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グレン吼える
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王都の『穴』からワイバーンが出た。
冗談の様な報告を受け現場に向かう。
すでに第二騎士団が交戦している。第三
騎士団は住民の避難で手一杯だ。
火の手が上がった街を駆け抜ける。
この辺りは建物の損壊がひどい。
空を見上げるといた!
ワイバーンだ。
「何匹いるんだ……」
視認しただけで、八匹いる。
この数百年年。
王都に魔物が侵入したことはない。
あり得ない状況だ。
爆発音と細かい瓦礫が降ってくる。
神殿の屋根の上でゴドフリーがワイバーンと
戦っている。
さすが鬼神のカルヴァンだ。
単独でワイバーンと戦える奴はそういない。
老いてなおその強さだ。
オーウェンといい、ゴドフリーといい元気な
ジジイどもだ。
うっかりゴドフリーの戦いに見惚れていると
後ろから斬りかかられる。
「帝国兵?」
振り向き様に斬り捨てる。
帝国の兵士がひしめいていた。
取り囲まれている。
「貴様ら『穴』から転移してきたな?ふん。
『穴』は帝国の謀略。……宣戦布告なしか」
ウインドカッターが飛んでくる。
それに呼応して一斉に斬りかかって
くる兵士。ウジ虫どもが土足で上がり込み
やがって。
氷結魔法で氷付けにしてから、雷撃で粉々
にする。剣を振るうことさえ煩わしい。
「うわっ、グレン様。何て事するんですか。
後片付けの事を考えて下さい。解凍したら
挽き肉ですよ。
せめて原型を残して下さい!!」
路地裏からマクドネルが走ってくる。
コイツはまたこんな時に、細かいことを……。
「阿呆が!くだらん事を言ってる暇がある
なら状況を報告しろ!!」
「ワイバーン、十体。帝国兵およそ二千。
『穴』からの転移です」
「……十体?八匹しか見当たらないが?」
「オーウェン様が一体、私が一体。すでに
仕留めました。もうじきもう一体……」
上を見上げると爆音とともに、首のない
ワイバーンが墜ちてきた。ゴドフリーが
仕留めたな。
「……片付きましたね」
「あと七匹か。ところでお前負傷したな?」
「左肩をやられました。面目ない」
「血は浴びてないだろうな?見せてみろ」
ワイバーンの血は猛毒だ。
傷口から入ったら取り返しがつかない。
結構ざっくりやられているな。
魔物に付けられた傷は治り難い。
治癒魔法をかけるが、なかなか血が止ま
らない。
ふと、アニエスを思い出す。
白竜に付けられた傷口は、すぐに止血でき
たし、アルフォンスの治癒魔法で傷もきれ
いに治った。
やはり、あれが異常なんだな……。
「なんです?人の傷を見ながらそんな蕩け
た顔をしないで下さい。あんた変態か」
「俺が変態で国が滅ぶか?」
「……滅びません。ヤダなこんな上官」
うるさい奴だ。コイツのぼやきはイラつく。
なんとか止血し、布を巻く。
「もう、お前は帝国兵を相手にしろ。魔物は
無理だ。後方支援に徹しろ」
「はい、申し訳ありません。そうさせて
頂きます」
そう言って走り去るマクドネルを見送る。
ふん素直だな。うるさい奴だが驕りがない。
引き際をきちんと分かっている。
いい騎士だ。
俺は左上空を旋回するワイバーンに狙いを
定める。植物魔法で蔦蔓を何本も絡め、
口も塞いだうえで地上に引きずり墜とす。
さて、どう料理する。
暴れまわるワイバーンを前に悩む。
マクドネルの奴、後片付けを考えろと言って
いたな。粉々にすると猛毒な挽き肉になる。
面倒だが首を落とすか?
