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第二章 destroyersー破壊者達ー
「せかいのおわり」
しおりを挟むむかしむかしあるところに、人間の賢者 エルフの殺し屋 ライル族の海賊 妖精の魔法使い 人間をやめた魔術師がいました。
五人は各々名声を上げた実力者として世界的に有名で、その名を知らぬ人はいないとまで言われる存在になっていました。
賢者は人々を導き、殺し屋は地上の悪を滅ぼし、海賊は海上の悪を滅ぼしました。魔法使いは人々に栄えた土地を与え魔術師はそれを支えました。
そんな彼等は「英雄」と呼ばれていました。
いつからだったでしょうか──人間は強欲になり己のことしか考えなくなりました。
私利私欲のために好き勝手な振る舞いばかり。魔法使いが与えた土地は荒れ果てました。殺し屋と海賊の滅ぼした悪も徐々にその数を増し、もはや賢者の話に耳を傾けるものはいません。
──このままではだめだ。
魔法使いは言いました。
──我々が命を削ってここまでしてやったのに。
賢者は言いました。
──してやったのに、という考え方はよくない。
──しかしこうなってしまっては、もうどうにもならぬというのも事実。どうしたものか。
海賊が言いました。
──滅ぼしてしまえばいい。
殺し屋もそれに頷きました。
魔術師が口を開きます。
──滅ぼさねばならぬ。
──そうだ、滅ぼしてしまえばいい。
神は五人に世界を滅ぼす特別な力と、それからもうひとつ──光り輝く石を与えました。
五人の力は絶大であっという間に世界は滅び、地上も海も空も真っ暗になりました。
そんな地上には五人とほんの少しの人間しか残りませんでした。
かつて「英雄」と呼ばれた彼等は、いつしか「破壊者」と呼ばれるようになりました。
むかしむかしの物語。
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