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3章
47 突然の訪問者①
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夕食はアリシアの部屋 でで摂った。
アリシアと1日、ほとんど2人きりになれないレイヴンが、せめて夕食は2人だけで食べたいと言ったからだ。
部屋で食べる夕食は簡単なものなので侍女もすべて下がらせる。
それに食堂で出されるフルコースの食事とは違ってすべて一度にテーブルへ乗せられるので、短時間で食べ終えることができる。
食事を終えた後、レイヴンはアリシアを膝に乗せて幸せな時間を堪能していた。
話題になっているのはノティスとジェーンのことだ。
アリシアは、ジェーンとのお茶会にノティスが参加することを許可して欲しいと言っていたが、元々ジェーンとノティスの婚約を薦めたのはレイヴンである。2人が交流を持つことに反対する理由がない。
ただレイヴンは、アリシアが定期的に他の男と過ごすことになるのが気に入らないだけだ。
「…レイヴン様の弟君ですよ?」
アリシアは困ったようにそう言うが、弟でも男である。
やっぱり気に入らない。
アリシアに不機嫌な顔を見せたくないレイヴンは顔を背けるが、間近でレイヴンを見上げているアリシアから隠せるはずがなかった。
「困った方ですね」
苦笑しながらレイヴンの頭へ手をまわしたアリシアがそっと撫でる。
「…っ!」
普段アリシアから触れてくれることはほとんどない。
だけど偶にこうして甘やかそうとしてくれる。
今日一緒に過ごせなかったことをアリシアも淋しく思ってくれているのかな、と思うと、レイヴンの胸に暖かいものが込み上げてくる。
「好きだよ、アリシア」
込み上げる感情のまま告げると、アリシアは花が綻ぶように笑ってくれた。
そうしていても、アリシアには気掛かりなことがある。
ノティスやジェーンには話したことだが、このまま2人が婚約した時にそれを邪推する者がいることだ。
『王太子がジェーンを公妾とする為に、後ろ盾が無く立場の弱い異母弟に夫の座を押し付けた』
こうした噂がまた流れるのだろう。
アリシアがその話をすると、レイヴンは泣きそうな顔になった。
「事実ではないのですから、私は気にしません。ジェーンも気にしないでしょう。ですがノティス殿下はどうでしょうか。殿下は人の悪意に敏感になっておられますから、気にしないのは難しいでしょうね」
ノティスにはおかしな噂は笑って受け流すようにと教えたが、今のノティスには難しいと思う。
そしてレイヴンも気にするのだろう。
最近の噂でも、気に病んでいるのはアリシアではなくレイヴンだ。度々今みたいな泣きそうな顔をしている時がある。
「レイヴン様は今も色々気にされているようですけれど、気になさらなくてよろしいのですよ?私たちの周りにはそんな噂を信じる者などおりませんもの」
アリシアはレイヴンへそう言い聞かせながら、頭へまわしていた手を滑らせてレイヴンの頬に触れる。
レイヴンがその手に手を重ねて握りこんだ。
「愛している、アリシア。僕がこんな風に過ごしたいと思うのは君だけだよ」
近づいた唇が唇にそっと触れた、その時。
小さく扉を叩く音がして、扉が開いた。
「失礼致します、妃殿下。お客様がいらっ…あっ!」
「失礼致しますわ、お義姉様。…え?」
来客を先導して入室したエレノアが、「しまった」という顔で硬直していた。
続いて入ってきたカナリーも、信じられないものを見たという顔で固まっている。
反射的に顔を上げたレイヴンとアリシアも、同時に扉の方へ顔を向けていた。
「カナリー?!」
「カナリー殿下?!」
部屋の入り口では状況を理解したカナリーが顔を赤く染めている。
その姿を見たアリシアもまた、サッと顔色を変えていた。
アリシアと1日、ほとんど2人きりになれないレイヴンが、せめて夕食は2人だけで食べたいと言ったからだ。
部屋で食べる夕食は簡単なものなので侍女もすべて下がらせる。
それに食堂で出されるフルコースの食事とは違ってすべて一度にテーブルへ乗せられるので、短時間で食べ終えることができる。
食事を終えた後、レイヴンはアリシアを膝に乗せて幸せな時間を堪能していた。
話題になっているのはノティスとジェーンのことだ。
アリシアは、ジェーンとのお茶会にノティスが参加することを許可して欲しいと言っていたが、元々ジェーンとノティスの婚約を薦めたのはレイヴンである。2人が交流を持つことに反対する理由がない。
ただレイヴンは、アリシアが定期的に他の男と過ごすことになるのが気に入らないだけだ。
「…レイヴン様の弟君ですよ?」
アリシアは困ったようにそう言うが、弟でも男である。
やっぱり気に入らない。
アリシアに不機嫌な顔を見せたくないレイヴンは顔を背けるが、間近でレイヴンを見上げているアリシアから隠せるはずがなかった。
「困った方ですね」
苦笑しながらレイヴンの頭へ手をまわしたアリシアがそっと撫でる。
「…っ!」
普段アリシアから触れてくれることはほとんどない。
だけど偶にこうして甘やかそうとしてくれる。
今日一緒に過ごせなかったことをアリシアも淋しく思ってくれているのかな、と思うと、レイヴンの胸に暖かいものが込み上げてくる。
「好きだよ、アリシア」
込み上げる感情のまま告げると、アリシアは花が綻ぶように笑ってくれた。
そうしていても、アリシアには気掛かりなことがある。
ノティスやジェーンには話したことだが、このまま2人が婚約した時にそれを邪推する者がいることだ。
『王太子がジェーンを公妾とする為に、後ろ盾が無く立場の弱い異母弟に夫の座を押し付けた』
こうした噂がまた流れるのだろう。
アリシアがその話をすると、レイヴンは泣きそうな顔になった。
「事実ではないのですから、私は気にしません。ジェーンも気にしないでしょう。ですがノティス殿下はどうでしょうか。殿下は人の悪意に敏感になっておられますから、気にしないのは難しいでしょうね」
ノティスにはおかしな噂は笑って受け流すようにと教えたが、今のノティスには難しいと思う。
そしてレイヴンも気にするのだろう。
最近の噂でも、気に病んでいるのはアリシアではなくレイヴンだ。度々今みたいな泣きそうな顔をしている時がある。
「レイヴン様は今も色々気にされているようですけれど、気になさらなくてよろしいのですよ?私たちの周りにはそんな噂を信じる者などおりませんもの」
アリシアはレイヴンへそう言い聞かせながら、頭へまわしていた手を滑らせてレイヴンの頬に触れる。
レイヴンがその手に手を重ねて握りこんだ。
「愛している、アリシア。僕がこんな風に過ごしたいと思うのは君だけだよ」
近づいた唇が唇にそっと触れた、その時。
小さく扉を叩く音がして、扉が開いた。
「失礼致します、妃殿下。お客様がいらっ…あっ!」
「失礼致しますわ、お義姉様。…え?」
来客を先導して入室したエレノアが、「しまった」という顔で硬直していた。
続いて入ってきたカナリーも、信じられないものを見たという顔で固まっている。
反射的に顔を上げたレイヴンとアリシアも、同時に扉の方へ顔を向けていた。
「カナリー?!」
「カナリー殿下?!」
部屋の入り口では状況を理解したカナリーが顔を赤く染めている。
その姿を見たアリシアもまた、サッと顔色を変えていた。
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