7 / 48
第07話 散歩同行と、距離感のズレ
しおりを挟む
昼下がりの光が、屋敷の白壁を柔らかく照らしていた。
静かに風が吹き抜け、庭の花々がふわりと揺れる。
どこまでも穏やかな空気に包まれながら、ユリウスは長く息を吐いた。
「……窒息しそうだ」
ここ数日、彼はカインの完璧すぎる世話に晒され続けている。
起床から就寝、果ては寝間着の管理まで――過保護を通り越して、もはや軟禁状態。
当初は苦笑いで済ませていたが、ついに精神の限界が来ていた。
靴を履きながら、わざとらしく声を張る。
「ちょっと外の空気、吸ってきますから……!」
その声に、すぐさま背後からカインの低い声が響いた。
「どこへ行く」
「どこでもいいです。せいぜい庭の周りくらい」
「なら俺も行こう」
「いやいや!一人で歩きたいって言ってるんです!」
「危ない」
「庭のどこに危険があるって言うんですか!」
「石につまずくかもしれない」
「……私は幼児じゃない!!」
だがカインは、何の迷いもなく外套に袖を通していた。
この男には、理屈で止めるという選択肢が存在しないのだとユリウスは改めて悟った。
屋敷裏の石畳を抜け、手入れの行き届いた小道を歩く。
昼の陽射しは優しく、庭の芝が光を反射して、目にまぶしい。
遠く、塀の向こうに町の屋根が連なり、風に乗ってパン屋の香ばしい匂いまで運ばれてくる。
「……久しぶりに人の声を聞いた気がしますね」
「俺がいる」
「そういう『人』じゃないんです!」
つい語気を強めてしまい、ユリウスは自分の声に呆れたように眉をしかめた。
それでも、並んで歩く足取りはどこか心地よい。
陽光を浴びて、ユリウスの淡金の髪がきらきらと光っている。
その姿に気づいたのか、塀越しに通りすがりの婦人たちが足を止めた。
「まあ……素敵ねえ、あの二人」
「ご夫婦かしら?あんな旦那様、憧れるわね」
「……」
「……」
沈黙が、二人の間に滑り込んだ。
聞こえなかったフリをするには、あまりにも声がはっきりしていた。
堪らず、ユリウスが口を開く。
「やめろ! 誤解されてるから!!」
「俺は何も言っていない」
「その顔が認めてるように見えるんですよ!」
「否定する理由がない」
「理由は山ほどあるでしょう!?第一、私は男だ!」
通りすぎるごとに、微笑みと共に手を振られ、まるで祝福の行列のようだった。
もうこれは何かの呪いではないのか、とすら思えてくる。
顔を覆い、ユリウスは盛大にため息をついた。
「……この屋敷、絶対に呪われてます、間違いなく呪われていますよ」
「違う、守られているだけだ」
「だから、それが問題なんですよ!」
二人がそんなやり取りをしていたその時、庭園の奥から軽やかな足音が駆けてきた。
使用人の子ども――まだ八つか九つほどの少年が、白くて人懐こい犬を連れて小道を走ってくる。
「こんにちは、ユリウスさま!」
「ああ、こんにちは」
ユリウスが笑みを浮かべて応じると、少年は勢いよく頭を下げ次にカインの方を向いた。
「カインさまも、こんにちは!」
「ああ」
カインが短く返す。
少年は嬉しそうににこにこしながら、犬の首元を撫でた。
「この子ね、今日お風呂に入れたばっかりなんですよ。毛がふかふかなんです!」
誇らしげに言うその言葉に合わせるように、犬の白くふさふさした毛並みが陽を浴びて揺れた。
つぶらな瞳がこちらをじっと見つめている。
犬はユリウスの前にぴたりと立ち、尻尾をふりふりと振っていた。
思わず頬がゆるむ。
ユリウスは自然と膝を折り、しゃがみ込んで手を差し出す。
「……かわいいな。おいで」
犬が嬉しそうに短く吠えると、少年が笑いながら言った。
「この子、ユリウスさまのことが大好きなんですよ。いつもお屋敷の窓の下で待ってるんです」
「そうなのか……ふふ、ありがとう」
犬が小さく鳴きながら、ユリウスの手元へと近づいてくる。
その姿に、ほんの少し心がほぐれた――まさにその時だった。
ユリウスの足元にあった小石が、かすかにズレる。
「うわっ!」
足を滑らせた身体が前のめりに傾く。
地面へ倒れ込む寸前――がっしりとした腕がユリウスの腰をしっかりと抱え上げた。
温かい体温と、安定した力強さに包まれて体がふっと宙に浮いたような感覚になる。
視線を上げると、そこにあったのは――カインの顔。
至近距離。息がかかるほど近く、胸に頬が触れそうなほどの距離。
「……反射的に助けただけだ」
「っ、そ、それで十分ですから……離してください!」
思わず裏返った声。
だが、抱えられたままでは力が入らず、抵抗しようにもできない。
鼓動だけが無意味に早まり、体温がじりじりと上がっていく。