剣を抜いたところでワイバーンが燃え上がる。
あっという間に消し炭になるワイバーンに
呆然とする。
「オーウェン。人の獲物を横取りするな」
振り向くとオーウェンがヘラヘラ笑いながら
立っていた。相変わらす嘘臭い笑みだ。
アニエス、お前、絶対騙されてるから。
アニエスはオーウェンの事を
『なんて善い人』
と思っているが、奴は王家の影だ。
善い人の訳がないだろう。
「相変わらず、火炎魔法は苦手とみえる。
まだまだですなグレン様」
ちっ、痛い所を突くな。
そう俺は火炎魔法も得意ではない。
使えるには使えるがワイバーンを燃し尽く
すような火力は出せない。
一方、オーウェンは『炎の』ザルツコードと
呼ばれるほどの火炎魔法の遣い手だ。
「……これが終わったら修行する必要がある
な。また稽古をつけてもらえるか?」
子供の頃、俺もアルバート、アルフォンスも
コイツのしごきに死ぬような目に
遭わされた。今でもコイツが苦手だ。
「ええ、ええ。いいですとも。それはそれは
ハードなメニューをご用意させて頂きます。
それはそうと……うちの可愛い義娘にずいぶん『虫刺され』を作ってくれましたね。
ふふふ、燃やされたいか?この小僧」
「……今、それを持ち出すか?」
数日前、お仕置きと称してアニエスの首
から背にかけて所有印、キスマークを
これでもかとアニエス本人には見えづらい
場所に付けまくった。
浮かれていた。オーウェンの存在を丸っと
忘れていた。
しかし、オーウェンのアニエスへの溺愛は
予想外だった。元々、マリーナ(愛妻)に
似た女の子が欲しいと頑張って子供を五人
も作った男だ。
全員自分似の男の子しか恵まれず、
更にオーウェンの長男である第三騎士団長
のマルクは三人の子持ちだが、いずれも男。
孫まで男。
そんな中、アニエスが義娘となった。
可愛い顔でニッコリ笑って『お義父様』と
言われた瞬間、オーウェンが堕ちた。
また、ザルツコード夫人がアニエスを本当の
娘のように可愛いがっているため、夫人命の
この男は溺愛パパと成り下がった。
俺にとっては面倒な案件だ。
しかし、今?
俺は周りを見回す。
王都のこの辺りはほぼ壊滅。
上空でワイバーンがブレスを吐きまくる
この状況で……。
「グレン様、婚約したかったら。……婚儀が
済むまで……順序を守りましょうね?」
笑いながら青筋をたてるこの男の方が
ワイバーンより正直怖い。
「……善処する」
喘ぐように返事をするとオーウェンが
空を見上げる。
元気にゴドフリーがもう一匹ワイバーンを
仕留めていた。
「今なら娘可愛さに暴言を吐いたゴドフリー
の気持ちが分かります。確かに娘に近寄る
男は害虫にしか見えない。
後先考えず奴隷ごときがと罵りたくもなる」
「すまんな害虫で。……アイリスの話か?」
「ええ。私がつまらない事で腹を立てず、
アイツの側にいれば、みすみすアイリスを
あんな男と見合いなどさせなかった。
アイツは社交界に疎いですから焦って、
身分だけで判断してあんな事に」
「それで自分の腹心のマクドネルをゴドフ
リーの副官に付けたのか。アイツはそういう
悪事に対処できる知恵があるから。
友を助けたかったんだろう。
……お前らいい加減仲直りしろよ」
「……ははは。善処しますよ」
「さて、片付けるか」
「ええ、グレン様は同じ要領でワイバーンを
墜として下さい。私が後片付けします」
……確かに効率のいい戦法だった。
あと、残り一匹だ。
「お前ら省エネな戦い方しやがって!
