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第4話 崩れ落ちた誇り
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夜の帳が落ち、リヴィエール邸の灯りがほのかに瞬く中、クラリスはひとり自室の机に向かっていた。オルフェンが王都へ戻って二日が経つ。ほんの数日で、屋敷はさらに冷え込んだように感じる。使用人たちは表面上は変わらぬ態度で接してくれるが、彼女が近づくと避け目を逸らす。信頼の糸がゆっくりと解れていく音が、聞こえるようだった。
机の上には、広げられた手紙。王都から届いた知らせが、胸を締めつける。
――公爵令嬢リリアーヌ・フォルステイン、第一王子ユリウス殿下の正式な婚約者に任命。婚約披露舞踏会、十日後に開催予定。
クラリスは紙を握り締めた。フォルステイン。平民上がりの奨学生だったはずの彼女が、いつの間にか公爵家の養女となっている。偶然で済む話ではない。
「やはり、裏があるわね……」
小さな声が部屋の中に溶けた。
扉をノックする音がする。入ってきたのは執事シェイドだった。皺ひとつない黒の制服を着こなしながらも、その目には疲れと迷いが浮かんでいる。
「お嬢様。旦那様からの伝言を預かっています」
「……なんでしょう」
「明日より、伯爵家の資金運用を王都の監査官に委ねることが決まりました。王子殿下の勅命です」
「監査官、ですって?」
「はい。理由は“国庫への貢献体制の不備”とのこと。実質的には財政凍結に等しい措置です」
クラリスは立ち上がった。椅子の脚が床を鳴らす。
「つまり家の運営を取り上げるということ。それでは、私たちは……」
「領地を維持できませぬ」
シェイドの声が小さく震える。忠義深い執事が感情を滲ませるのは珍しい。
「お嬢様、このような状況では……旦那様が“君を学院に戻すことはできない”と。王子の逆鱗に触れれば、一族全てが――」
「いいの。分かっています」
クラリスは静かに彼を制した。
「もう十分苦しませてしまったわ。これ以上、私のせいで誰かが苦しむのは嫌」
「ですが……」
「大丈夫、シェイド。私はあなたの忠誠に救われています」
その声音は穏やかで、むしろ凜としていた。しかし、シェイドが出ていった後、クラリスは机に手を突き、息を殺した。
(ユリウス殿下、そこまでして私を地に落としたいの?)
誰もいない闇の部屋に、かすれた独白が響く。胸の奥に熱と冷たさが絡みつくように渦巻いた。怒りか、それとも悔しさか。
だが、次の瞬間、オルフェンの声が脳裏をかすめた。
――君が氷を打ち砕くときは必ず来る。今は息を潜めてくれ。
「……そうよ、今は耐えるしかない」
クラリスは深く息を吸い込んだ。窓の向こうの空は曇り、月も光を失っていた。
翌朝、噴水の止まった中庭を歩くと、低く侍女たちの囁きが聞こえた。
「お嬢様はもう終わりね」
「伯爵家は近く没落するって噂よ」
「それにしても、副団長様はどうしてあの方に肩入れを?」
氷のような声で囁かれるその言葉を、クラリスは無視した。何も言う必要はない。彼女たちも生きるために他人に背を向けるしかないのだ。
屋敷の正門に出ると、ちょうど一台の馬車が止まっていた。王都の徽章が刻まれた黒塗りの車体。嫌な予感が背筋を這い上がる。
降りてきたのは濃紺の上着を着た男――王城監査官フィルト。ユリウス派の有力貴族として知られる人物だ。
「これはこれは、リヴィエール令嬢。お元気そうで何よりですな」
薄笑いを浮かべるその顔に、クラリスはうっすらと笑みを返した。
「お久しぶりです、フィルト様。今日はご公務ですか?」
「ええ。王子殿下から直々の命を受けましてな。リヴィエール伯爵家の財政状況を確認に」
「父はお会いになっていますか?」
「いま書類を改めておられる。あなたには少し、お尋ねしたいことがある」
彼はわざとらしく周囲を見回し、侍女たちを下がらせた。
「率直に申しましょう。殿下はあなたを非常に危険視しておられる。婚約破棄を証明する文書を広めようとしている、との密告がありましてな」
「……濡れ衣です」
「そう主張しても構いませんが、殿下が信じられるのはリリアーヌ様のみ。もし潔白を証明したければ、王都へ来て殿下に直接謝罪なさるのが最善かと」
「謝罪?」
「ええ。“誤解を招く行動を取ったこと”を認め、すべてをリリアーヌ嬢に譲る。それが一番平和な解決だ」
その笑み。まるで毒を蜜で包んだような甘やかさだった。
クラリスの胸の奥で乾いた音がした。
「……人はずいぶん容易に正義を語りますのね」
「なんと?」
「都合のよい真実を信じたい人ほど、他人を裁く言葉を覚えるということですわ。私が謝罪する理由など、ひとつもありません」
フィルトの表情が一瞬だけ険しくなった。
「貴女がそう仰るなら仕方がありませんな。では、正式に勅命を伝えましょう――“クラリス=リヴィエール、王子殿下に対する非礼の罪により、王都近衛との接触を禁ず。違反した場合、領地没収”」
空気が凍りついた。
「……オルフェンとの接触を?」
「ええ。殿下は“貴女が副団長を誘惑した”とお考えだ。おかげで我々も頭が痛い」
そこまで言い残すと、フィルトは一礼もしないまま背を向けた。
クラリスは立ち尽くした。風が頬を打つ。体の中心から、何かが音を立てて崩れ落ちていくのを感じた。
(オルフェン様まで……巻き込んで)
それだけは、絶対に避けたかった。
その夜、寝室でクラリスは一通の手紙をしたためた。震える指で綴った言葉は短く簡潔だった。
――オルフェン様へ。もう私に関わらないでください。私は自分で立ちます。どうか、貴方まで失いたくありません。クラリス。
封をした瞬間、まるで心臓の一部を切り離したように痛んだ。だが、その痛みの奥に奇妙な静けさがあった。
(これでいい。私のせいで誰も傷つかないなら、それが一番)
翌朝、使用人に王都宛ての信書を託し、クラリスは庭に出た。薄氷を張った池に、沈む自分の顔が映る。唇の端に浮かぶ微笑には、痛みが滲んでいた。
けれど、その目の奥に宿る光は消えていなかった。どんな嵐にも折られない芯のようなものが、確かにそこにあった。
「この手で証を掴んでみせる。例え誰に笑われようと」
小さな誓いが、白い息と共に空へ溶けていく。
クラリスは再び屋敷の中へ戻った。
その背中を、遠くの木陰からひとりの影が見つめていることを、彼女は知らなかった。
フードを被ったその人物の目は、王都の夜よりも冷たく、しかしどこかに焦燥を宿していた――オルフェンだった。
封を持った騎士団の伝令から彼女の手紙を受け取ったあと、彼は迷わず駆けつけてきていた。
「……どうしてだ、クラリス」
呟く声が闇に消える。彼女を護るはずの自分が、逆に彼女を苦しめているのではないか。その思いが胸を締めつけた。
冷たい風が木々を揺らし、枯葉が舞う。
オルフェンの拳がゆっくりと握られる。
「殿下、貴方にこの非道を続けさせはしない」
静寂の中で、運命がわずかに軋んだ。
やがて、それは確かに転がり始める。
ざまあと救いの物語、その幕はまだ上がったばかりだ。
(続く)
机の上には、広げられた手紙。王都から届いた知らせが、胸を締めつける。
――公爵令嬢リリアーヌ・フォルステイン、第一王子ユリウス殿下の正式な婚約者に任命。婚約披露舞踏会、十日後に開催予定。
クラリスは紙を握り締めた。フォルステイン。平民上がりの奨学生だったはずの彼女が、いつの間にか公爵家の養女となっている。偶然で済む話ではない。
「やはり、裏があるわね……」
小さな声が部屋の中に溶けた。
扉をノックする音がする。入ってきたのは執事シェイドだった。皺ひとつない黒の制服を着こなしながらも、その目には疲れと迷いが浮かんでいる。
「お嬢様。旦那様からの伝言を預かっています」
「……なんでしょう」
「明日より、伯爵家の資金運用を王都の監査官に委ねることが決まりました。王子殿下の勅命です」
「監査官、ですって?」
「はい。理由は“国庫への貢献体制の不備”とのこと。実質的には財政凍結に等しい措置です」
クラリスは立ち上がった。椅子の脚が床を鳴らす。
「つまり家の運営を取り上げるということ。それでは、私たちは……」
「領地を維持できませぬ」
シェイドの声が小さく震える。忠義深い執事が感情を滲ませるのは珍しい。
「お嬢様、このような状況では……旦那様が“君を学院に戻すことはできない”と。王子の逆鱗に触れれば、一族全てが――」
「いいの。分かっています」
クラリスは静かに彼を制した。
「もう十分苦しませてしまったわ。これ以上、私のせいで誰かが苦しむのは嫌」
「ですが……」
「大丈夫、シェイド。私はあなたの忠誠に救われています」
その声音は穏やかで、むしろ凜としていた。しかし、シェイドが出ていった後、クラリスは机に手を突き、息を殺した。
(ユリウス殿下、そこまでして私を地に落としたいの?)
