黒豹拾いました

おーか

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温泉を楽しんでから、出立したのはいいんだが…こうもすぐに面倒事に巻き込まれるかねぇ?あれ、違法奴隷の商人だよな。完全に俺達をターゲットにしてやがる。このままミリアたちを操って俺達を襲わせようって感じか。

まぁ、俺達はそれでも問題ねぇ訳だが、ミリアたちが気に病みそうだからな。さっさと制圧しに行くか。コクヨウと視線を交わす。一瞬の交錯で意図は正しく伝わる。ずっと一緒にいるだけあって視線だけでも意思疎通も完璧。流石コクヨウ。

「ミリア、アンズ悪いが縛るぞ。」

「はい…」「んー!」

「水縛」

水の縛りはそう強くないが、捕縛対象を傷付けずに済むから今は丁度いいだろう。違法奴隷商人達は俺達が動き始めた事に驚いているが、後ろにはコクヨウが迫っている。そのままぶっ飛ばされた。

「おつかれコクヨウ」

「うん、それでどうする?」

「んー…意識あると面倒そうだから商人共は寝かせとこう。捕縛したまま公爵様のところまで運ぶぞ。んで…中に捕まってる人たちは…どうしようなぁ?」

「あの、私達が話してきてもよろしいでしょうか?」

「ん、ミリアの知り合いか?」

「はい。しばらくは一緒でしたから。彼らの扱いはどうするおつもりですか?」

「ん?どうって言われてもな。別に自由にしてくれりゃいい。ただし俺達に付いてくるとかは無しだ。俺の番は嫉妬深いからな。」

「ふふっよくわかってるね。タカミ」

「わかりました。そのように。」

「ありがとうミリア。」

取り敢えずミリアに話を通してもらってから、檻や首輪を壊せばいいか。魔法は解いてやれねぇから、そこは公爵に任せよう。まぁ違法奴隷商人も捕まえちまったし…。報告だけはしとくか。ヨハネ公爵への連絡魔法を発動させ、閲覧制限をかけて書いた文章を送る。

そうこうしているうちに話も終わったようだ。ミリアがこちらに戻ってくる。

「話してきました。取り敢えず全員ヘーゲルへ向かおうと思います。」

「ああ。コクヨウ、頼む。」

「うん、タカミのお願いなら。」

コクヨウが檻に手をかけてぐにゃりと押し広げる。そして中にいた6名が出てくる。そして首輪も壊していく。そして代わりに奴隷商人共を檻の中に放り込んでまた檻に開けた空間を閉じる。

「んじゃ取り敢えずあんた等動けそうか?」

「…助けてくれてありがとう。すまないが…食べていないんだ。あまり動けそうにない。」

「全員そうか?」

「ああ…」

「それなら取り敢えずここで飯食うぞ。まだ食料はあるしな。足りなくなったら狩りに行けばいいだろ。得意だもんな?コクヨウ」

「うん、タカミの為なら美味しいお肉獲ってくるよ。」

「ふふっお前は本当に良い子だな。ヨシヨシ。取り敢えずなにか出してやってくれ。」

「うん」

「ミリア、料理してやってくれ。」

「はい、皆さん、少し待っていてくださいね。」

「まぁ取り敢えず飲み物だけでも飲んどいてくれ。」

「ありがとう!」「「「「ありがとうございます!」」」」

美味そうに飲むな。本当に喉乾いてたんだろうな。移動するにも体力戻してもらわねぇと困るからな。獣人は回復力が高いとはいえ、流石にここまで追い詰められてるとキツそうだからな。






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