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しおりを挟むコクヨウと離れて早3年の時が経過していた。その間に俺にも恋人が出来かけたことはあった…しかしコクヨウのことが頭を過ぎって、俺の方から距離を取った。女性の時間を無駄にさせるのは申し訳ないからな…。そして結局3年間一人寂しい男のひとり暮らしを続けている。
俺は冒険者としてスールエの街で活動しているが、コクヨウらしき冒険者の噂も聞いている。こんな辺境まで噂が届くくらいだから余程頑張っているのだろうな。噂によると、コクヨウはもうすぐSランクに上がれそうらしい。
冒険者として活動して、広い世界を知った今、コクヨウがどんな選択をするか分からない。しかしそれでも俺を選んでくれるのなら…俺もコクヨウの隣に立つ覚悟を持たねばならない。
そう思って辺境の地でもコツコツと鍛錬を積み続けた。まぁコクヨウと別れてここに戻ってきて暫くは自堕落に生活していたんだが…突然訪ねてきたセンリに活を入れて貰ってからは、怠ることなく頑張ってきた…つもりだ。
「おう、タカミ、今日も依頼か?」
「ああ」
「精が出るな。頑張れよ。あ!ところでよ、あの話聞いてるか?ほらコクヨウのことだよ」
「もうすぐSランク試験受けるって話か?」
「そうそう!すげぇよなぁ。お前にくっついてた頃が懐かしいぜ!」
「あんなに小さかったのになぁ、成長ってのは早いもんだよな。」
「そうだな…危険な目に合わなきゃいいんだが…」
「なんだ?心配なのか?大丈夫大丈夫!お前が育てたんだ信じてやれ!」
「そうだな。アイツはきっと立派なSランクになる。だから俺もAランクに挑戦する。」
「お!やっとやる気になったか!頑張れよ!お前の実力なら問題ねぇからよ!」
「おータカミ頑張れよ。合格したら飯奢ってやるからな。」
「ああ、飛び切り高い物を食うとしよう。アンタの奢りで。」
「はははっ!自信はたっぷりってことだな!頑張って来い!」
「ああ、ありがとう。行ってくる」
とっくに追い越されてしまったが、俺だって立ち止まらなければいつかきっと上に行けると信じている。取り敢えず、そろそろ次のステップに進むことにしたのだ。ずっとBランクで停滞していたがAランク試験を受けることに決めたのだ。しかし試験を受けるのはいいが、この辺境の地ではAランク試験に適した依頼など勿論ない。
と言うわけで、俺は一度この街を出る。コクヨウ達もいるであろう強い魔物が出没する地域へと向かうのだ。もしタイミングが合えば、コクヨウ達にも会えるかもしれないな。俺はコクヨウに合わせる顔もないが…。
まぁだからといって逃げる訳にも行かないだろうな…。流石にこれ以上コクヨウを傷付けたら幾ら温厚なスールエの街の人達でも、俺をボコボコにするに違いない。コクヨウは割と素っ気なかったが、街の皆には愛されてるからな。
気合いを入れて行くとしよう。タダクより先は、一撃食らっただけで死にかけるからな。街の人たちに軽く挨拶しながら旅立つ。3年…いや、もっとかかったがやっと次へのステップの第一歩を踏み出す。
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