もっと、額に汗して働け!俺を見習え!」
肉弾戦でワイバーン三匹片付けたゴドフリー
から苦情がくる。
「黙れ。脳ミソまで筋肉な奴に何も言われ
たくない」
オーウェンが応戦する。
まあ、喧嘩してても仲がいいよな。
このジジイども。
「さあ、早く片付けてしまいましょう」
オーウェンに促され魔法を放とうとした時、
最後のワイバーンがこちらに突っ込んで来た。
俺もオーウェンも避けたが、ゴドフリーの
反応が遅れた。
「ゴドフリー!!」
ワイバーンの爪で背中を抉られたゴドフリー
がうずくまっていた。
何かを抱え込んでいる。
再びワイバーンがこちらに向かってくる。
捕縛しようとした瞬間、どこからかウインド
ランス(風の槍)が飛んできた。
一瞬だった。
ウインドランスはワイバーンを貫く。
ゴドフリーの
頭上で。
おびただしいワイバーンの血がゴドフリーに
浴びせられた。
抉られた背の傷に容赦なくワイバーンの血が
降り注ぐ。
「ははは!!やった!やったぞ。
『鬼神のゴドフリー』を墜としたぞ!!」
高笑いする帝国の騎士がそこにいた。
俺は捕縛しようと蔦蔓を伸ばすが、別の騎士
がウインドカッタ―で防ぐ。
「おい、長居は無用だ。充分な戦果だ。
逃げるぞ!」
逃げに入った騎士に氷の槍を食らわす。
「グレン!殺すな!!」
オーウェンが怒鳴る。
太ももと肩にそれぞれ槍の刺さった騎士
二人を前に電撃を加える。
「があああぁぁ!!」
失禁して気を失った騎士の頭を踏みつける。
「……楽に死ねると思うなよ」
腹の底から怒りが湧いてくる。
ゴドフリーを見やるとオ―ウェンが
浄化魔法をかけている。
だが、傷から毒が入ったはずだ。
意識のないゴドフリ―から抱き抱えていた
ものを引き剥がす。
小さな女の子だった。
恐怖から声がでない様子。
取り残された住民の子供だろう。
その子の髪はきれいなプラチナブロンド
だった。アイリスと同じ。
「くそ!!帝国め。この代償は高くつく。
首を洗って待っていろ!!」
俺は負け犬のように吼えた。
国の要の武将の陥落。
完全に負け戦だった。
冗談の様な報告を受け現場に向かう。
すでに第二騎士団が交戦している。第三
騎士団は住民の避難で手一杯だ。
火の手が上がった街を駆け抜ける。
この辺りは建物の損壊がひどい。
空を見上げるといた!
ワイバーンだ。
「何匹いるんだ……」
視認しただけで、八匹いる。
この数百年年。
王都に魔物が侵入したことはない。
あり得ない状況だ。
爆発音と細かい瓦礫が降ってくる。
神殿の屋根の上でゴドフリーがワイバーンと
戦っている。
さすが鬼神のカルヴァンだ。
単独でワイバーンと戦える奴はそういない。
老いてなおその強さだ。
オーウェンといい、ゴドフリーといい元気な
ジジイどもだ。
うっかりゴドフリーの戦いに見惚れていると
後ろから斬りかかられる。
「帝国兵?」
振り向き様に斬り捨てる。
帝国の兵士がひしめいていた。
取り囲まれている。
「貴様ら『穴』から転移してきたな?ふん。
『穴』は帝国の謀略。……宣戦布告なしか」
ウインドカッターが飛んでくる。
それに呼応して一斉に斬りかかって
くる兵士。ウジ虫どもが土足で上がり込み
やがって。
氷結魔法で氷付けにしてから、雷撃で粉々
にする。剣を振るうことさえ煩わしい。
「うわっ、グレン様。何て事するんですか。
後片付けの事を考えて下さい。解凍したら
挽き肉ですよ。
せめて原型を残して下さい!!」
路地裏からマクドネルが走ってくる。
コイツはまたこんな時に、細かいことを……。
「阿呆が!くだらん事を言ってる暇がある
なら状況を報告しろ!!」
「ワイバーン、十体。帝国兵およそ二千。
『穴』からの転移です」
「……十体?八匹しか見当たらないが?」
「オーウェン様が一体、私が一体。すでに
仕留めました。もうじきもう一体……」
上を見上げると爆音とともに、首のない
ワイバーンが墜ちてきた。ゴドフリーが
仕留めたな。
「……片付きましたね」
「あと七匹か。ところでお前負傷したな?」
「左肩をやられました。面目ない」
「血は浴びてないだろうな?見せてみろ」
ワイバーンの血は猛毒だ。
傷口から入ったら取り返しがつかない。
結構ざっくりやられているな。
魔物に付けられた傷は治り難い。
治癒魔法をかけるが、なかなか血が止ま
らない。
ふと、アニエスを思い出す。
白竜に付けられた傷口は、すぐに止血でき
たし、アルフォンスの治癒魔法で傷もきれ
いに治った。
やはり、あれが異常なんだな……。
「なんです?人の傷を見ながらそんな蕩け
た顔をしないで下さい。あんた変態か」
「俺が変態で国が滅ぶか?」
「……滅びません。ヤダなこんな上官」
うるさい奴だ。コイツのぼやきはイラつく。
なんとか止血し、布を巻く。
「もう、お前は帝国兵を相手にしろ。魔物は
無理だ。後方支援に徹しろ」
「はい、申し訳ありません。そうさせて
頂きます」
そう言って走り去るマクドネルを見送る。
ふん素直だな。うるさい奴だが驕りがない。
引き際をきちんと分かっている。
いい騎士だ。
俺は左上空を旋回するワイバーンに狙いを
定める。植物魔法で蔦蔓を何本も絡め、
口も塞いだうえで地上に引きずり墜とす。
さて、どう料理する。
暴れまわるワイバーンを前に悩む。
マクドネルの奴、後片付けを考えろと言って
いたな。粉々にすると猛毒な挽き肉になる。
面倒だが首を落とすか?
剣を抜いたところでワイバーンが燃え上がる。
あっという間に消し炭になるワイバーンに
呆然とする。
「オーウェン。人の獲物を横取りするな」
振り向くとオーウェンがヘラヘラ笑いながら
立っていた。相変わらす嘘臭い笑みだ。
アニエス、お前、絶対騙されてるから。
アニエスはオーウェンの事を
『なんて善い人』
と思っているが、奴は王家の影だ。
善い人の訳がないだろう。
「相変わらず、火炎魔法は苦手とみえる。
まだまだですなグレン様」
ちっ、痛い所を突くな。
そう俺は火炎魔法も得意ではない。
使えるには使えるがワイバーンを燃し尽く
すような火力は出せない。
一方、オーウェンは『炎の』ザルツコードと
呼ばれるほどの火炎魔法の遣い手だ。
「……これが終わったら修行する必要がある
な。また稽古をつけてもらえるか?」
子供の頃、俺もアルバート、アルフォンスも
コイツのしごきに死ぬような目に
遭わされた。今でもコイツが苦手だ。
「ええ、ええ。いいですとも。それはそれは
ハードなメニューをご用意させて頂きます。
それはそうと……うちの可愛い義娘にずいぶん『虫刺され』を作ってくれましたね。
ふふふ、燃やされたいか?この小僧」
「……今、それを持ち出すか?」
数日前、お仕置きと称してアニエスの首
から背にかけて所有印、キスマークを
これでもかとアニエス本人には見えづらい
場所に付けまくった。
浮かれていた。オーウェンの存在を丸っと
忘れていた。
しかし、オーウェンのアニエスへの溺愛は
予想外だった。元々、マリーナ(愛妻)に
似た女の子が欲しいと頑張って子供を五人
も作った男だ。
全員自分似の男の子しか恵まれず、
更にオーウェンの長男である第三騎士団長
のマルクは三人の子持ちだが、いずれも男。
孫まで男。
そんな中、アニエスが義娘となった。
可愛い顔でニッコリ笑って『お義父様』と
言われた瞬間、オーウェンが堕ちた。
また、ザルツコード夫人がアニエスを本当の
娘のように可愛いがっているため、夫人命の
この男は溺愛パパと成り下がった。
俺にとっては面倒な案件だ。
しかし、今?
