15 / 130
15
しおりを挟むギルドで屯してるおっちゃん冒険者に相談に乗ってもらうことにするか。この街にいるベテランたちは、冒険者として日常的に常時依頼を熟して過ごしている。基本的には貯えを削りつつ生活している。日銭を稼いだらギルドで酒盛りって訳だ。
まぁ何が言いたいかというと、おっちゃん冒険者たちは経験豊富だし暇なのだ。効率的な依頼のこなし方を知っているからな。仕事が早いのだ。日常生活に困らない程度の稼ぎ以上にゃ働かねぇからな。
「おっちゃん達、相談乗ってくんねぇか?」
「お?どうしたどうした若者。」
「いいぜ、暇だからよ」
「コクヨウの事なんだが」
「僕のこと?」
「おー?また自慢話かぁ?」
「ああ、ちげぇ。今日はコクヨウの今後の話だ。コクヨウ、同年代の知り合い居ねぇからよ。その、学校?とか通わせてやったほうが良いかと思ったんだ。」
「おー、学校な、いいんじゃねぇか。」
「がっこう?なにそれ」
「学校ってのは同年代の子どもたちが集まって勉強するところだ。」
「ふーん…タカミもいっしょ?」
「いや、コクヨウだけだ。俺はコクヨウが学校に行ってる間に仕事する…つもりだが。」
「…むぅ…やだ…」
「まあこの通りなんだが…やっぱり行かせたほうがいいよな?」
「おう、家も嫌がったがな。そのうち友達が出来て楽しそうに通うようになったぜ。」
「ウチの小僧も最初はぴーぴー泣いてたぜ。はははっ!懐かしいな!」
コクヨウは頭も良いし、コミュニケーション能力も今後は必要だ。俺以外との関わりを持つことが必要不可欠。強制的にでも人の輪の中に放り込む事も時には必要だろう。
俺にへばり付くコクヨウを片手で抱きながら、おっちゃんたちに学校に入れるための手続き方法を教わる。まだ入学まであと3ヶ月はある。その間にコクヨウを説得することにしよう。
「帰るぞコクヨウ」
「うん…」
…すごくしょんぼりしている…
ちゃんと話し合わねぇとな。俺の考えている事もしっかり伝えなければならない。悲しそうなコクヨウは見てられないからな。垂れた耳と尻尾…そして表情がその心の悲しみを表現している。
「ふえぇ…タカミのばか…」
「コクヨウ…」
「僕のこともう要らないんだ…」
「何でそうなんだよ。俺はお前が大好きだコクヨウ」
「むぅ…そうやってごまかそうとしてる…」
「そんなことねぇ。こんなに一緒にいてまだ伝わんねぇのか。ほらギューってしてやる」
「うん」
抱っこしたまま帰り道を歩く。沢山食うだけあって重さを増したコクヨウ。嬉しいことだなと思う。何度も通っているこの道に思い出が積み重なっていく。ずっと一人で生きていきたいと願い、家を作った筈だったんだけどなぁ。
コクヨウとの暮らして温かい思い出が増えていく。家族っていいもんなんだな。初めて知ったことばかりだ。コクヨウは俺を幸せにしてくれる。だから俺も…コクヨウを精一杯幸せにする。
103
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
オレの番になって──異世界に行って愛猫の番にされる話
まめ
BL
不慮の事故により、異世界に転移することになった神木周。
心残りは、唯一の家族だった愛猫・ネロのことだけだった。
──目覚めた草原で再会したのは、見覚えのある大きな黒い獣。ネロが追いかけてきてくれたのだ。
わからないことばかりの異世界だけど、ネロがいるからきっと大丈夫。
少しずつ心をほどき、神に招かれた世界で穏やかな毎日を楽しむ周たち。
しかし、そんな彼らに不穏な気配が忍び寄る――
一人と一匹がいちゃいちゃしながら紡ぐ、ほのぼの異世界BLファンタジー。
こんにちは異世界編 1-9 話
不穏の足音編 10-18話
首都編 19-28話
番──つがい編 29話以降
全32話
執着溺愛猫獣人×気弱男子
他サイトにも掲載しています。
アケミツヨウの幸福な生涯【本編完結】
リラックス@ピロー
BL
ごく普通の会社員として日々を過ごしていた主人公、ヨウはその日も普通に残業で会社に残っていた。
ーーーそれが運命の分かれ道になるとも知らずに。
仕事を終え帰り際トイレに寄ると、唐突に便器から水が溢れ出した。勢い良く迫り来る水に飲み込まれた先で目を覚ますと、黒いローブの怪しげな集団に囲まれていた。 彼らは自分を"神子"だと言い、神の奇跡を起こす為とある儀式を行うようにと言ってきた。
神子を守護する神殿騎士×異世界から召喚された神子
【本編完結】最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!
天宮叶
BL
前世の世界で亡くなった主人公は、突然知らない世界で知らない人物、クリスの身体へと転生してしまう。クリスが眠っていた屋敷の主であるダリウスに、思い切って事情を説明した主人公。しかし事情を聞いたダリウスは突然「結婚しようか」と主人公に求婚してくる。
なんとかその求婚を断り、ダリウスと共に屋敷の外へと出た主人公は、自分が転生した世界が魔法やモンスターの存在するファンタジー世界だと気がつき冒険者を目指すことにするが____
過保護すぎる大型犬系最強S級冒険者攻めに振り回されていると思いきや、自由奔放で強気な性格を発揮して無自覚に振り回し返す元気な受けのドタバタオメガバースラブコメディの予定
要所要所シリアスが入ります。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される
Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。
中1の雨の日熱を出した。
義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。
それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。
晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。
連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。
目覚めたら豪華な部屋!?
異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。
⚠️最初から義父に犯されます。
嫌な方はお戻りくださいませ。
久しぶりに書きました。
続きはぼちぼち書いていきます。
不定期更新で、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる