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231.帰還
しおりを挟む俺達は無事にダンジョンのスタンピードを防ぐことが出来た。ダンジョンクリアによって、転移魔法陣で入り口まで帰還することができた。俺達は疲れ切った身体で、細かい傷も沢山ある。
入り口にはウェンさんが待っていてくれた。恐らくスタンピードの対応ができる人員でもあるためここに居てくれたのだろう。
「待ってたっすよ。お疲れ様っす。ツェルトさんは…大丈夫そうっすね。そのままついてきてくれるっすか?」
「おう」
「ナルアくんはお疲れっすね…テスラさんも」
「ああ…魔力が空っぽだ…流石に限界だな…」
「歩けそうっすか?」
「家までならなんとか、な。」
「了解っす。魔力ポーションとポーションは準備してあるっすから。」
「ああ…」
テスラさんと支え合いながらなんとか帰り着き、そのままベッドに倒れ込む。今はもう身体が汚いだとかそんなことは考えていられなかった。テスラさんの体温を感じながら意識が沈んでいく。
リオネルはロウ君に迎えられて、手厚い看病を受けることになった。ツェルトさんが一番元気で、流石に騎士団長を務めたこともあり体力が違うのだろう。
「リオネル…生きてる…良かった…良かった!!おかえりリオネル」
「ただいまロウ。心配かけてごめんね…」
「いいよ…暫く安静にね!」
「ん、ロウが側にいてくれるなら大人しくしてる」
「うん、側にいる」
俺が懇懇と眠りについている間、ティアウェルが心配して付いていてくれたらしい。暖かなもふもふの安心感もあってか眠りすぎてしまっていた。起きた時にはティアウェルに舐め回され、沢山甘えてくれた。撫でろ!とばかりに俺の膝に鎮座するティアウェル…クリクリの瞳が見上げてきて愛らしい。
「きゅー!きゅーん!」
「ティアウェル…ふふっ可愛い」
「むきゅ!!」
「よしよし」
因みにテスラさんは俺の半分くらいの睡眠で起きたようで、既にベッドに姿はなかった。俺が目覚めたことに気が付くとご飯などを甲斐甲斐しく持ってきてくれた。テスラさんだって疲れている…よな?これがアルファとオメガの差なのか…
「ナルア、お腹空いただろう?」
「うん、ありがとうテスラさん。でもテスラさん、もう動いて大丈夫なの?」
「ああ、十分休んだ。」
「そっか。……ごちそうさま!美味しかった!」
「ああ、皿を下げてくる」
「うん。ねぇ、テスラさん。」
「ん?なんだ?」
「んふふ、俺もう少し寝たいから…一緒に寝て?」
「分かった。すぐに戻って来る」
「うん」
俺達が休んでいる間に世の中は落ち着きを取り戻しつつあった。サンディーテもスタンピードを無事に乗り越えて、優秀な王の手腕で復興がなされ、王国もドラゴンに破壊された街以外は無事だった。竜人国も守りきったようだ。
魔術学園都市も無事であったし…これで一件落着。と思っていたのは俺だけだった。いつの間にか俺達は英雄に祭り上げられ、フェルノさんに文句を言っても収集がつかない所まで来ていた。
英雄の凱旋パレードをする、などと言われたが、全力で姿を隠して終えることに成功した。パレードを見に来た人たちは、誰も居ないように見える車に唖然としていたが、嫌なものは嫌なのだ。それでもパレードに参加しただけマシだろうと思う。
俺の代わりにツェルトさんやリオネルが目立ってくれたので、あの二人に英雄役は押し付けておこう。俺は平和に暮らしたいのだ。
しかし、学校に通うのはもう無理そうだ…騒がれるし、狙われるだろうし…。ホノくんが帰ってくるのを見たかったんだけど。まぁ、きっと会いに来てくれることだろう。
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