俺は周りを見回す。
王都のこの辺りはほぼ壊滅。
上空でワイバーンがブレスを吐きまくる
この状況で……。
「グレン様、婚約したかったら。……婚儀が
済むまで……順序を守りましょうね?」
笑いながら青筋をたてるこの男の方が
ワイバーンより正直怖い。
「……善処する」
喘ぐように返事をするとオーウェンが
空を見上げる。
元気にゴドフリーがもう一匹ワイバーンを
仕留めていた。
「今なら娘可愛さに暴言を吐いたゴドフリー
の気持ちが分かります。確かに娘に近寄る
男は害虫にしか見えない。
後先考えず奴隷ごときがと罵りたくもなる」
「すまんな害虫で。……アイリスの話か?」
「ええ。私がつまらない事で腹を立てず、
アイツの側にいれば、みすみすアイリスを
あんな男と見合いなどさせなかった。
アイツは社交界に疎いですから焦って、
身分だけで判断してあんな事に」
「それで自分の腹心のマクドネルをゴドフ
リーの副官に付けたのか。アイツはそういう
悪事に対処できる知恵があるから。
友を助けたかったんだろう。
……お前らいい加減仲直りしろよ」
「……ははは。善処しますよ」
「さて、片付けるか」
「ええ、グレン様は同じ要領でワイバーンを
墜として下さい。私が後片付けします」
……確かに効率のいい戦法だった。
あと、残り一匹だ。
「お前ら省エネな戦い方しやがって!
もっと、額に汗して働け!俺を見習え!」
肉弾戦でワイバーン三匹片付けたゴドフリー
から苦情がくる。
「黙れ。脳ミソまで筋肉な奴に何も言われ
たくない」
オーウェンが応戦する。
まあ、喧嘩してても仲がいいよな。
このジジイども。
「さあ、早く片付けてしまいましょう」
オーウェンに促され魔法を放とうとした時、
最後のワイバーンがこちらに突っ込んで来た。
俺もオーウェンも避けたが、ゴドフリーの
反応が遅れた。
「ゴドフリー!!」
ワイバーンの爪で背中を抉られたゴドフリー
がうずくまっていた。
何かを抱え込んでいる。
再びワイバーンがこちらに向かってくる。
捕縛しようとした瞬間、どこからかウインド
ランス(風の槍)が飛んできた。
一瞬だった。
ウインドランスはワイバーンを貫く。
ゴドフリーの
頭上で。
おびただしいワイバーンの血がゴドフリーに
浴びせられた。
抉られた背の傷に容赦なくワイバーンの血が
降り注ぐ。
「ははは!!やった!やったぞ。
『鬼神のゴドフリー』を墜としたぞ!!」
高笑いする帝国の騎士がそこにいた。
俺は捕縛しようと蔦蔓を伸ばすが、別の騎士
がウインドカッタ―で防ぐ。
「おい、長居は無用だ。充分な戦果だ。
逃げるぞ!」
逃げに入った騎士に氷の槍を食らわす。
「グレン!殺すな!!」
オーウェンが怒鳴る。
太ももと肩にそれぞれ槍の刺さった騎士
二人を前に電撃を加える。
「があああぁぁ!!」
失禁して気を失った騎士の頭を踏みつける。
「……楽に死ねると思うなよ」
腹の底から怒りが湧いてくる。
ゴドフリーを見やるとオ―ウェンが
浄化魔法をかけている。
だが、傷から毒が入ったはずだ。
意識のないゴドフリ―から抱き抱えていた
ものを引き剥がす。
小さな女の子だった。
恐怖から声がでない様子。
取り残された住民の子供だろう。
その子の髪はきれいなプラチナブロンド
だった。アイリスと同じ。
「くそ!!帝国め。この代償は高くつく。
首を洗って待っていろ!!」
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