不良×平凡 オメガバース

おーか

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暗い館内を二人で手を繋いで回っていく。ゆらゆらと揺らめく水面がライトに照らされて、水槽の中を美しくきらめかせる。悠々と泳ぐ魚達は色とりどりで美しい。ゆっくりとそんな水槽を見て回った。

「秋夜さん、このエビ可愛いですね!」

「ん?どれ?」

「このちっちゃいエビです!色も青ですよ!」

「ん、確かにかわいいね」

「はっ!」

小さな水槽をのぞきこんでいて、俺が指差した先を見ようと秋夜さんがさらに近づいてのぞき込んだ。気づいた時には至近距離で見つめ合っていた…。

「ん?」

「あ…すみません…顔近いから…その…」

「ふふっ照れてんの?可愛いね」

「うぅ…もうすぐそういうこと言って…勘違いしたらどうするんですか!」

「んー?勘違い?」

「俺が自分が可愛いなんて思い込んだらどうするんですか!」

「いいんじゃない?実際俺にとっては可愛いんだし」

「むぅ……」

「むくれてんのも可愛いよ」

もう何をしても可愛いとしか言われない気がする…。可愛いとか…言われなれないし、そもそも俺可愛くないんだけどなぁ。βだと思ってたし、俺も男だ。格好いいのほうが嬉しいと…思ってたのになぁ。

可愛いって言われてこんなに嬉しく感じる日が来るなんて思わなかった。ああ…やば!顔がニヤついちゃう。少し秋夜さんの前を歩いて、見られないようにした。

「香夜…そんなに急いでどうしたの?もうショーの時間だっけ?」

「え…あ…違います!ちょっとお腹減っただけです!」

咄嗟に出た言い訳がお腹減ったって俺食いしん坊みたいじゃん…恥ずかしい…

「お腹空いたの?じゃあ弁当食べよう。」

「お弁当?」

「そう、朝作っておいたから。」

「あ!その荷物!お弁当だったんですね!」

「ん、そうだよ。俺、他人が作ったもの食べれないから持ってきた。」

「そうなんですか?」

「そうだよ。」

「でも俺のご飯普通に食べてましたよね?」

「まぁね。香夜は俺の特別だから。」

「ふふっ秋夜さんの特別ですか」

「そうだよ。」

何か荷物持ってるなぁとは思ってたけど、まさかお弁当作ってくれてたなんて!最近良く秋夜さんにご飯作ってもらってる気がする。俺が好きだって言ったから作ってくれてるのかな。嬉しいな。

というか、確かに秋夜さん人が作ったもの食べないよなぁ。でも初対面で俺にご飯作って食べさせてって言われたの覚えてる。最初から俺のこと、特別だと思っててくれたってこと?

「なに?にこにこして…そんなに嬉しそうにされると…俺も嬉しい」

「えへへ!秋夜さん…早く食べましょ!楽しみです!」

「ん、香夜の好きなもの入れたから」

「やった!」

秋夜さんとご飯を食べて、その後はショーも堪能して充実した休日にすることができた。楽しかったなぁ!!
ちなみにお揃いでイルカのストラップを買ってくれた。家に帰って、早速鞄につけておいた。秋夜さんもつけてくれたみたい。

「おそろい、いいですね!」

「そうだね。ふふっ初めてだけど嬉しいものだね」

「はい!俺も嬉しいです!」











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