世にも不幸な女達

あやか

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消しゴム 本当は不幸な女

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靴を脱ぐのがこんなに怖い事があっただろうか


逃げ出したい


知りたくない







見たくない










でも信じたい彼等を



そのためには・・・






「愛してる・・・」




寝室から聞こえる優也の声に涙も出ない





私は彼に愛してるなんて言われた事ない。





寝室のドアをゆっくり開ける




きしむベッド


優也の唇が髪の長い女の体を伝う



暗くて見にくいはずなのに

しっかり見える






ねぇ・・・唯





いつからなの?








いつから優也に愛されてるの?







2人は夢中で愛し合ってた


ドアの隙間から覗く私に全く気づかない










そうだ。私は優也に好きとも愛してるとも言われた事がない


優也は私に決して心から笑いかけない





あんたが居たからなのよね














音がたたないようにゆっくりドアを閉める




消えればいいのよ唯




あんたさえ消えれば



あんたさえ消えれば




あんたさえ消えれば









               高山 唯





真っ暗なリビングで夢中で鉛筆を取り

郵便物の白い封筒に殴り書きした。






消えればいいのよ







私の幸せのために





消えなさい






トートバッグに紛れ込んだ消しゴムは


なぜかすぐに手に当たり


私は消しゴムで唯の名前を消した














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