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しおりを挟む宿を取ったあと魔術都市の中でも、鍛冶師が集まる場所へとやってきた。素晴らしく入り組んだ路地を進んでいくと、初見で辿り着け無いであろう、ドワーフの店らしき場所を発見できた。
俺達がどうやって辿り着いたのかというと、コクヨウの鼻頼りだ。ドワーフが酒好きだというのは広く知られているが、その強い酒の匂いを辿ってきたのだ。看板も掲げられていないし本当に店なのか分からないが、ドアをノックする。
「あぁ?客か?入れや」
「邪魔する。」
許可を経て、ドアを押し開けば、素晴らしい髭を蓄えた背が低めの筋骨隆々のドワーフがいた。店内には、所狭しと剣が並べられていた。乱雑に並べられているので勘違いしそうになるが、その価格は最低金貨5枚。普通ならあり得ないほど高額だ。それだけ自身の作品たる剣に自信があるのだろう。
「お?見ねぇ顔だな。誰かの紹介か?」
「いや、違うが。」
「…ならどうやって辿り着きやがったんだ?」
「こっちの獣人に酒の匂いを辿って貰った。ドワーフは強い酒が好きだろう。」
「ハッハッハ!!愉快だな!まさかそんな方法でここに来る奴がいるたぁなぁ!!面白れぇ奴らだ!俺はドワーフで鍛冶師のカルロスだ。よろしくな。」
「ああ俺はタカミ、隣の獣人はコクヨウだ。よろしく頼む。…やはり正攻法では無かったらしいな…。まぁでもコクヨウの鼻は確かだったということだな。」
「そうだな、ハハハッ!普通は紹介か、俺が街で見つけた気に入った奴を連れてくるかのどっちかだな。ま、オメェらは面白そうだしな。剣を出しな。」
「ああ」「…」
カウンターに腰から外した剣を乗せる。それを手に取ったカルロスは鞘から剣を引き抜き、刀身を検める。真剣な目で、俺達が愛用していた剣を見ている。
「ふむ…二人とも合格だ。いい剣だ。使い込まれてるし、手入れもされてる。俺の打った剣を持つのに相応しい。そんで、何を求めて来たんだ?」
「俺達の剣を買い替えようと思ってな。」
「まぁ、そうだわな。これらの剣はいくら大事にされてるからって、使い続けるには限界が来てやがる。取り敢えず俺のオススメを出してやるから待ってろや。」
「いや、オーダーメイドにしようかと思ってる。」
「え?そうなのか?コクヨウ」
既製品でさえあの値段だ。それをオーダーメイドなんてしようものなら、すべての財産が吹っ飛ぶ。大丈夫なのか…?
「うん、タカミはどんな剣がいいとかある?剣は僕に贈らせて?」
「どんなって…丈夫で魔力が通しやすい…くらいだな。それから剣の代金はちゃんと出す。」
「えー、駄目だよ。僕からの誕生日プレゼントなんだからね!」
「誕生日プレゼント……わかった、ありがとなコクヨウ。」
「うん!」
「ふむ、お前ら裏へ来い。注文は後で聞いてやる。取り敢えずお前らにあった剣の重さや長さ何かを、実際に剣を振ってるところ見て確かめるからよ。」
カルロスに見立ててもらい、要望を伝えて店を出た。完成までに最低2週間はかかるのだという。また出来上がった頃に取りに来なくては。それにしてもカルロスが交渉してくれて助かったな。コクヨウが俺の分の金貨10枚も払ってくれた。
「…ありがとなコクヨウ」
「うん、喜んでくれたなら僕も嬉しいよ。」
「おう、良い剣出来たらいいな…」
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