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しおりを挟む1日をセックスに費やしてしまったわけだが…コクヨウに回復魔法を使ってもらい、動けるようになった。そして空いた腹を満たす為に部屋を出ようかと思ったんだが…。首や胸に付けられまくった跡がなぁ…。生々しい情事の跡は見せびらかすには少し刺激的すぎる。仕方無しに首もとを布で覆い隠す。
「これで隠れたか?」
「ん、見えてないと思うよ。」
「…というか、今まで跡とかつけてなかったろ?何かあったか?」
「なにかあった、とかではないよ。ただ…その…浴衣って露出が多いし、なんだか無防備な感じがして心配になってさ…」
「あー…確かにな。その気持ちは分かるわ。俺もお前に跡付けとくか。」
「!つける?いいよ!どこでもつけて!」
「んー、じゃあ胸元でいいか。」
「うん、どうぞ。」
コクヨウの胸元に顔を寄せてチュッと吸い付く。強めに吸えば、コクヨウの肌に赤い痕が残る。俺が付けた痕が残ってる。なんだか独占欲が満たされる気がする。これからもたまに付けよう。
「ふふっタカミが付けてくれたの嬉しい」
「俺も…悪くねえ。腹減ったし、行くぞ。」
「うん」
この周りにも沢山店があるらしいから、コクヨウ任せに店を選ぶ。昨日と同じく海鮮料理だったが、今度は香ばしく焼いて食べる形式のところだったようだ。刺し身も良かったが焼いた魚や貝、海老も美味い。
店を出ると、奴隷にされていた獣人が立っていた。少し警戒したが、俺達しか頼れる相手なんて居ないんだし、当然と言えば当然だな。それにしてもここに連れてきたときよりボロボロになるって何があったっていうんだ。
「…タカミ様…申し訳ありません…お金を貸して頂けませんか?」
「…別れてから何があった?」
「この街に入り、取り敢えず仕事を探す為にこの娘を連れて歩き回りました。けれど、やはり子連れで獣人の私を雇ってくれるところは見つけられず…あまつさえ頂いていたお金を暴漢に奪われてしまいました…。」
「そうか…取り敢えず、宿にいろ。疲れてるだろうし、最低限の飯は出してくれる。…仕事が見つからないなら取り敢えず、俺達と来い。まぁ…なんとかなるだろ。」
「ありがとうございます!ありがとうございます!!」
「コクヨウ、悪いな。」
「…タカミがそうしたいなら、仕方ないね。僕を助けてくれたときと一緒でしょ?いいよ。」
「あの…コクヨウ様は黒豹でいらっしゃいますか?」
「ん?ああ、そうだが?」
「…代わりと言っては何ですが、情報提供をしておこうかと…」
「?」
彼女が話してくれた話によれば、コクヨウはおそらく獣人族の支配階級。今は権力争い真っ只中。そのせいもあって、外部からの攻めに弱くなっていたところを突かれ、奴隷として捕らえられてしまったのだという。
まぁともかく、コクヨウは獣人族の支配地域には近付かないほうが良い、ということらしい。争いに巻き込まれる可能性が高いそうだ。
俺はコクヨウの故郷見ておくかー、位に思っていたから不用意に近付いてしまってもおかしくなかったので、教えてもらえて良かった。情報提供に感謝しつつ、取り敢えずこの人達のことは公爵に押し付け…お願いしようと思う。多分一人位雇ってくれんだろ。取り敢えずギルドで連絡取ってみるか。
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