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消しゴム 幸せ
しおりを挟む私は幸せだ。
エコバッグにパンパンに詰められた食材をもって
家に向かう
私は幸せだ。
私は幸せなんだ。
もぅマンションが見えている
何故か涙が溢れ出す。
男の言葉がグルグル回る
「本当は幸せじゃない」
そんな訳ない
私は幸せだ
努力しなくたってパパがお金持ちだから
何不自由なく生活できる。
アパートに住む人々の生活なんて想像できない
海外旅行に行ったことないなんて
チェーン店の焼肉でお祝い？
それでも幸せと言うの？
お金持ちが幸せなのよ
そうでしょ？優也・・・
マンションのエントランスを通り
28階へ
ほら。私はこんなに上に住めるのよ
ほら。私はこんなに遠くまで見渡せる
秋の少し冷たい風が頬を伝う
ほら。私は幸せだ
最高に
2803号室
マンションの最上階の部屋は4室しかなく
すべて角部屋だ。
こんないい部屋に住める
ゆっくり2803号室のドアを開ける
玄関には優也の靴とベーシュのヒール
見覚えのある靴
本当は幸せじゃない
血の気が引いた
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