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しおりを挟むコクヨウと墓に水だけでも供えて手を合わせる。そして冒険者としては大切な剣の手入れを行って、飯も風呂も終えてコクヨウと眠りにつく。
翌朝すっきり起きて、コクヨウも起こす。寝起きは良い方なようで、声を掛ければすぐに起きてくれた。
「コクヨウ、今日から昼間は留守番しててくれるか?」
「…みー?」
「そんな嫌そうにするなよ…仕事なんだ。仕方ないだろ?俺は冒険者だし、お前のこと連れて行くわけには行かねぇ。危ないからな。」
「みゃう!」
「駄目だっての。こればっかりはお前がなんと言おうが駄目だぜ。俺はコクヨウを大事に育てるって決めてんだからな。」
「……」
「わかったな?飯とかはちゃんと準備してくからよ」
「………」
凄く不満そうだ。飯もそこそこにふて寝を始めてしまった。また長時間一人にするのは胸が痛いが、それでもここは心を鬼にしてでも置いていかないとな。
「コクヨウ、行ってくるな?」
「…きゅぅ…」
涙目で弱々しい返事だ。物凄く寂しそうにしている…扉を閉めたのだが、何故ここに居る?コクヨウ。俺が扉を閉めるのを少し躊躇った隙に出てきてしまったらしい。
家の中に戻そうとしても走って逃げる。純粋な速さだけなら、俺のほうが上だが、近付いて屈んで抱き上げるとなれば難しい。器用に俺の手をすり抜けるのだ。10分以上追いかけっ子しているが全く捕まえられない。
「はぁ…はぁ…分かった…コクヨウ、一緒に連れて行くからおいで」
「みー?」
「本当だ。嘘なんか付かねぇよ。けどな、森は危ねぇんだ。ちゃんと俺の言う事を聞けよ。そうじゃなきゃ連れてけねぇぞ」
「みー!」
これだけ逃げ回れるなら、多少の危険は避けられるだろう。コクヨウに簡単なルールを教える。魔物なんかが突然出てくる可能性もあるから俺から離れない事、また戦っているときは周囲に警戒しつつ、後ろに下がっている事等を伝えた。
好奇心を抑えられず、周りをきょろきょろしているがそれでもきちんと俺の隣を歩いている。家に帰ったら褒めてやろう。確かに森はいつも通りだな。薬草を採取したり、しながら散策していく。
今日の飯として、兎を仕留めたり、魔物のゴブリンなんかを狩って家に帰る。復帰初日だし、コクヨウを連れているからな。森の奥までは入らなかった。
ちなみにゴブリンを狩ったときは、悪臭が凄いのでコクヨウは器用に鼻を抑え涙目になっていた。魔物の死体は魔石を取り出してまとめて燃やしておく。回収した魔石は10程だ。
「ただいま。コクヨウ、おかえり」
「みー!」
「コクヨウ、森ではちゃんと言う事聞けて偉かったな!」
わしわしと撫でてやると、気持ちいいようで腹を見せる。そのまま暫く撫で続けた。帰ってから空いた時間にはコクヨウに森の植物なんかを教えてやった。また文字指差しながら読み上げてみた。動物にこんな事を教えている俺はおかしいのかもしれない…。が、コクヨウはやけに頭がいいからな。
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