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しおりを挟む茜くんは渋々といった様子ながら、一緒に来てくれた。鳴海についていくと、すでにそこには誰かが座っていた。というか、知っている人だった。咲人さんだ。
「サクちゃん!!」
「ノアちゃん遅かったね」
「ごめんね?待たせた?」
「ううん、いいよー。で?その子、秋夜のお気に入りの子じゃん!如月くん!それと…寮長押し付けられた子の番ちゃんだね!」
昨日もあったけど、咲人さんと鳴海って知り合いだったんだ。それに、お茶会約束してるってことは、結構な付き合いってことだよね。鳴海もGRACEの人だよな、やっぱり。
「茜です。よろしくお願いします!」
茜くんと咲人さんは知り合いじゃないのか…そりゃあGRACEだからって全員と知り合いなわけないか。
「うん、よろしく!」
「咲人さん!昨日ぶりです!」
「ふーん、知り合いだったんだね?」
「うん、昨日保健室で会ったんだ」
「ああ!それなら納得!サクちゃんよく保健室に入り浸ってるから!」
「ノアちゃん余計なこと言わないの!」
「んー…ごめん、ごめん!」
「いいよ、じゃ!お茶会始めよっか!」
咲人さん、三野瀬さんと仲良さそうだったもんね。保健室には三野瀬さんに会いに行ってるのかな。
「それじゃ、かぐちゃんについて聞かせてもらおうか!茜くん?」
「俺はほとんど知らねぇぞ。」
「ええっ!つまんない!じゃあ当人のかぐちゃんが教えて!」
「何を聞きたいの?」
「うーん、じゃあまず副総長との関係は?」
「副総長?」
「おい!…コソッその話はマズい…佐久間さんは如月に立場とか教えてねぇんだよ」
止めたと思ったらコソコソ話…何を隠されているのだか…。
「あ~…佐久間さんとの関係は?」
「関係って…ううん…同居人?」
「本気で言ってる?」
「うん、多分俺達の関係はただの同居人だと思うけど…」
「これはなかなか…秋夜も苦労しそうだね」
「だねぇ…でもこんなに無自覚なことってあるんだね…。」
「俺達だって驚いたぜ。一昨日だって如月の近くに居ただけで威嚇フェロモン出されて大変だったんだぜ?本気のやつでは無かったけどな」
「あー!そうそれ!大丈夫で良かった!本当に心配だったし!」
「そんなことあったんだ…なら確実だね。かぐちゃん頑張れー」
「どういうこと?」
「如月くん、頑張ってね。」
なんか盛り上がってるし、頑張れって応援されるし…まぁ楽しいからいっか!その後も学園のことを教えてもらったり、鳴海の番の話をしたり、いろいろなことを話して、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
2限は料理、3限は生け花、4限はダンスの授業だった。料理ならと思っていたんだけど、俺が作るような家庭料理ではなくて、もっと上品な料理だったので上手く行かず散々だった。もちろんその後の生け花もダンスもできるわけも無く…。周りは中学から、人によっては習い事としてやっているので、出来ない人などいなくて、ついていくだけで最早ヘトヘトだ。
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