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しおりを挟むサイズの合う服を用意するために街へやって来ていた。コクヨウは俺に縋りつくのを無理矢理置いてきた。コクヨウが直接着ないとサイズがわからない、という言い分には負けそうになったが…取り敢えず1着買って、また共に街へ来て服を揃えると答えた。
「タカミ…おいてくの…?」
「コクヨウ、直ぐに帰るからな。流石に裸同然のお前を連れていけねぇよ。」
「…わかった…でも本当に早く帰ってね?」
「ん、急いで帰る」
「うん、待ってる」
あざとい…俺の服を掴んで頼んでくるコクヨウは可愛かった。寂しそうにしやがって…直ぐ帰るからな。一度ぎゅっと抱きしめて家を出た。
「行ってくる」
「…いってらっしゃい…」
急ぎ足で街へ向かい、知り合いに子供服が売っている場所を聞いた。俺に恋人なんかもいないのに子供なんかいる筈ないからな。知り合いには、は?という顔をされたし茶化されたが、今は急いでいる。
変な噂になりそうだが…どのみちコクヨウを連れて街に来るのだから一緒のことか。言いたいやつには言わせておこう。どうせ俺の話題なんて直ぐに飽きるだろうしな。
「ここには子供服売ってるか?」
「ええ、売ってるわよ。でも貴方若いわね?どんな服をお探し?」
「ああ、男の子の服だ。そうだな、このくらいの子だ。」
手でサイズを示して見せれば、子供服屋の店員がささっとその位の男の子の服を出してくれる。俺にセンスなどというものはないので、1セット見繕ってもらった。
グレーのズボンに黒のシャツだ。コクヨウの黒髪に合いそうだしいいんじゃないか?それを購入し、飯と下着も買ったら街を出る。そのまま速やかに帰宅した。
「ただいま」
「おかえり…遅かった…」
「すまんすまん。おいで」
「うん」
コクヨウを抱き上げて、抱き締める。良い子に待っていてくれたみたいだな。尻尾が揺れる。機嫌は悪くなさそうだ。
「コクヨウ、良い子に留守番出来たな。偉いぞ」
「うん…もっと褒めていいよ?でも留守番は嫌い」
「わかってる。一人になるの嫌だもんな?」
「うん。ちゃんと一緒にいて」
「おう。んじゃ取り敢えず服着てみような。」
「ん…どうやって着るの?タカミやって!」
「いいか、この穴に腕通して、頭はここだ。」
「んー、難しいよ…」
「大丈夫大丈夫。すぐ出来るようになる。」
「うん、がんばる」
下着も身に着けさせたし、服も着せた。少し大きかったようだが、まぁ許容範囲だ。
「似合ってるぜ!コクヨウ」
「えへへ、ありがと」
「飯食ったら街に服買いに行くか?明日でもいいけどよ」
「今日行く」
「おう。じゃあ夕飯は宿で食って帰るか」
「うん。あそこの肉おいしい!」
「だよな!俺も好きだぜ」
今日2度目の街に向かう。コクヨウは顔がいいので子供でも注目を集めている。そしてその隣の俺を見てまた吃驚される。まぁ放っておこう。声かけられてないしな。
「あらあらいらっしゃい。また来てくれたのね。」
「ああ、この子の服を揃えたい。あと5セット貰おう。」
「わかったわ。また私が選んでいいのかしら?」
「おう、頼む。ただしコクヨウの好みは聞いてやってくれ」
「ええ、ええ。本当に可愛いわね!さあいらっしゃい。服を準備してくるわ。」
それから店員の押しに負け、コクヨウは着せ替え人形にされていた。ある程度のところで助け出したが、満足の行くものを選べたようなので良かった良かった。
「沢山買ってくれたし、私も楽しませてもらったから割引しておくわ」
「ありがてぇ。」
「ええ、ご贔屓にしてね。」
「コクヨウ、良かったな」
「うん、ありがとう」
「あらあら、本当に可愛いわ。うふふ」
コクヨウの選んだ服は黒などの暗めの色が多かった。白も一着あったな。どれも似合っているようで何よりだ。コクヨウと手を繋いで、宿に向かう。
「いらっしゃい、泊まりか、食事か?」
「食事を」
「お?来たか!あの猫は一緒じゃねぇのか?」
「ああ、ここにいるだろ。」
「は?そいつは獣人…あの猫、獣人だったのか!」
「まぁそんなところだ。」
「ほぉ、なるほどなぁ。まぁ座れや。すぐ準備すっからよ」
「おう」
相変わらず飯は美味かったし、満足だ。暗くなった帰り道を歩く。コクヨウは夜目が効くようで足取りは軽い。俺は月明かりを頼りに歩く。帰り着いた家に明かりを灯す。
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