数秒の沈黙――まるで時間が止まったようだった。
「……」
「……」
「……本当に、反射ですか」
ユリウスがようやく口を開く。
頬は赤く、視線は泳いでいる。
「そうだ。昔からの癖でな」
「護衛の癖、どれだけ染みついてるんですか!」
ようやく身体を離されると、ユリウスは慌てて距離を取った。
頬の熱は収まらず、目を合わせることすらままならない。
その横で、犬が「ワン」と一声。
まるでからかうように、尻尾をぶんぶん振っている。
「……笑われましたね」
「犬には分かるんだろう」
「何が!?」
「大切なものを守る時の顔、だ」
「だから、そういうこと言うなあああっ!!」
声を張りながら、ユリウスはそっぽを向いて早足で歩き出す。
カインは何も言わず、静かにその背を追った。
少年はそのやりとりをぽかんと見ていたが、犬の頭を撫でながらぽつりと呟いた。
「……やっぱり仲いいなあ、あの二人。そう思わない?」
「ワン!」
犬がとても良い顔をして、吠えた。
▽
子どもと犬と別れた後の帰り道、陽が少しずつ傾いていく。
黄金色の光が庭園を照らし、ふたりの影を長く伸ばしていた。
門が見え始めたその時、カインがふと呟いた。
「……昔も、こうだったな」
ユリウスが振り返る。
風が一筋、頬を撫でていく。
「昔?」
「お前が初めて庭の外に出た日。ほんの一歩、敷地の外に踏み出したとき、転びそうになって――俺が支えた」
「……そんな昔話、よく覚えてますね」
「忘れられると思うか?」
その目が、まっすぐにユリウスを見ていた。
澄んでいて、揺るぎなくて、なぜか心の奥を掬い上げられるような気がする。
思わず、顔を逸らす。
「……あの頃、あなたはただの護衛だった」
「今も、そうだ」
「……本当に……それだけ?」
ユリウスの言葉に、カインは沈黙する。
けれどその沈黙が、何よりも雄弁だった。
ユリウスは視線を落とす。
胸の奥が、ふわりと熱を帯びる。
陽光がゆっくりと落ちていく――芝の上に映ったふたりの影がゆっくりと重なり、揺れていたのだった。
静かに風が吹き抜け、庭の花々がふわりと揺れる。
どこまでも穏やかな空気に包まれながら、ユリウスは長く息を吐いた。
「……窒息しそうだ」
ここ数日、彼はカインの完璧すぎる世話に晒され続けている。
起床から就寝、果ては寝間着の管理まで――過保護を通り越して、もはや軟禁状態。
当初は苦笑いで済ませていたが、ついに精神の限界が来ていた。
靴を履きながら、わざとらしく声を張る。
「ちょっと外の空気、吸ってきますから……!」
その声に、すぐさま背後からカインの低い声が響いた。
「どこへ行く」
「どこでもいいです。せいぜい庭の周りくらい」
「なら俺も行こう」
「いやいや!一人で歩きたいって言ってるんです!」
「危ない」
「庭のどこに危険があるって言うんですか!」
「石につまずくかもしれない」
「……私は幼児じゃない!!」
だがカインは、何の迷いもなく外套に袖を通していた。
この男には、理屈で止めるという選択肢が存在しないのだとユリウスは改めて悟った。
屋敷裏の石畳を抜け、手入れの行き届いた小道を歩く。
昼の陽射しは優しく、庭の芝が光を反射して、目にまぶしい。
遠く、塀の向こうに町の屋根が連なり、風に乗ってパン屋の香ばしい匂いまで運ばれてくる。
「……久しぶりに人の声を聞いた気がしますね」
「俺がいる」
「そういう『人』じゃないんです!」
つい語気を強めてしまい、ユリウスは自分の声に呆れたように眉をしかめた。
それでも、並んで歩く足取りはどこか心地よい。
陽光を浴びて、ユリウスの淡金の髪がきらきらと光っている。
その姿に気づいたのか、塀越しに通りすがりの婦人たちが足を止めた。
「まあ……素敵ねえ、あの二人」
「ご夫婦かしら?あんな旦那様、憧れるわね」
「……」
「……」
沈黙が、二人の間に滑り込んだ。
聞こえなかったフリをするには、あまりにも声がはっきりしていた。
堪らず、ユリウスが口を開く。
「やめろ! 誤解されてるから!!」
「俺は何も言っていない」
「その顔が認めてるように見えるんですよ!」
「否定する理由がない」
「理由は山ほどあるでしょう!?第一、私は男だ!」
通りすぎるごとに、微笑みと共に手を振られ、まるで祝福の行列のようだった。
もうこれは何かの呪いではないのか、とすら思えてくる。
顔を覆い、ユリウスは盛大にため息をついた。
「……この屋敷、絶対に呪われてます、間違いなく呪われていますよ」
「違う、守られているだけだ」
「だから、それが問題なんですよ!」
二人がそんなやり取りをしていたその時、庭園の奥から軽やかな足音が駆けてきた。
