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しおりを挟むまさかこんなに早く連絡が来るとはね。娘の命の恩人と言っても過言では無い彼らには、連絡先を渡しておいたけど…向こうから連絡してくるタイプでは無いと思っていた。まぁ繋がりが強くなるなら悪くない。
「それでどうしたのかな?」
「ヨハネ公爵に頼みがある。獣人地域の情報収集と子持ちの兎獣人一人雇ってやって。ただし、隷属魔法かけられてるから、扱いには気を付けたほうがいい。」
「…なるほどね。事情があるみたいだね。」
「あぁ、違法奴隷だ。魔物に囮にされかけてたところを保護してる。」
獣人地域の情報収集と保護した獣人の雇い先、か。獣人は基本的に能力が高い。だから雇うのは全然いいんだが。獣人地域の情報収集となると、頑張らないとかな。
「ふむ、雇うのは構わない。けれど、ヘーゲルまで連れてきてくれるかい?そこが私の領地なんだよ。」
「公爵様もそこに居るのか?」
「ああ、今はね。基本的には王都にいることが多いよ。」
「王都か。ヘーゲルはどの辺にあるんだ?」
「簡単に言うと、魔術都市から南西に行ったところにあるよ。今はどこに居るのかな?」
「魔術都市の南にある温泉街に来てる。」
「…となると、違法奴隷を保護したのもその道中と言うことだね…。近いな。気をつけておくよ。」
この辺りで違法奴隷を扱うような馬鹿は…隣の領主あたりかな。調査しないと。
「ああ。このまま西に行けばつくか?」
「ああ、つくと思うよ。」
「わかった。それじゃ。」
「あ、ちょっと…切れてる…」
…まるで嵐のような連絡だったな。言いたいことだけ言ったらブツリと切られてしまった。こちらにも言いたい事あったんだけどなぁ。娘の命が助かったこととか。そのお礼とか。
まぁこちらに来てくれるのだし、その時に改めて言うかな。今はタカミ君の頼み事を対処しようか。
「ミシェル、聞いていたね?君の息子を獣人地域に向かわせて。それから違法奴隷の調査も同時進行で。」
「かしこまりましました。すぐにでも出立させます。」
「ああ。それにしても兎獣人か。索敵能力も高いし、いい拾い物かな。」
「そうですね。メイドとして雇いますか?」
「いや、近くに置くと、暗殺なんかに利用されかねない。隷属魔法が解除できるまでは別荘の管理を任せる。」
「かしこまりましました。それではそのように手配致します。」
「ああ、頼んだよ。」
コクヨウくんは獣人だったからね、タカミくんもさぞ心配なことだろう。獣人の一族同士での争いは長きに渡って続いているけど、最近になってようやく終結を迎えそうなんだと聞いている。
まぁ知っているのはこの程度の事だけだ。獣人地域の中でもほんの一部での戦いだし、そんなに情報が聞こえてこないのも納得だね。そもそも獣人はあまり人間に好意的でないことが多いからな。情報収集も難しい。
そこはミシェルの息子たちに頑張ってもらおうかな。手を回して、王都から隷属魔法を解けるだけの魔術師を呼び寄せておかないと、ね。そんなにすぐに要請は通らないだろうけど。取り敢えず証拠集めだね。
最悪王にだけ話を通して強引にことを進める手もあるけど。あまり強引な行動をすると反感を買うから、最期の手段にしておきたいところだね。ボロを出してくれる相手だと証拠集めもやりやすくて良いんだけど…。
「ヨハネ様、そろそろリーシェお嬢様とのお食事の時間ですが。」
「ああ、そろそろ行かないとね。」
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