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しおりを挟む香夜の匂いを追ってみたけど、学校の外に繋がる裏門で途切れていた。香夜に持たせていたGPSも置いて行かれてるし、手掛かりが少ない。情報屋をやっている凰李の番にも情報を求めた。大した情報は持っていなかったが、全く情報がないよりもマシだ。
「学校のカメラ調べてみる。かぐちゃんのこと絶対に助けてあげてね」
「…ああ」
「何かわかったら連絡する」
「ん、任せた。凰李、α共もここに報告に来るようにしてるから。情報来たら共有して」
「おう、了解」
俺は匂いを拾えるかも知れないので、外に出てみる。おそらく車で連れ出されているな。門を超えたところで、匂いが途絶えているのは車に乗せられたからだろう。
どこに行ったのか…。調べがないと分からないかもしれない。しかし、諦めるわけにもいかない。近場から心当たりを回ってみるか…。敵対行動を取っている者達の持つ物件を調べていく。部屋に僅かに残っていたαとΩの残り香から考えてまださらわれてからそう時間は経っていない。
それならば、香夜はまだ無事な可能性が高い。とはいえ、絶対の保証もない。街に出て、香夜のフェロモンを感じ取れるかもしれない可能性を信じて、αたちが所有しているようなところを中心に回ってみる。
やはり雨が降っていることもあって、幾ら番といえどフェロモンが雨でかき消されて全くわからない。普段なら嗅ぎ取れた筈のフェロモンも、もう既に残っていない。
「はぁ…駄目か…香夜…クソッ」
じりじりと、時間だけが過ぎていく。情報が思うように集まらないことに苛立ちが募る。タクシーで窓を様々なところを走ってもらったが、有力な情報がない。
そんなとき、スマホの着信を知らせる音がなる。電話をかけてきたのは春夜だな。
「もしもし、秋夜?」
「…なんの用だ」
「クソ野郎共から連絡が来た。香夜ちゃんを無事に返してほしかったら、正式に見合い相手と結婚しろってさ。そうしたら、香夜ちゃんを愛人にしてもいいから、だって」
「…ふざけやがって…それだけか?」
「いや、香夜ちゃんを見かけた奴を見つけた。情報は引き出してる途中だけど…」
「攫ったやつ見てんのか?」
「一応、ね。けど…絞り込むには情報が足りな過ぎる。」
「凰李達と合流して探してくれ」
「了解」
…本当にクソみたいな奴らだな。アイツらと繋がっているやつが攫ったのは確かなようだな。俺をどうしても結婚させたいらしいな。思惑に乗ってやる気はないが…相手くらい調べておくか。今後の憂いは無くしておいたほうがいいからな。
進展しなかったが、春夜の持ってきた情報と情報屋がいれば、犯人の特定くらいは出来そうだしな。犯人が分かれば、香夜の居場所も探しやすい。
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