誰もいない闇の部屋に、かすれた独白が響く。胸の奥に熱と冷たさが絡みつくように渦巻いた。怒りか、それとも悔しさか。
だが、次の瞬間、オルフェンの声が脳裏をかすめた。
――君が氷を打ち砕くときは必ず来る。今は息を潜めてくれ。
「……そうよ、今は耐えるしかない」
クラリスは深く息を吸い込んだ。窓の向こうの空は曇り、月も光を失っていた。
翌朝、噴水の止まった中庭を歩くと、低く侍女たちの囁きが聞こえた。
「お嬢様はもう終わりね」
「伯爵家は近く没落するって噂よ」
「それにしても、副団長様はどうしてあの方に肩入れを?」
氷のような声で囁かれるその言葉を、クラリスは無視した。何も言う必要はない。彼女たちも生きるために他人に背を向けるしかないのだ。
屋敷の正門に出ると、ちょうど一台の馬車が止まっていた。王都の徽章が刻まれた黒塗りの車体。嫌な予感が背筋を這い上がる。
降りてきたのは濃紺の上着を着た男――王城監査官フィルト。ユリウス派の有力貴族として知られる人物だ。
「これはこれは、リヴィエール令嬢。お元気そうで何よりですな」
薄笑いを浮かべるその顔に、クラリスはうっすらと笑みを返した。
「お久しぶりです、フィルト様。今日はご公務ですか?」
「ええ。王子殿下から直々の命を受けましてな。リヴィエール伯爵家の財政状況を確認に」
「父はお会いになっていますか?」
「いま書類を改めておられる。あなたには少し、お尋ねしたいことがある」
彼はわざとらしく周囲を見回し、侍女たちを下がらせた。
「率直に申しましょう。殿下はあなたを非常に危険視しておられる。婚約破棄を証明する文書を広めようとしている、との密告がありましてな」
「……濡れ衣です」
「そう主張しても構いませんが、殿下が信じられるのはリリアーヌ様のみ。もし潔白を証明したければ、王都へ来て殿下に直接謝罪なさるのが最善かと」
「謝罪?」
「ええ。“誤解を招く行動を取ったこと”を認め、すべてをリリアーヌ嬢に譲る。それが一番平和な解決だ」
その笑み。まるで毒を蜜で包んだような甘やかさだった。
クラリスの胸の奥で乾いた音がした。
「……人はずいぶん容易に正義を語りますのね」
「なんと?」
「都合のよい真実を信じたい人ほど、他人を裁く言葉を覚えるということですわ。私が謝罪する理由など、ひとつもありません」
フィルトの表情が一瞬だけ険しくなった。
「貴女がそう仰るなら仕方がありませんな。では、正式に勅命を伝えましょう――“クラリス=リヴィエール、王子殿下に対する非礼の罪により、王都近衛との接触を禁ず。違反した場合、領地没収”」
空気が凍りついた。
「……オルフェンとの接触を?」
「ええ。殿下は“貴女が副団長を誘惑した”とお考えだ。おかげで我々も頭が痛い」
そこまで言い残すと、フィルトは一礼もしないまま背を向けた。
クラリスは立ち尽くした。風が頬を打つ。体の中心から、何かが音を立てて崩れ落ちていくのを感じた。
(オルフェン様まで……巻き込んで)
それだけは、絶対に避けたかった。
その夜、寝室でクラリスは一通の手紙をしたためた。震える指で綴った言葉は短く簡潔だった。
――オルフェン様へ。もう私に関わらないでください。私は自分で立ちます。どうか、貴方まで失いたくありません。クラリス。
封をした瞬間、まるで心臓の一部を切り離したように痛んだ。だが、その痛みの奥に奇妙な静けさがあった。
(これでいい。私のせいで誰も傷つかないなら、それが一番)
翌朝、使用人に王都宛ての信書を託し、クラリスは庭に出た。薄氷を張った池に、沈む自分の顔が映る。唇の端に浮かぶ微笑には、痛みが滲んでいた。
けれど、その目の奥に宿る光は消えていなかった。どんな嵐にも折られない芯のようなものが、確かにそこにあった。
「この手で証を掴んでみせる。例え誰に笑われようと」
小さな誓いが、白い息と共に空へ溶けていく。
クラリスは再び屋敷の中へ戻った。
その背中を、遠くの木陰からひとりの影が見つめていることを、彼女は知らなかった。
フードを被ったその人物の目は、王都の夜よりも冷たく、しかしどこかに焦燥を宿していた――オルフェンだった。
封を持った騎士団の伝令から彼女の手紙を受け取ったあと、彼は迷わず駆けつけてきていた。
「……どうしてだ、クラリス」
呟く声が闇に消える。彼女を護るはずの自分が、逆に彼女を苦しめているのではないか。その思いが胸を締めつけた。
冷たい風が木々を揺らし、枯葉が舞う。
オルフェンの拳がゆっくりと握られる。
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