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2章
113 思惑と結末と④
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「中々面白い考察だった」
ここまで無言で話を聞いてた国王が徐に手を打った。
「…長々と失礼を致しました」
アリシアが頭を下げる。
「いや、良い。面白かったと言っただろう。そしてそなたは随分とすっきりした顔をしているな」
国王の言葉にアリシアは微笑む。
言われた通り、アリシアの気持ちは晴れている。
「はい、陛下。私はこれまで、ずっと恐れているものがありました。ですが、それが偽りであったとわかりました」
レイヴンの肩がびくりと動く。
アリシアはこれまで、デミオンはアンジュを愛していると思っていた。
愛を得られなかったサンドラが不幸になったのだと思っていた。
だけどそれは違っていた。
デミオンが愛しているのは自分だけだ。
そしてアンジュも幸せではなかった。
自分だけを愛しているデミオンが、サンドラとアンジュを不幸にしたのだ。
レイヴンは違う。
アリシアを本当に愛してくれている。
その気持ちがいつまでアリシアへ向いているかはわからないけれど、側妃へ気持ちが動いたとしてもレイヴンがどちらも不幸にするようなことはしないだろう。
そう思ったらとても気持ちが楽になった。
そしてアリシアも、この人を愛しても良いのかもしれないと思えたのだ。
アリシアもレイヴンも未来の気持ちはわからない。
それは2人だけのことではなく、誰でも同じことだ。
わからないなりに皆、関係を結んでいる。
―ー側妃への嫉妬に狂う未来が待っているかもしれないけれど。
レイヴンへ視線を移すと、レイヴンもこちらを見ていた。
しっかりと見つめ合う。
レイヴンの目にはやはり恐れが見える。
だけどアリシアがレイヴンを嫌うようなことはない。
そんな気持ちを込めて微笑むと、つられた様にレイヴンも微笑んだ。
これまではレイヴンだけが関係を変えたいと藻掻いていた。
これからは2人で新しい関係を作っていけばいい。
「王太子妃よ。そなたからの話はもういいか?」
「はい。陛下」
国王に問われてアリシアが頷くと、国王がより明朗な声で告げた。
「これですべての処罰を終えた。侯爵夫妻は考えうる限り最大の罰を受けたようだな。これからの人生、共に末永く暮らすがいい」
サンドラを想っていた国王にも2人に対して思うところがあった。
自分の想いがサンドラの人生を変えたという負い目もある。
長く生きて、長く苦しめ。
国王の言葉にはそんな気持ちが透けて見えた。
この2人はこれからどんな関係になっていくのだろうか。
だがその前に、アンジュには鞭打ち刑が待っている。
国王が手を動かして合図をしたことで、衛兵がアンジュを引きずっていく。
「ア、アンジュっ!!」
デミオンが焦った声で呼んでいるが、止めることはできない。
盛大な悲鳴と金切り声を上げながら、アンジュが扉の向こうに消えた。
「アンジュ、アンジュ…」
デミオンがその場で頽れる。
この男の行動が少しでも違っていれば、防げた事態かもしれなかった。
茫然自失となり立ち上がれないデミオンを、国王の命を受けた衛兵が謁見の間から引きずり出してしまう。
「お父様、お母様…」
エミリーが小さな声で呟くが、エミリーのこれからの生活も決して楽なものではない。
「退室せよ」
国王の言葉にカルヴィエ伯爵夫妻とジョッシュが頭を下げる。
エミリーも慌てて頭を下げた。
一同は静かに退室していった。
ここまで無言で話を聞いてた国王が徐に手を打った。
「…長々と失礼を致しました」
アリシアが頭を下げる。
「いや、良い。面白かったと言っただろう。そしてそなたは随分とすっきりした顔をしているな」
国王の言葉にアリシアは微笑む。
言われた通り、アリシアの気持ちは晴れている。
「はい、陛下。私はこれまで、ずっと恐れているものがありました。ですが、それが偽りであったとわかりました」
レイヴンの肩がびくりと動く。
アリシアはこれまで、デミオンはアンジュを愛していると思っていた。
愛を得られなかったサンドラが不幸になったのだと思っていた。
だけどそれは違っていた。
デミオンが愛しているのは自分だけだ。
そしてアンジュも幸せではなかった。
自分だけを愛しているデミオンが、サンドラとアンジュを不幸にしたのだ。
レイヴンは違う。
アリシアを本当に愛してくれている。
その気持ちがいつまでアリシアへ向いているかはわからないけれど、側妃へ気持ちが動いたとしてもレイヴンがどちらも不幸にするようなことはしないだろう。
そう思ったらとても気持ちが楽になった。
そしてアリシアも、この人を愛しても良いのかもしれないと思えたのだ。
アリシアもレイヴンも未来の気持ちはわからない。
それは2人だけのことではなく、誰でも同じことだ。
わからないなりに皆、関係を結んでいる。
―ー側妃への嫉妬に狂う未来が待っているかもしれないけれど。
レイヴンへ視線を移すと、レイヴンもこちらを見ていた。
しっかりと見つめ合う。
レイヴンの目にはやはり恐れが見える。
だけどアリシアがレイヴンを嫌うようなことはない。
そんな気持ちを込めて微笑むと、つられた様にレイヴンも微笑んだ。
これまではレイヴンだけが関係を変えたいと藻掻いていた。
これからは2人で新しい関係を作っていけばいい。
「王太子妃よ。そなたからの話はもういいか?」
「はい。陛下」
国王に問われてアリシアが頷くと、国王がより明朗な声で告げた。
「これですべての処罰を終えた。侯爵夫妻は考えうる限り最大の罰を受けたようだな。これからの人生、共に末永く暮らすがいい」
サンドラを想っていた国王にも2人に対して思うところがあった。
自分の想いがサンドラの人生を変えたという負い目もある。
長く生きて、長く苦しめ。
国王の言葉にはそんな気持ちが透けて見えた。
この2人はこれからどんな関係になっていくのだろうか。
だがその前に、アンジュには鞭打ち刑が待っている。
国王が手を動かして合図をしたことで、衛兵がアンジュを引きずっていく。
「ア、アンジュっ!!」
デミオンが焦った声で呼んでいるが、止めることはできない。
盛大な悲鳴と金切り声を上げながら、アンジュが扉の向こうに消えた。
「アンジュ、アンジュ…」
デミオンがその場で頽れる。
この男の行動が少しでも違っていれば、防げた事態かもしれなかった。
茫然自失となり立ち上がれないデミオンを、国王の命を受けた衛兵が謁見の間から引きずり出してしまう。
「お父様、お母様…」
エミリーが小さな声で呟くが、エミリーのこれからの生活も決して楽なものではない。
「退室せよ」
国王の言葉にカルヴィエ伯爵夫妻とジョッシュが頭を下げる。
エミリーも慌てて頭を下げた。
一同は静かに退室していった。
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