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206.魔術学園2年生20
しおりを挟む大柄な獣人の4人組。剣を使う者ばかりのようで、全員が剣を背負っている。今は情けない姿を晒しているが…プライドの高そうな肉食獣人たちだ。話を聞いてくれるかどうか…。
「あんたたち大丈夫か?」
「あ…ああ…」
「いき…てる…」
「…こわ…かった…」
「しぬかと…」
「まぁ生きていられて幸運だったな。だが、自分の実力は把握しておいた方がいい。もしここに居たのが私達でなければ、他の者も巻き込んで死んでいたぞ」
テスラさんが冷たい眼差しで、彼らに言い放つ。まぁ事実だ。3層に見合った実力だったなら命はなかった。
「え?」「…」「すまない…」「悪い」
「ぽかんとしている辺り知らないのか。ダンジョンに入るには勉強不足と言わざる負えないな。リオネル、説明してやれ」
「はい、ダンジョンの徘徊ボスの場合、ターゲティングしている相手がいればセーフティエリアだろうが関係なく追ってきます。つまりセーフティエリアに逃げ込めば、セーフティエリアが戦場と化します。」
「ま、まじか…」
「…ボス…こえぇ…」
「すまなかった…」
「まじで悪い!」
「わかったならそれでいい。他者の忠告は聞いておくものだ。」
一斉に顔を青くするんだから、反省しているんだろう。悪い人たちではないらしいね。過剰な自信や自己中心的な考えは身を滅ぼすからね。今のうちに正せるなら正しておいたほうがいい。
「テスラさん、そろそろ街戻る?」
「ああ、そうだな…今日はイレギュラーがあったが、強い相手と戦えてちょうど良かった。これからも研鑽を積んで、長期休みには本格的にダンジョン探索出来るようにしなければな。」
「うん、頑張る!」
「頑張ります」
「今日は反省も多かった。次に活かす」
「うへぇ…何でみんなしてそんなにやる気なの…」
「あはは!頑張ろーねウェネル。テスラさんはスパルタだよー!」
「はぁ…程々にしてほしい…」
「駄目だ。甘やかすつもりは無い」
「…がんばりまーす」
「ああ」
ウェネルは気怠げにしつつも、やれと言われればちゃんとやり切るからね。努力できる子なんだ。それを分かってるからテスラさんもうるさくは言わないんだろう。
テスラさんは戦闘に関しては絶対に手を抜かないからね。その分俺が撫で撫でしてあげよ。あとアイスも!
ダンジョンを出る俺達についてくるらしい迷惑冒険者パーティー。どうやら帰り道が分からないらしい。ミノタウロスから逃げるのに闇雲に走りまくったせいでここがどこかも分からなくなったという。かといって闇雲に帰るにはダンジョンは広過ぎるからね。
「共に来てもいいが、3層を出るまでだ。それ以降は勝手に帰れ」
「「「「はい!ありがとうございます」」」」
後ろからそろそろとついて来る冒険者たち。無防備になりやすい背中を見せたくないが、前を歩かせるのも無理だと言うことで仕方なくだ。テスラさんが結界を張っていたので大丈夫だろうけど。
無事に2層に到着したが、通ってきた時とは状況が一変している。人が居ない…何かあったのか?だとしたら警戒しておかないとね。
2層も中盤まで来たあたりで、人に出くわした。注意を促しているらしい。徘徊ボスは階層移動もすることがあるからな…。
「おーい!あんたら!下の階層に徘徊ボスが見つかったんだ。すぐに避難を!」
「ミノタウロスのことか?」
「あ?おう!よく知ってんな。って知ってるなら話が早い。さっさとダンジョンを出ろ」
「それならば問題ない。もう既に倒した」
「……は?いやいやいや!そう簡単に倒せねぇ…ってアンタ…テスラ…か?」
「ああ」
「まじか…心配して損した…倒されてるなら安心だな。直ぐにギルドで討伐証明出してくれ!!緊急事態としてダンジョンに規制かかってるからよ」
「ああ、わかった」
その後も偶に人に出くわしたがみんな同じように、注意喚起して回ってくれているらしい。対応が早いなぁ。きっと階段で出会ったあの人達のお陰だろう。死傷者なんかは少なく済んだ方だと思う。
ギルドまで戻って、直ぐにミノタウロスの魔石を提出した。そして冒険者証を提示する。それ以外の魔石も買い取って貰いたいが、ギルドも今はそれどころではないだろう。
「こ、これは!?少々お待ちください!!」
「ああ」
ミノタウロスの魔石を持って慌ただしく奥へと駆けていく職員。その後、状況確認のために応接室に呼ばれて、ギルド長にミノタウロスについての情報提供をした。魔石は鑑定も終えて、討伐確認が取れたので直ぐに討伐の知らせが張り出された。ダンジョン内の知らせて回っている人たちにも情報がすぐに回るだろう。
こんなにも大事だと思ってなかったけど、一件落着!
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