が舞踏の輪の中に入ると、人々の囁きがやがて静まり、拍手が起こった。
赤と黒が夜会を彩り、彼女の新しい人生が、静かに幕を開けた。
0
あなたにおすすめの小説
勝手に勘違いして、婚約破棄したあなたが悪い
猿喰 森繁
恋愛
「アリシア。婚約破棄をしてほしい」
「婚約破棄…ですか」
「君と僕とでは、やはり身分が違いすぎるんだ」
「やっぱり上流階級の人間は、上流階級同士でくっつくべきだと思うの。あなたもそう思わない?」
「はぁ…」
なんと返したら良いのか。
私の家は、一代貴族と言われている。いわゆる平民からの成り上がりである。
そんなわけで、没落貴族の息子と政略結婚ならぬ政略婚約をしていたが、その相手から婚約破棄をされてしまった。
理由は、私の家が事業に失敗して、莫大な借金を抱えてしまったからというものだった。
もちろん、そんなのは誰かが飛ばした噂でしかない。
それを律儀に信じてしまったというわけだ。
金の切れ目が縁の切れ目って、本当なのね。
〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?
ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」
その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。
「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」
【完結】真実の愛とやらに目覚めてしまった王太子のその後
綾森れん
恋愛
レオノーラ・ドゥランテ侯爵令嬢は夜会にて婚約者の王太子から、
「真実の愛に目覚めた」
と衝撃の告白をされる。
王太子の愛のお相手は男爵令嬢パミーナ。
婚約は破棄され、レオノーラは王太子の弟である公爵との婚約が決まる。
一方、今まで男爵令嬢としての教育しか受けていなかったパミーナには急遽、王妃教育がほどこされるが全く進まない。
文句ばかり言うわがままなパミーナに、王宮の人々は愛想を尽かす。
そんな中「真実の愛」で結ばれた王太子だけが愛する妃パミーナの面倒を見るが、それは不幸の始まりだった。
周囲の忠告を聞かず「真実の愛」とやらを貫いた王太子の末路とは?
『スキルなし』だからと婚約を破棄されましたので、あなたに差し上げたスキルは返してもらいます
七辻ゆゆ
恋愛
「アナエル! 君との婚約を破棄する。もともと我々の婚約には疑問があった。王太子でありスキル『完全結界』を持つこの私が、スキルを持たない君を妻にするなどあり得ないことだ」
「では、そのスキルはお返し頂きます」
殿下の持つスキル『完全結界』は、もともとわたくしが差し上げたものです。いつも、信じてくださいませんでしたね。
(※別の場所で公開していた話を手直ししています)
真実の愛を見つけた王太子殿下、婚約破棄の前に10年分の王家運営費1.5億枚を精算して頂けます?
ぱすた屋さん
恋愛
「エルゼ、婚約を破棄する! 私は真実の愛を見つけたのだ!」
建国記念祭の夜会、王太子アルフォンスに断罪された公爵令嬢エルゼ。
だが彼女は泣き崩れるどころか、事務的に一枚の書類を取り出した。
「承知いたしました。では、我が家が立て替えた10年分の王家運営費――金貨1億5800万枚の精算をお願いします」
宝石代、夜会費、そして城の維持費。
すべてを公爵家の「融資」で賄っていた王家に、返済能力などあるはずもない。
「支払えない? では担保として、王都の魔力供給と水道、食料搬入路の使用を差し止めます。あ、殿下が今履いている靴も我が家の備品ですので、今すぐ脱いでくださいね?」
暗闇に沈む王城で、靴下姿で這いつくばる元婚約者。
下着同然の姿で震える「自称・聖女」。
「ゴミの分別は、淑女の嗜みですわ」
沈みゆく泥舟(王国)を捨て、彼女を「財務卿」として熱望する隣国の帝国へと向かう、爽快な論理的ざまぁ短編!
悪役令嬢を追放したはずの王太子殿下が、なぜか毎晩泣きついてきます
nacat
恋愛
婚約破棄の場で一方的に罪をきせられ、王都を追放された公爵令嬢リディア。
だが彼女には、誰も知らぬ“真の力”と“もう一つの顔”があった。
平穏な辺境生活を始めた矢先、元婚約者である王太子が何度も彼女のもとを訪れるようになり……?
「君なしでは眠れない」——そんな虫のいい言葉、今さら信じると思う?
ざまぁ×逆転劇×溺愛の王道を詰め込んだ、恋と因果のファンタジーロマンス。
久しぶりに会った婚約者は「明日、婚約破棄するから」と私に言った
五珠 izumi
恋愛
「明日、婚約破棄するから」
8年もの婚約者、マリス王子にそう言われた私は泣き出しそうになるのを堪えてその場を後にした。
不実なあなたに感謝を
黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。
※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。
※曖昧設定。
※一旦完結。
※性描写は匂わせ程度。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる