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第8話 元婚約者の動揺
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王城の塔には夜明け前にもかかわらず灯がともっていた。宮廷魔術院の館、そこに一室を与えられたユリウス王子は不眠の夜を過ごしていた。窓辺に立ち、薄い夜霧に煙る王都の街並みを見下ろしている。
煌びやかな王宮の一角に似つかわしくない静寂。その目の下には薄く影が落ちていた。
机の上には書簡が一枚――“リヴィエール伯爵家の管理権を凍結”の報告書だ。ユリウスは指先でそれを押さえ、無言で視線を落とした。
「クラリス……なぜだ。なぜあの時、涙ひとつ見せなかった」
声は掠れていた。自分があの場で彼女を突き放した姿が、何度も脳裏によみがえる。彼女の沈黙、微笑、そして周囲の嘲笑に包まれながらも崩れなかったあの背筋。王族としての誇りを示しているはずの自分が、なぜか負けたような錯覚に苛まれていた。
扉がノックされ、宮廷服を着た文官が現れた。
「殿下、フォルステイン公爵令嬢がお見えです」
「入れ」
扉が静かに開き、白いドレスに身を包んだリリアーヌが入室した。彼女は優雅な礼を取り、微笑を浮かべる。
「お加減がお悪いのではありませんか? 最近、お疲れのご様子」
「問題ない。少し考え事をしていただけだ」
「また、あの令嬢のことですか?」
ユリウスの眉が僅かに動いた。「誰のことだ」
「クラリス=リヴィエール様。昨日もそのお名前を寝言で呼ばれていました」
「……寝言、など」
「わたくし、少々怖いのですわ。あの方が殿下を責めて戻ってくるのではないかと」
その声は震えていたが、瞳の奥に冷たい光が宿っていた。ユリウスは視線を逸らし、窓の外を見た。
「もう終わったことだ。彼女は領地に帰った」
「そうでしょうか?」リリアーヌは近づき、小さく手を差し伸べる。「わたくし、最近奇妙な夢を見るのです。鏡の中に彼女がいて、殿下の背後に立っている夢……。そのたびに、胸が締めつけられるように痛くて」
「迷信を信じる性質ではなかったはずだ」
「ですが、殿下を失うことを思うと……狂いそうになります」
そう言いながら、彼女はそっとユリウスの肩に手を置いた。滑らかな指先が、まるで魔術のように熱を帯びて伝わってくる。
「どんなに遠くにいても、わたくしのそばを離れないでくださいね」
その瞬間、一陣の風が吹き抜け、部屋の炎が揺らいだ。ユリウスの視界がぼやけ、意識の奥に微かな歪みが広がる。頭の奥に直接響くような声が聞こえた。
――彼女は悪。忘れよ。お前を裏切った。
短い言葉。だが、まるで自分の意思のように自然に入り込む。彼は無意識に頷いた。
「……ああ。もう過去には囚われない」
「ええ、殿下」
リリアーヌはその耳元に唇を寄せ、囁いた。
「そのお言葉を、心に刻んでください」
ユリウスの胸の氷が砕けていくような感覚。しかしそれは快楽にも似た錯覚だった。知らぬ間に、彼の周囲に淡い紫の光が浮かびあがる。精神魔術。支配の印。
リリアーヌはにこやかに微笑み、そっと一歩退いた。
「そろそろお休みくださいませ、殿下。明日は新たな外交会議が入っております」
「そうだな……下がれ」
彼女が出て行くと、部屋には再び静寂が戻る。しかしその静寂の奥で、ユリウスの両手がじっと震えていた。
「なぜ……なぜこんなにも頭が霞む」
鏡に映る自分の瞳。それはかつての王子のものではなく、薄紫に染まった異質な輝きを宿していた。
***
午前。フォルステイン公爵家の馬車が王城を離れ、静かな通りを走る中、リリアーヌはひとり笑みを深めていた。
「これでまた一歩前進ね。あの令嬢、まさか生きているとは思わなかったけれど……」
隣に座る男が小声で応える。「報告によれば、リヴィエール嬢は王都を出る途中で騎士団副団長オルフェン殿と行動を共にしています」
「……オルフェン?」
「はい。殿下の側近の中でももっとも厄介な方。彼が味方につくと少々面倒になります」
「なるほど」
リリアーヌの目がわずかに細められた。「ならば早めに“仕掛け”ておかないと」
「次の舞踏会が十日後。あの女が現れるとしたら、それまでに証拠を消す必要がありますわ。例の魔術士は?」
「予定通り準備中です。精神支配ではなく、今度は“記憶改竄”の呪文を」
「完璧ね。もう誰もクラリスの名を語れなくなる」
リリアーヌは窓を開け、風を受けながら薄く笑った。太陽の光が白い髪を照らし、その笑みの輪郭に毒のような美しさが宿る。
***
その頃、王都北端の騎士邸では、オルフェンが一通の密書を読み終え、険しい表情で机を叩いていた。
「……殿下の精神波が乱れている。やはりリリアーヌの魔力干渉だ」
クラリスが息をのむ。「つまり彼は、完全に操られているということですか?」
「まだ完全ではない。だが時間の問題だ」
オルフェンは窓辺に立ち、夜明けの光を睨んだ。
「リリアーヌ嬢の件、ただの権力欲ではない。背後に“外の魔術師”がいる。南方の教団かもしれん」
「教団……」クラリスは息を呑んだ。「あの禁呪を使う集団ですか」
「そうだ。王国を支配する力を“愛”に偽装する、古い異端の連中だ。かつて俺の部下も一人、奴らに取り込まれたことがある」
オルフェンの声が低く暗く落ちる。クラリスはその横顔を見つめた。強く張られた顎の曲線、剣のような視線の先にある怒りと痛み。そのすべてが、彼がただの騎士ではないことを思い知らせた。
「つまりこの国の内部だけでなく、外部からも手が伸びているのですね」
「そうだ。王国を守るためなら、もはや私的感情など無意味だと思っていたが……」
オルフェンは唇をかすかに歪めた。「君に出会ってから、そう単純でもなくなった」
クラリスはその言葉に心を大きく揺さぶられ、視線を床に落とした。何かを答えたかったが、言葉が出てこなかった。ただ胸の奥で、雪解けのような痛みが広がっていく。
「殿下を救うためには、直接会って確かめるしかない」オルフェンが言う。「危険を承知で王城に戻る」
「それなら、私もご一緒します」
「駄目だ。君を外では守りきれない」
「守られるばかりでは、あの日の屈辱を乗り越えられませんわ」
その確固とした声に、オルフェンは沈黙した。やがて深く息を吐き出す。
「……分かった。だが俺の指示には必ず従え。少しでも危険だと感じたら退け」
「約束いたします」
クラリスは強くうなずいた。
その夜、二人は計画を練り始めた。王城の内部構造、魔術警護の配置、そしてリリアーヌが出入りする時間。そのすべてを静かに紙に書き出していく。
夜更けまで続く灯の下、二人の影が交わり、揺れ、そしてひとつの決意に結ばれていった。
――次に王座の前に立つとき、真実は暴かれる。
それがどれほどの苦痛と危険を伴おうとも。
(続く)
煌びやかな王宮の一角に似つかわしくない静寂。その目の下には薄く影が落ちていた。
机の上には書簡が一枚――“リヴィエール伯爵家の管理権を凍結”の報告書だ。ユリウスは指先でそれを押さえ、無言で視線を落とした。
「クラリス……なぜだ。なぜあの時、涙ひとつ見せなかった」
声は掠れていた。自分があの場で彼女を突き放した姿が、何度も脳裏によみがえる。彼女の沈黙、微笑、そして周囲の嘲笑に包まれながらも崩れなかったあの背筋。王族としての誇りを示しているはずの自分が、なぜか負けたような錯覚に苛まれていた。
扉がノックされ、宮廷服を着た文官が現れた。
「殿下、フォルステイン公爵令嬢がお見えです」
「入れ」
扉が静かに開き、白いドレスに身を包んだリリアーヌが入室した。彼女は優雅な礼を取り、微笑を浮かべる。
「お加減がお悪いのではありませんか? 最近、お疲れのご様子」
「問題ない。少し考え事をしていただけだ」
「また、あの令嬢のことですか?」
ユリウスの眉が僅かに動いた。「誰のことだ」
「クラリス=リヴィエール様。昨日もそのお名前を寝言で呼ばれていました」
「……寝言、など」
「わたくし、少々怖いのですわ。あの方が殿下を責めて戻ってくるのではないかと」
その声は震えていたが、瞳の奥に冷たい光が宿っていた。ユリウスは視線を逸らし、窓の外を見た。
「もう終わったことだ。彼女は領地に帰った」
「そうでしょうか?」リリアーヌは近づき、小さく手を差し伸べる。「わたくし、最近奇妙な夢を見るのです。鏡の中に彼女がいて、殿下の背後に立っている夢……。そのたびに、胸が締めつけられるように痛くて」
「迷信を信じる性質ではなかったはずだ」
「ですが、殿下を失うことを思うと……狂いそうになります」
そう言いながら、彼女はそっとユリウスの肩に手を置いた。滑らかな指先が、まるで魔術のように熱を帯びて伝わってくる。
「どんなに遠くにいても、わたくしのそばを離れないでくださいね」
その瞬間、一陣の風が吹き抜け、部屋の炎が揺らいだ。ユリウスの視界がぼやけ、意識の奥に微かな歪みが広がる。頭の奥に直接響くような声が聞こえた。
――彼女は悪。忘れよ。お前を裏切った。
短い言葉。だが、まるで自分の意思のように自然に入り込む。彼は無意識に頷いた。
「……ああ。もう過去には囚われない」
「ええ、殿下」
リリアーヌはその耳元に唇を寄せ、囁いた。
「そのお言葉を、心に刻んでください」
ユリウスの胸の氷が砕けていくような感覚。しかしそれは快楽にも似た錯覚だった。知らぬ間に、彼の周囲に淡い紫の光が浮かびあがる。精神魔術。支配の印。
リリアーヌはにこやかに微笑み、そっと一歩退いた。
「そろそろお休みくださいませ、殿下。明日は新たな外交会議が入っております」
「そうだな……下がれ」
彼女が出て行くと、部屋には再び静寂が戻る。しかしその静寂の奥で、ユリウスの両手がじっと震えていた。
「なぜ……なぜこんなにも頭が霞む」
鏡に映る自分の瞳。それはかつての王子のものではなく、薄紫に染まった異質な輝きを宿していた。
***
午前。フォルステイン公爵家の馬車が王城を離れ、静かな通りを走る中、リリアーヌはひとり笑みを深めていた。
「これでまた一歩前進ね。あの令嬢、まさか生きているとは思わなかったけれど……」
隣に座る男が小声で応える。「報告によれば、リヴィエール嬢は王都を出る途中で騎士団副団長オルフェン殿と行動を共にしています」
「……オルフェン?」
「はい。殿下の側近の中でももっとも厄介な方。彼が味方につくと少々面倒になります」
「なるほど」
リリアーヌの目がわずかに細められた。「ならば早めに“仕掛け”ておかないと」
「次の舞踏会が十日後。あの女が現れるとしたら、それまでに証拠を消す必要がありますわ。例の魔術士は?」
「予定通り準備中です。精神支配ではなく、今度は“記憶改竄”の呪文を」
「完璧ね。もう誰もクラリスの名を語れなくなる」
リリアーヌは窓を開け、風を受けながら薄く笑った。太陽の光が白い髪を照らし、その笑みの輪郭に毒のような美しさが宿る。
***
その頃、王都北端の騎士邸では、オルフェンが一通の密書を読み終え、険しい表情で机を叩いていた。
「……殿下の精神波が乱れている。やはりリリアーヌの魔力干渉だ」
クラリスが息をのむ。「つまり彼は、完全に操られているということですか?」
「まだ完全ではない。だが時間の問題だ」
オルフェンは窓辺に立ち、夜明けの光を睨んだ。
「リリアーヌ嬢の件、ただの権力欲ではない。背後に“外の魔術師”がいる。南方の教団かもしれん」
「教団……」クラリスは息を呑んだ。「あの禁呪を使う集団ですか」
「そうだ。王国を支配する力を“愛”に偽装する、古い異端の連中だ。かつて俺の部下も一人、奴らに取り込まれたことがある」
オルフェンの声が低く暗く落ちる。クラリスはその横顔を見つめた。強く張られた顎の曲線、剣のような視線の先にある怒りと痛み。そのすべてが、彼がただの騎士ではないことを思い知らせた。
「つまりこの国の内部だけでなく、外部からも手が伸びているのですね」
「そうだ。王国を守るためなら、もはや私的感情など無意味だと思っていたが……」
オルフェンは唇をかすかに歪めた。「君に出会ってから、そう単純でもなくなった」
クラリスはその言葉に心を大きく揺さぶられ、視線を床に落とした。何かを答えたかったが、言葉が出てこなかった。ただ胸の奥で、雪解けのような痛みが広がっていく。
「殿下を救うためには、直接会って確かめるしかない」オルフェンが言う。「危険を承知で王城に戻る」
「それなら、私もご一緒します」
「駄目だ。君を外では守りきれない」
「守られるばかりでは、あの日の屈辱を乗り越えられませんわ」
その確固とした声に、オルフェンは沈黙した。やがて深く息を吐き出す。
「……分かった。だが俺の指示には必ず従え。少しでも危険だと感じたら退け」
「約束いたします」
クラリスは強くうなずいた。
その夜、二人は計画を練り始めた。王城の内部構造、魔術警護の配置、そしてリリアーヌが出入りする時間。そのすべてを静かに紙に書き出していく。
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