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205.魔術学園2年生19
しおりを挟む腹も満たしたことだし、セーフティエリアで腹ごなしに軽く動いておく。リオネルと組手をした。やっぱり力強くなってるし、いなすのも簡単じゃない。10分間程リオネルと戯れ合うように組手をしていた。
「リオネル、俺もいいか?」
「構わないよククル」
「ナルアは俺とね。」
「ウェネルがやる気なの珍しいね。いいよ。」
「程々にしておくように。」
「「「「はい!」」」」
ウェネルは素早さ重視なのか、手数が多い。中々避けるので精一杯。攻撃は軽い動きに見えるが、しっかりとした重さがある。只管避けに徹して、偶にカウンターで攻撃する。当たってもダメージは無いようにしてるから、ウェネルは悔しそうにしている。
「お前たち、そこまでだ。そろそろ休憩は終わりだ。」
テスラさんから声がかかって、動きを止める。水分補給をして、置いていた装備なんかを身に着けていく。ちょうど良くノエルも戻って来た。齎された徘徊ボスの情報にピリッとした緊張が走る。
「ご主人、ただいま」
「ん、おかえりノエル」
「見つけてきたよ。ここに来ると思う」
「え?うん、ありがとう。危ない目にあったりしなかった?」
「へーき。」
「ご主人、近づいてくるよ。」
「え?」
聞き間違いかと思ってたけど、本当に来るのか。一気に身構える。辺りが騒がしくなる。叫び声が通路から響いてくる。
「「「「うわああああ!!!」」」」
セーフティエリアに駆け込んでくる人たち。先程止められたのを無視して3層へ降りていった人達だ。彼らの後ろにはおそらく例の徘徊ボス…追いつかれるギリギリでセーフティエリアに入り込んだパーティー。
近づく濃密な気配がわかる。これは確かに3層に居ていいレベルじゃないみたいだね。ウェネルとククルが前に出る。俺達の2倍以上の背丈で、こちらに気付いて敵意を向けてくる。威圧感がある。
「ガルアアアアアア!!!」
「行くぞウェネル」
「ん」
「おい、お前ら邪魔だから下がってろ。」
もはや腰も抜けて、ぶるぶると震えるだけになった彼らを邪魔にならない位置まで下がらせる。俺達はいつでも支援出来るように、構えた状態で戦いを見守る。
ブチギレ状態に見えるミノタウロスは持っている斧を振り上げ、横振りで薙ぎ払うようにウェネルとククルのいた位置を刃が襲う。身軽な動きで躱して直ぐさま攻撃に移る。ククルが魔力を通した剣で斬りかかり、肩口に小さくない傷を負わせた。
ウェネルは風魔法で巧みに重心をずらして、体制を崩させていた。見事としか言いようがないね。そこを見逃す事なく、ククルが的確に攻撃ていく。チームワークバッチリだね。
しかし流石にボスなだけあって、そのままやられてはくれない。魔力を放出することで、刃の通りを悪くして防御力をあげてくる。その変化に対応しきれなかった一瞬の隙をついて、ククルが斧の攻撃を受けて飛ばされる。
壁に激闘しそうになるのを風の魔法でフワリと受け止める。よかった…
「ありがとうナルア」
「うん」
「喋ってないで直ぐ戻ってよね!!俺じゃ前衛には力不足なんだから!」
「すまんウェネル」
確かに正面からあの斧を受け止めるなんて力技はウェネルや俺には難しいよね。その後は番狂わせもなく、そのままククルとウェネルが押切ってミノタウロスを無事に倒した。
「お疲れウェネル!ククル!」
「ありがとう」「ん」
「油断したところ以外はまぁ合格点だな。命に関わる事だ。油断しないように」
「「はい」」
ところで後ろにいるパーティーの問題がある。放っておいて立ち去りたいけど…無理そうだなぁ…
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