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第2部 4章
3 妬心②
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「人を妬んだり羨んだりする気持ちは誰にもあるよ。その気持ちとどう向き合うか、折り合いをつけるのかが大事なんだと思う」
「わたしもそう思います。…わたしにも、人を妬む気持ちがないわけではありませんから」
レオナルドの言葉にロバートが頷いた。
2人は詳しいことを言わないが、レオナルドが妬んでいたのはロバートだろう。
レオナルドは幼い頃から優秀だと言われているが、それでもロバートには及ばない。年が近く、身近に育ってきただけに相手の力量はよくわかる。
公爵家の生まれと、ロバートが王宮や社交界から距離を置いたことでレオナルドが次期宰相の有力候補と言われているが、もしロバートが王宮での役職に野心を見せていれば大きな障害になっていたのは間違いない。
そしれロバートが妬んでいたのはレオナルドだろう。
ロバートがどれほど優秀だと言われていても、レイヴンの学友として選ばれたのはレオナルドだった。
自分より力量の劣る相手が、王太子の側近として認められている。
自分が公爵家の生まれなら。
せめて嫡男なら。
そんな気持ちが全くなかったわけではないのだ。
だけど2人がそんな気持ちを見せたことはない。
これまでの思い出や友情、そして愛情で妬心をうまく抑え込んだのだ。
「――わたしもそう思います。これからもロバートを妬ましく思うことはあるでしょう。ですが昨日のジェーンを思い出せば、乗り越えられると思います」
そう言って微笑むルーファスの手をサラが握った。
婚約者の時代からサラはルーファスの苦悩を身近で見ていた。社交界の声や世間の評価に抗おうと努めるルーファスの、その必死な姿に心を痛めていた。
ルーファスはそんなサラの手を握り返し、目を見合わせて微笑んだ。
そんな2人の姿に誰もがホッとしていた。
「これからは社交界にも顔を出そうと思います。思えば人脈作りを随分と疎かにしていました。今は父上や母上がいるので上手くいっていますが、このままお2人がいなくなってしまえば有事の際に伯爵家に手を差し伸べてくれる家も無くなってしまうでしょう。それに気がつけたのも大きなことです。…もし、殿下がわたしを招待して下さらなかったら、わたしは今も領地で怯えながら1人で殻に籠っていたことでしょう。全ては殿下のおかげです。ありがとうございました」
ルーファスが頭を下げる。
その表情は晴れ晴れとしていた。
ルーファスが言っていた通り、きっとこれからもロバートと比べられることはある。
妬心を抱くことも、焦燥に駆られることもあるだろう。
だけどもうルーファスは大丈夫だと思う。
傍にはサラもいる。
「…僕はルーファス殿と話してみたいと思っていただけで、礼を言われるようなことはしていませんよ」
そう言ってレイヴンは柔らかく微笑む。
レイヴンもアリシアの手を握っていた。
あまり社交界に顔を出さないルーファスやサラも、レイヴンとアリシアが冷めた関係だと言われているのは知っている。だけど昨日舞踏会で聞いた噂では、2人の関係も変わってきたようだ。
その様子を目の当たりにしたルーファスとサラは自然と笑みを浮かべていた。
そんな中でただ1人、ライアンだけが笑顔の奥で鋭い視線をレイヴンへ向けていた。
「わたしもそう思います。…わたしにも、人を妬む気持ちがないわけではありませんから」
レオナルドの言葉にロバートが頷いた。
2人は詳しいことを言わないが、レオナルドが妬んでいたのはロバートだろう。
レオナルドは幼い頃から優秀だと言われているが、それでもロバートには及ばない。年が近く、身近に育ってきただけに相手の力量はよくわかる。
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そんな気持ちが全くなかったわけではないのだ。
だけど2人がそんな気持ちを見せたことはない。
これまでの思い出や友情、そして愛情で妬心をうまく抑え込んだのだ。
「――わたしもそう思います。これからもロバートを妬ましく思うことはあるでしょう。ですが昨日のジェーンを思い出せば、乗り越えられると思います」
そう言って微笑むルーファスの手をサラが握った。
婚約者の時代からサラはルーファスの苦悩を身近で見ていた。社交界の声や世間の評価に抗おうと努めるルーファスの、その必死な姿に心を痛めていた。
ルーファスはそんなサラの手を握り返し、目を見合わせて微笑んだ。
そんな2人の姿に誰もがホッとしていた。
「これからは社交界にも顔を出そうと思います。思えば人脈作りを随分と疎かにしていました。今は父上や母上がいるので上手くいっていますが、このままお2人がいなくなってしまえば有事の際に伯爵家に手を差し伸べてくれる家も無くなってしまうでしょう。それに気がつけたのも大きなことです。…もし、殿下がわたしを招待して下さらなかったら、わたしは今も領地で怯えながら1人で殻に籠っていたことでしょう。全ては殿下のおかげです。ありがとうございました」
ルーファスが頭を下げる。
その表情は晴れ晴れとしていた。
ルーファスが言っていた通り、きっとこれからもロバートと比べられることはある。
妬心を抱くことも、焦燥に駆られることもあるだろう。
だけどもうルーファスは大丈夫だと思う。
傍にはサラもいる。
「…僕はルーファス殿と話してみたいと思っていただけで、礼を言われるようなことはしていませんよ」
そう言ってレイヴンは柔らかく微笑む。
レイヴンもアリシアの手を握っていた。
あまり社交界に顔を出さないルーファスやサラも、レイヴンとアリシアが冷めた関係だと言われているのは知っている。だけど昨日舞踏会で聞いた噂では、2人の関係も変わってきたようだ。
その様子を目の当たりにしたルーファスとサラは自然と笑みを浮かべていた。
そんな中でただ1人、ライアンだけが笑顔の奥で鋭い視線をレイヴンへ向けていた。
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