不良×平凡

おーか

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副総長×平凡12

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正直言って油断していた。

だって学校の中はGRACEの人がいっぱいいるところだし安全だって思ってた…。

だから学校の帰り、秋夜さんが迎えに来る前にトイレに行っておこうと、一人で教室を出た。トイレを出ると待ち伏せされていて、殴られて意識も無かったから目が覚めてもここがどこなのかわからない。

目隠しはされていない。口は塞がれてるし、腕も縛られてるけど。少しでも状況把握したくてゆっくり目を開ける。人はいなかった。どこかの室内のベッドに寝かされているらしかった。捕まってしまった以上どうにもできないのは、自分でもわかっていたけど焦る気持ちが抑えられない。

冷静にならないと…。けれど俺のせいで、俺が捕まったせいで秋夜さんに何かあったら?鳴海に何かあったら、藍くんに何かあったら、茜くんに何かあったら。そんな考えが拭えない。

どうにか抜け出せないか、と腕を必死に動かして見るけれど、力を入れた腕に縄が食い込んで痛みを訴えてくるだけで、縄が外れる兆しはなさそうだった。 
クソッ俺はどうなっても自業自得だけど、他の人に被害が行くのはイヤだ。

どうか秋夜さんたちが、俺のことを見捨ててくれればいい。けれど、俺のことを見捨てるような人ではないことは、俺の中では確信に近い思いがあった。

唐突に静かな室内にドアを乱暴にあける音が響く。室内は少し薄暗く、入ってきた人物がどんな容姿であるか殆ど確認出来なかった。

「お?起きてんじゃん!銀狼のお気に入りちゃん?ま、起きたならいいや。銀狼呼び出して喧嘩してくれるまでここにいてな?」

「……」

どうせ声は出せないけれど、取り敢えず睨みつけておく。銀狼…って秋夜さん?呼び出して喧嘩するって…。大丈夫なのかな…。喧嘩してるところを見たことないから、秋夜さんがどのくらい強いのかわからない。

「あー…取り敢えず口は外してやっても良いけど、騒がないって約束な?」

「……」

話せないよりはマシだろうと、騒がないと言う条件に肯定を示すようにコクリと頷く。近づいて来た男に口のガムテープを乱暴にベリッと剥がされる。

「なんで俺をさらったんですか?銀狼って?」

剥がされて直ぐに質問を重ねた俺に少し驚いたような空気があったが、どうやら答えてくれるらしい。

「なんでってお前が銀狼…佐久間のお気に入りだからだろ?」

「さらって何をするつもりですか?」

「んー?俺、喧嘩好きなんだよ。特に強いやつとの喧嘩。佐久間と喧嘩したかっただけ」

「喧嘩ですか?俺をさらわなくても出来ますよね?」

「ダメダメ。あいつはあしらって来てガチでやってくんねぇから。お前さらわれたら怒るだろ?」

喧嘩好きか…秋夜さんが揉めてるっていう相手なのか?違うのか?

「俺に何するつもりですか?」

「お前には何もしねぇよ。お前が騒がなきゃな?」

「…わかりました。…あなたはGRACEと今揉めてる人なんですか?」

「いーや?俺は違う。けどな、最初にお前をさらおうとしてたのは、敵対組織。んで、たまたま俺が通りかかってそいつ等からさらってきたのが俺。」

??
どういうことだ?この人の言うことが正しいとすると、学校で殴ってきたのは、GRACEの敵対組織で、そいつ等がさらってるところを見たこの男が、敵対組織から助けてくれた?のか?

「……助けてくれた…のか?」

「まぁな、俺もさらってきたから変わらねぇかもしれないけどな。」   

「…ありがと…」

「ハハハッ!さらった相手に礼とか言うかよ。変なやつだなお前」
 
「あんたに言われたくない…それに如月香夜って名前があるんだよ!」

「あーはいはい、如月な、俺は望月愛人(もちづきあいと)よろしくな。」

「…ん、取り敢えずよろしく?ってか腕も外せよ!それに秋夜さんに連絡入れたいんだけど!」

「…外さねぇ。佐久間とタイマン終わったら外してやるから。」

「なんでそんなに喧嘩したいんだよ。それに秋夜さんを巻き込むなよ。」

「なんで…あんまり考えたことなかったな…たぶん楽しいから、だな。佐久間ってすげぇ強えって評判でな。そんなに噂になってたら気になんだろ?」

「そんなことで…はぁ…」

「ま、お前も起きたし、取り敢えず佐久間に連絡するわ。」

「はい…」





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