黒豹拾いました

おーか

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まぁそれはそれは拗ねているコクヨウを無理矢理に学校に入れた。あとは送り迎えはするつもりだが、通ってもらわなきゃなんねぇが…頬を膨らませて怒ってますよー!と主張し通しだ。

3ヶ月もあった筈なのに俺はついぞ説得には成功しなかったのである。学校の話をしようものならすぐに耳を塞ぐ、逃げる、別の話題を出す等々…。尻尾も膨らんでこちらを威嚇している。

「コクヨウ、明日から学校行こうな?」

「いーやーだ!!!タカミのばか!!」

「コクヨウ、お前を学校に入れた理由は話したろ?お前の将来のためだ」

「僕は将来冒険者になる!だから学校の勉強なんていらない!!」

「コクヨウ、いい加減にしろ!!」

「っ…」

ついに怒鳴ってしまった…。ビクリと大きく震えたコクヨウは震えて耳と尻尾をたたみこみ、部屋の隅で蹲る。もちろん狭い部屋なので丸見えだし、あまり意味はない。それにしても、コクヨウのこと叱ってやるのは初めてかもしれないな。

「なぁ、コクヨウ、俺はお前に学校に行って欲しい。何度も言ってるように冒険者は危険な仕事だ。俺は孤児院育ちで、選択肢もなく冒険者になった。同じように冒険者になった奴らは殆ど生き残ってねぇ…学校で学んでりゃ、安全な職につけるんだよ!他の選択肢が出来るんだ!

それはお前の将来に必ず役に立つ。だから…」

「…タカミ…」

「…おいで」

「うん…ごめんなさい…ぼくね…タカミがぼくのこと…捨てるんじゃないかって…いなくなっちゃうんじゃないかって…不安で…ずっとずっと一緒にいたくて…」

「おう。約束したろ?一緒にいるって。それにな、俺とお前は家族だ。家族ってのは離れてても、どこにいても、繋がってるもんなんだぜ?だから心配すんな。」

「うん!」

抱き締めて、ワシャワシャと撫で、沢山甘やかしてやった。そして遂に初の登校日がやってきた。どうなるか分からねぇが、今日は先生に頼んで見守らせてもらうことにしている。俺も大概親バカと言うやつなのかもしれない。

「うし、準備万端だな。行くぞ」

「うん、行ってきます」

「行ってくる」

墓に手を合わせて家を出る。道中は緊張しているのか、コクヨウは殆ど話さなかった。寂しそうな顔をするので、抱き上げてやったりもした。最近は足腰も強くなってきたので、歩かせることが増えていたがまだまだ軽いからな。

しかし心配だ。俺以外と話してるところ見たことねぇし。果たして上手くやっていけるのだろうか?けどコミュニケーション能力に問題はない筈だ。街に着くといよいよ学校は直ぐそこだ。

「コクヨウ、頑張って来い。」

「うん」

「また学校終わる頃に迎えに来るからよ。勝手に街を出るなよ」

「うん。だから絶対迎えに来てね」

「おう!約束だ。」

「約束」

ちらりと振り返りつつも学校に向かうのを見えなくなるまで見送った。そしてささっと移動し、許可を得た場所で見学する。教室に案内されたコクヨウは大人しく席に座っている。

周りの子たちは知り合い同士なのか、楽しそうに喋ったり遊んだりしている。その様子をコクヨウは詰まらなそうに眺めている。うーん…そのうち馴染めるよな…?共に過ごすうちに打ち解けていけるはずだ。

コクヨウのことをチラチラ見ている子もいるし、そのうち声を掛けてくれるだろう。

授業が始まれば、騒いでいた子達も静かに…ならなかったようでコクヨウは睨みつけている。尻尾も不機嫌そうにタシタシと打ち付けられて…
あぁ…そんなにしたらお前の尻尾が痛いだろ…。

それからも授業を真面目に受け続け、遂にコクヨウが声を発することはなかった様だ。おかしいな…同年代の知り合いを作る為に学校に入れたのもあったんだが…。まぁそれは学校に慣れてから、か?

さて、迎えに行かねぇとな。

「コクヨウ、帰るぞ」

「うん!タカミ!」

満面の笑みだ。先程までの能面のような表情は何だったのかと思う程のキラッキラの笑顔を見せてくれる。うん、可愛い。




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