使用人の子ども――まだ八つか九つほどの少年が、白くて人懐こい犬を連れて小道を走ってくる。
「こんにちは、ユリウスさま!」
「ああ、こんにちは」
ユリウスが笑みを浮かべて応じると、少年は勢いよく頭を下げ次にカインの方を向いた。
「カインさまも、こんにちは!」
「ああ」
カインが短く返す。
少年は嬉しそうににこにこしながら、犬の首元を撫でた。
「この子ね、今日お風呂に入れたばっかりなんですよ。毛がふかふかなんです!」
誇らしげに言うその言葉に合わせるように、犬の白くふさふさした毛並みが陽を浴びて揺れた。
つぶらな瞳がこちらをじっと見つめている。
犬はユリウスの前にぴたりと立ち、尻尾をふりふりと振っていた。
思わず頬がゆるむ。
ユリウスは自然と膝を折り、しゃがみ込んで手を差し出す。
「……かわいいな。おいで」
犬が嬉しそうに短く吠えると、少年が笑いながら言った。
「この子、ユリウスさまのことが大好きなんですよ。いつもお屋敷の窓の下で待ってるんです」
「そうなのか……ふふ、ありがとう」
犬が小さく鳴きながら、ユリウスの手元へと近づいてくる。
その姿に、ほんの少し心がほぐれた――まさにその時だった。
ユリウスの足元にあった小石が、かすかにズレる。
「うわっ!」
足を滑らせた身体が前のめりに傾く。
地面へ倒れ込む寸前――がっしりとした腕がユリウスの腰をしっかりと抱え上げた。
温かい体温と、安定した力強さに包まれて体がふっと宙に浮いたような感覚になる。
視線を上げると、そこにあったのは――カインの顔。
至近距離。息がかかるほど近く、胸に頬が触れそうなほどの距離。
「……反射的に助けただけだ」
「っ、そ、それで十分ですから……離してください!」
思わず裏返った声。
だが、抱えられたままでは力が入らず、抵抗しようにもできない。
鼓動だけが無意味に早まり、体温がじりじりと上がっていく。
数秒の沈黙――まるで時間が止まったようだった。
「……」
「……」
「……本当に、反射ですか」
ユリウスがようやく口を開く。
頬は赤く、視線は泳いでいる。
「そうだ。昔からの癖でな」
「護衛の癖、どれだけ染みついてるんですか!」
ようやく身体を離されると、ユリウスは慌てて距離を取った。
頬の熱は収まらず、目を合わせることすらままならない。
その横で、犬が「ワン」と一声。
まるでからかうように、尻尾をぶんぶん振っている。
「……笑われましたね」
「犬には分かるんだろう」
「何が!?」
「大切なものを守る時の顔、だ」
「だから、そういうこと言うなあああっ!!」
声を張りながら、ユリウスはそっぽを向いて早足で歩き出す。
カインは何も言わず、静かにその背を追った。
少年はそのやりとりをぽかんと見ていたが、犬の頭を撫でながらぽつりと呟いた。
「……やっぱり仲いいなあ、あの二人。そう思わない?」
「ワン!」
犬がとても良い顔をして、吠えた。
▽
子どもと犬と別れた後の帰り道、陽が少しずつ傾いていく。
黄金色の光が庭園を照らし、ふたりの影を長く伸ばしていた。
門が見え始めたその時、カインがふと呟いた。
「……昔も、こうだったな」
ユリウスが振り返る。
風が一筋、頬を撫でていく。
「昔?」
「お前が初めて庭の外に出た日。ほんの一歩、敷地の外に踏み出したとき、転びそうになって――俺が支えた」
「……そんな昔話、よく覚えてますね」
「忘れられると思うか?」
その目が、まっすぐにユリウスを見ていた。
澄んでいて、揺るぎなくて、なぜか心の奥を掬い上げられるような気がする。
思わず、顔を逸らす。
「……あの頃、あなたはただの護衛だった」
「今も、そうだ」
「……本当に……それだけ?」
ユリウスの言葉に、カインは沈黙する。
けれどその沈黙が、何よりも雄弁だった。
ユリウスは視線を落とす。
胸の奥が、ふわりと熱を帯びる。
陽光がゆっくりと落ちていく――芝の上に映ったふたりの影がゆっくりと重なり、揺れていたのだった。
37
あなたにおすすめの小説
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます
ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。
しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。
——このままじゃ、王太子に処刑される。
前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。
中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。
囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。
ところが動くほど状況は悪化していく。
レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、
カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、
隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。
しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。
周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり——
自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。
誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う——
ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。
【完結】逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。
しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです…
本当の花嫁じゃないとばれたら大変!
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
冷徹勇猛な竜将アルファは純粋無垢な王子オメガに甘えたいのだ! ~だけど殿下は僕に、癒ししか求めてくれないのかな……~
大波小波
BL
フェリックス・エディン・ラヴィゲールは、ネイトステフ王国の第三王子だ。
端正だが、どこか猛禽類の鋭さを思わせる面立ち。
鋭い長剣を振るう、引き締まった体。
第二性がアルファだからというだけではない、自らを鍛え抜いた武人だった。
彼は『竜将』と呼ばれる称号と共に、内戦に苦しむ隣国へと派遣されていた。
軍閥のクーデターにより内戦の起きた、テミスアーリン王国。
そこでは、国王の第二夫人が亡命の準備を急いでいた。
王は戦闘で命を落とし、彼の正妻である王妃は早々と我が子を連れて逃げている。
仮王として指揮をとる第二夫人の長男は、近隣諸国へ支援を求めて欲しいと、彼女に亡命を勧めた。
仮王の弟である、アルネ・エドゥアルド・クラルは、兄の力になれない歯がゆさを感じていた。
瑞々しい、均整の取れた体。
絹のような栗色の髪に、白い肌。
美しい面立ちだが、茶目っ気も覗くつぶらな瞳。
第二性はオメガだが、彼は利発で優しい少年だった。
そんなアルネは兄から聞いた、隣国の支援部隊を指揮する『竜将』の名を呟く。
「フェリックス・エディン・ラヴィゲール殿下……」
不思議と、勇気が湧いてくる。
「長い、お名前。まるで、呪文みたい」
その名が、恋の呪文となる日が近いことを、アルネはまだ知らなかった。
【完結】スパダリを目指していたらスパダリに食われた話
紫蘇
BL
給湯室で女の子が話していた。
理想の彼氏はスパダリよ!
スパダリ、というやつになったらモテるらしいと分かった俺、安田陽向(ヒナタ)は、スパダリになるべく会社でも有名なスパダリ…長船政景(マサカゲ)課長に弟子入りするのであった。
受:安田陽向
天性の人たらしで、誰からも好かれる人間。
社会人になってからは友人と遊ぶことも減り、独り身の寂しさを噛み締めている。
社内システム開発課という変人どもの集まりの中で唯一まともに一般人と会話できる貴重な存在。
ただ、孤独を脱したいからスパダリになろうという思考はやはり変人のそれである。
攻:長船政景
35歳、大人の雰囲気を漂わせる男前。
いわゆるスパダリ、中身は拗らせ変態。
妹の美咲がモデルをしており、交友関係にキラキラしたものが垣間見える。
サブキャラ
長船美咲:27歳、長船政景の年の離れた妹。
抜群のスタイルを生かし、ランウェイで長らく活躍しているモデル。
兄の恋を応援するつもりがまさかこんなことになるとは。
高田寿也:28歳、美咲の彼氏。
そろそろ美咲と結婚したいなと思っているが、義理の兄がコレになるのかと思うと悩ましい。
義理の兄の恋愛事情に巻き込まれ、事件にだけはならないでくれと祈る日々が始まる…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる