62 / 130
62※
しおりを挟むまだ帰ってこないと思ってセンリと遊んでいたところにコクヨウが帰還した。元気そうな姿を見て怪我もなさそうだと安堵したのだが…近付いたあとのコクヨウの様子がおかしい。
簡単に言えばブチ切れている…。何かしちまったか?と思ったが、原因はどうやら俺についた匂いらしい。鼻をひくつかせていたからな。昔から匂いには敏感だったが今の俺の香りは余程不快だったんだな。
コクヨウは俺に対してはとても優しい。だから強引に手を取られて驚いたが、その後のほうが問題だ。唸るように声を上げながら敵意剥き出しで、センリを威嚇するコクヨウ。必死に宥めたが、俺が庇っているのが気に入らなかったらしく寧ろ逆効果だったような気がする…。まぁ、乱闘なんかにはならなかったので良しとしよう。
宿まで連れて行かれ、速攻で脱衣所に引き込まれた。これはアレか?やっぱりするんだよな?流れ的にそうだよな?勘違いだったらどうすりゃいい…。恥ずかし過ぎるよな、育ての親が息子襲うなんて…あー…わっかんねぇ…。
コクヨウはさっさと風呂場入っちまったし…迷いに迷って何も決められないまま棒立ちしている俺を待ち切れなくなったらしいコクヨウに服を脱がされ、更には身体の隅から隅まで洗われた。俺の尊厳は何処へ?って感じだ。
もう逃さない宣言からの「もう待たないよ」に俺はもう身を任せることにした。俺があれこれ考えたって仕方ねぇよな。
「俺はもうお前に任せる。どうにでもしやがれ…」
「うん、ふふっいっぱい愛してあげるね。タカミは気持ちよくなってればいいから。」
「…おう…」
風呂上がりに魔法で乾かされさっぱりしたら、ベッドに押し倒された。コクヨウに全部やる、という約束もしている。どうされても文句は言わない。
今まで我慢してきた分なのか、コクヨウは俺の全身を丁寧に舐め上げた。止めても止まらないし、コクヨウ曰く、匂いを付けているのだそうだ。…しかし俺にしたらこんなことをされるのは初めてだ。初めは擽ったいくらいだったが、段々と感覚が研ぎ澄まされ、気持ちよくなっていく。
「ん…ふぅ…」
「んふふ…タカミ…気持ちいい?」
「…いや…そんな…あっ…」
「そっか、じゃあもっと頑張るね。」
勘弁してくれ…という俺の心の声は届くことなく、その後も丹念に全身を愛撫されることになった。前戯だけで1時間位経ったんじゃないか…と言うくらいには時間が経過したあとようやく、後ろに手を伸ばされた。
ギラギラした瞳とは打って変わって優しいキスを送られながら、ゆっくりゆっくりと慎重に解される。その時には既に俺は若干飛んでいたんだが、とにかく初めての事だらけだったが、順調に事は進んでいた。
「タカミ…愛してるよ…ずっとずっと…大好きだよタカミ…」
切なげな声で愛を囁かれ、俺もしっかりと言葉で伝えてやらなくては、という気持ちになった。力の入らない手を持ち上げ、コクヨウの顔を挟み、しっかりと目を合わせる。
「…おう…俺も愛してるぜ…そろそろ…んっ…いいだろ…来いよコクヨウ」
「うれしい…タカミ…大事にする…」
言葉通り、慎重にゆっくりとコクヨウが入ってくる。とても熱くて硬い。それに先程まで弄られていたイイトコロをゴリゴリと擦られて…熱を吐き出した。
「あ…あ…ああああ!!…ん…はっ…」
「ふふっ挿れただけでイッたの?そんなに僕の気持ちかった?」
「はっ…うるせぇ…お前も気持ちよくしてやるよ…くっ…」
「あっ…ちょっ…しめ…たら…だめ…」
「ふふっ余裕なくなってきたな?…あっ…それで…んん…いいんだよ…」
「タカミの意地悪…僕だって格好つけたかったのに…」
「ほら、好きにしろ。…もっと動いて…ふっ…いいぞ…」
「うん…」
45
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
【Amazonベストセラー入りしました】僕の処刑はいつですか?欲しがり義弟に王位を追われ身代わりの花嫁になったら溺愛王が待っていました。
美咲アリス
BL
「国王陛下!僕は偽者の花嫁です!どうぞ、どうぞ僕を、処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(笑)」意地悪な義母の策略で義弟の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王子のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?(Amazonベストセラー入りしました。1位。1/24,2024)
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
白金の花嫁は将軍の希望の花
葉咲透織
BL
義妹の身代わりでボルカノ王国に嫁ぐことになったレイナール。女好きのボルカノ王は、男である彼を受け入れず、そのまま若き将軍・ジョシュアに下げ渡す。彼の屋敷で過ごすうちに、ジョシュアに惹かれていくレイナールには、ある秘密があった。
※個人ブログにも投稿済みです。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】
ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。
【完結】悪妻オメガの俺、離縁されたいんだけど旦那様が溺愛してくる
古井重箱
BL
【あらすじ】劣等感が強いオメガ、レムートは父から南域に嫁ぐよう命じられる。結婚相手はヴァイゼンなる偉丈夫。見知らぬ土地で、見知らぬ男と結婚するなんて嫌だ。悪妻になろう。そして離縁されて、修道士として生きていこう。そう決意したレムートは、悪妻になるべくワガママを口にするのだが、ヴァイゼンにかえって可愛らがれる事態に。「どうすれば悪妻になれるんだ!?」レムートの試練が始まる。【注記】海のように心が広い攻(25)×気難しい美人受(18)。ラブシーンありの回には*をつけます。オメガバースの一般的な解釈から外れたところがあったらごめんなさい。更新は気まぐれです。アルファポリスとムーンライトノベルズ、pixivに投稿。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる