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153.魔術学園4
しおりを挟む入学式を終えて、同級生達と合流することになった。ククルさんやウェンさんの関係者と思しき、狐の子もいるようだ。テスラさんやウェンさん、ティナさんは先に帰ったけれど、帰りにはテスラさんが迎えに来てくれるらしい。
んー…友達出来るかなぁ…。クラスに戻る人たちの中に紛れて歩く。
「ナルア、見せてもらったぞお前の魔法、凄かったな。」
「あ、ククルさんありがとう」
「そう堅苦しく呼ばなくて良い。ククルと呼べ。」
「うん、わかったよ。ククル」
「ふっそれでいい。ところで、この間会った時も隣に居たあの男、何者なのだ?」
「んーと、俺の恋人だよ。」
「恋人…なるほど…。」
通りで睨まれるわけだ。俺がナルアを狙っているような素振りを見せたのだから当然だな。
「一度話したい。機会を設けてくれないか?」
「…聞いてみる。けど…期待はしないでね。」
「ああ」
ナルアは強いし、強さを基準として生きる竜人にとってはとても良い伴侶ということだ。だからといって無理強いするつもりもない。俺に対してこれだけ自由に振る舞う面白い相手を他に知らない。だからこそ、ナルアとはいい関係を築きたい。
その為にはまずあの男を説得する必要があるだろうな。それにしても恐ろしく強そうな男であったな。流石、俺を超える実力を持つナルアの伴侶といった所か。
話しながら歩いていたせいか、教室についたのは最後だったらしい。ククルが教えてくれた席に座る。うーん、ヒソヒソしてるなぁ。この学園には、年代様々な生徒が集まる。精神的にも大人な人が多いから大丈夫だと思ってたんだけど…。
大人だからといって…いや、大人だからこそ、凝り固まった思想で差別するんだな。それに大人だからこそ悪知恵も働くし、実行力もある。気を付けないと、ね。
先生がやってくるとやっと静かになった。やってきた先生は、フクロウの獣人のようだ。外見上の特徴がアウルさんと似ている。知的で静かな雰囲気を感じさせる。厳格そうな人で、厳しい表情をしている。眉間の皺や、吊目がそういった印象を抱かせる。
「このクラスを担当する、ミミスだ。これからこの学園で過ごす上でのルールを説明する。守れない者は罰則を与える。また罰が重なれば退学もあり得る。覚えておけ。」
退学の2文字にみんなの間に緊張が走ったのがわかる。そりゃそうだよね。入学した当日に退学だなんて…ミミス先生は淡々守るべきルールについて説明していく。私闘の禁止だとか、授業の参加数であったり、テストで実力を示さなければ、留年か退学なんて厳しいものもあった。
日本での校則を知っていればこんなものか、と思えるものだったが、皆の表情は暗い。取り敢えず俺は守れることばかりだったので問題はない。
「今日はこれで終了とする。明日から体験授業を受け、自分の受ける授業を1週間後までに決定して提出しろ。提出先については私の提出ボックスに入れればいい。以上だ。何か質問は?…………無いようだな。それでは解散。」
ミミス先生は、義務的に説明を終えると出ていった。教室には生徒だけが残されていた。少しくらいは話せるかと思い振り返るが、誰も目を合わせてくれない…。うぅ…心が折れそう。
「ナルア、もう帰るのか?」
「ククル、帰るよ。…誰も話してくれなさそうだし…」
「ふふっ拗ねているのか。愛らしいことだ。」
「むっ!!馬鹿にしてるでしょー!」
「いや、ははっ存外子供っぽい反応をするのでな。」
「だって…俺独りぼっちだし…友達居ないもん」
「俺では不満なのか?」
「…ククル友達になってくれるの?」
「ああ、というかもうそのつもりであったが…ナルアは違ったのだな?酷いやつだ」
「そ、そんな言い方…ごめん…」
「ははっ良いのだ。まぁ明日からもある。帰るか。」
「うん」
ククルと話していれば、クラスの面々の反応なんて忘れて校門まで歩いていた。ちゃんとテスラさんが待っていてくれて、そこで従者?の人がお迎えに来ていたククルと別れて家路についた。
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