不良×平凡 オメガバース

おーか

文字の大きさ
107 / 137

106

しおりを挟む






もう夏休み直前だ。夏休みには帰省することになっているから、秋夜とも離れることになる。とはいえ、番と離れるのはストレスになる。というわけで、秋夜と相談しないといけない。まあその前に試験があるから、それどころじゃないんだけど…。

俺…休み過ぎてるから全然わかんない…。卒業できるか不安になってきた。そういうわけでゆっくりしている訳にもいかなくなった。これから鳴海と勉強する約束をしている。抑えるべきポイントも教えてくれるらしいので、しっかり勉強しないとね!

「秋夜、行ってきます!」

「ん?どこに?」

「えっと鳴海のとこ行ってテスト勉強してくる!」

「…聞いてないけど?」

そこはかとない圧を感じる。これは…やらかしたかぁ?秋夜…怒らせちゃったかな…。

「あっとぉ…その…今日約束したから…?」

「ふぅん…テスト勉強なら俺が教えてあげるのに。俺より鳴海?ふぅん?」

ま、まずい…この流れは…取り敢えず…さっさと行くに限る!

「そ、そういうわけでは…と、取り敢えず行ってきます!」

「あ…香夜…送るから」

「いいの?」

「ん、仕方ないからね…でも、帰ったら話し合おうね?」

「は、はぁい…」

勢いで部屋を出ようとして、秋夜に止められた。怒ってはいても送ってくれるらしい。優しいよね、本当に。けれど、帰ったらどうなるんだろうなぁ…俺。話し合い…。お手柔らかにお願いしたい。

鳴海たちの部屋に入るのを見てから、秋夜は帰っていった。また帰りも来てくれるってさ。

「かぐちゃんいらっしゃい!」

「うん、お邪魔します。ところで鳴海、神谷さんは?」

「凰ちゃん?凰ちゃんはまだ帰ってこないよ。今日はGRACEの会議って言ってたから」

「あの…秋夜、普通に家にいるんだけど?」

「ああ、副総長の癖してGRACEの会議なんて1回も出たことないと思うよ?だから今更だよ」

「へぇ…それでいいのかな?」

「まぁ…Sクラスってことで特別扱いはされてると思うよ?だから誰にも縛られないし、許されてる。アレでも凰ちゃんやサクちゃんの言うことは聞いてる方だよ!だから、かぐちゃんに尽くしてるのは、本当に本当に凄いんだからね!」

「そう…なんだ。あんまり自覚が無いんだよね。」

「まぁ最初からあんなだもんね。そりゃそうか。」

「うん…って話すぎちゃった。勉強しに来たんだった!」

「そうだね、頑張ろう!」

オメガ用の授業は、実技と筆記試験があって、今回は薄茶の点前と生け花、フランス料理、ダンスの実技だ。筆記はマナーなどの内容で、これについては自分でそれなりに勉強できた。今回鳴海に見てもらうのは実技の方だ。これは、自分で出来ていない点が自覚しにくいし、正解もよくわからないので、鳴海に見本をやってもらって勉強するのだ。

「料理はいいとして…問題はダンスと生け花だね!」

「うん…」

「かぐちゃん、センスないからなぁ…」

「うっ…自覚はあるけど…そうハッキリ言わなくても…」

「だよねぇ、取り敢えずやってみよ!」

「はぁい…」

出来上がった生け花の出来栄えは…

「かぐちゃん…なんでこんなことになるの?いっぱい花を刺せばいいってわけじゃないんだよ!?空間を形作らないと!幼稚園児が適当に作ったみたいな…」

との評価をいただきました…。まぁ…俺もそう思う。やってるときはいい感じ!って思ってたんだけど。うむ、コレは無いわ。

「ご、ごめん…」

「そうだなぁ…かぐちゃんは花があればあるだけ使っちゃうみたいだから、本数制限してやってみよっか!」

「うん!やってみる!」

________
______

「出来た!」

「うん……そう、だね。さっきよりはマシ。試験のときは本数制限してやろうね!」

「うん、それで…受かるかな?」

「…多分…?」

「…そ、そっか…。」

まぁ…一応解決策が見つかったということで…最近は華道の先生も諦め気味で指導もあんまりしてくれなくなったし。多分受かるよな…。

時間も時間だし、ダンスは秋夜に教えてもらうかな。ただ…不安なのが、秋夜ってとことん俺に甘いから…駄目でも褒められそうなんだよね。でも練習やらないよりも良くはなるよね!

「じゃあ秋夜が迎えに来たら帰るね。今日はありがと鳴海」

「どういたしまして!お礼は…そうだなぁ…そうだ!夏休み遊びに行こうよ!」

「うん!全然いいよ!」

ピンポーン

「はーい」

「香夜迎えに来たよ。」

「じゃあね!鳴海。また明日!」

「ん、また明日!」

ドア前で待っていてくれた秋夜と部屋に戻ると、美味しそうなご飯が準備されていた。疲れているだろうからって、作ってくれたらしい。秋夜ってスパダリじゃない?完璧すぎて…惚れる。いや、もう惚れてるんだけど。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる

衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。 男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。 すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。 選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。 二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。 元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。

ヤンキーΩに愛の巣を用意した結果

SF
BL
アルファの高校生・雪政にはかわいいかわいい幼馴染がいる。オメガにして学校一のヤンキー・春太郎だ。雪政は猛アタックするもそっけなく対応される。  そこで雪政がひらめいたのは 「めちゃくちゃ居心地のいい巣を作れば俺のとこに居てくれるんじゃない?!」  アルファである雪政が巣作りの為に奮闘するが果たして……⁈  ちゃらんぽらん風紀委員長アルファ×パワー系ヤンキーオメガのハッピーなラブコメ! ※猫宮乾様主催 ●●バースアンソロジー寄稿作品です。

36.8℃

月波結
BL
高校2年生、音寧は繊細なΩ。幼馴染の秀一郎は文武両道のα。 ふたりは「番候補」として婚約を控えながら、音寧のフェロモンの影響で距離を保たなければならない。 近づけば香りが溢れ、ふたりの感情が揺れる。音寧のフェロモンは、バニラビーンズの甘い香りに例えられ、『運命の番』と言われる秀一郎の身体はそれに強く反応してしまう。 制度、家族、将来——すべてがふたりを結びつけようとする一方で、薬で抑えた想いは、触れられない手の間をすり抜けていく。 転校生の肇くんとの友情、婚約者候補としての葛藤、そして「待ってる」の一言が、ふたりの未来を静かに照らす。 36.8℃の微熱が続く日々の中で、ふたりは“運命”を選び取ることができるのか。 香りと距離、運命、そして選択の物語。

誰かの望んだ世界

日燈
BL
 【完結】魔界の学園で二年目の学園生活を送るイオは、人知れず鶯色の本をめくる。そうすれば、必要な情報を得ることができた。  学園には、世界を構成するエネルギーが結晶化したといわれる四つの結晶石≪クォーツ≫を浄める、重要な家系の生徒が集っている。――遥か昔、世界を破滅に導いたとされる家系も。  彼らと過ごす学園生活は賑やかで、当たり前のようにあったのに、じわじわと雲行が怪しくなっていく。  過去との邂逅。胸に秘めた想い――。  二度目の今日はひっそりと始まり、やがて三度目の今日が訪れる。  五千年ほど前、世界が滅びそうになった、その時に。彼らの魂に刻まれた遺志。――たった一つの願い。  終末を迎えた、この時に。あなたの望みは叶うだろうか…? ――――  登場人物が多い、ストーリー重視の物語。学校行事から魔物狩り、わちゃわちゃした日常から終末まで。笑いあり涙あり。世界は終末に向かうけど、安定の主人公です。  2024/11/29完結。お読みいただき、ありがとうございました!執筆中に浮かんだ小話を番外編として収めました。

用法用量を守って正しくお使いください

煮卵
BL
エリートリーマン✖️老舗の零細企業社長 4月2日J庭にて出した新刊の再録です ★マークがHシーン お気に入り、エールいただけると嬉しいです

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

〔完結済〕この腕が届く距離

麻路なぎ
BL
気まぐれに未来が見える代わりに眠くなってしまう能力を持つ俺、戸上朱里は、クラスメイトであるアルファ、夏目飛衣(とい)をその能力で助けたことから、少しずつ彼に囲い込まれてしまう。 アルファとかベータとか、俺には関係ないと思っていたのに。 なぜか夏目は、俺に執着を見せるようになる。 ※ムーンライトノベルズなどに載せているものの改稿版になります。  ふたりがくっつくまで時間がかかります。

きみはオメガ

モト
BL
隣に住む幼馴染の小次郎君は無表情。何を考えているのか長年ずっと傍にいる僕もよく分からない。 そんな中、僕がベータで小次郎君がアルファだと診断を受ける。診断結果を知った小次郎君は初めて涙を見せるが僕が言った一言で、君は安心した。 執着、幼馴染、オメガバース、アルファとベータ

処理中です...