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34/崩壊してゆく
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とおやが好きだと言って、いつも優しく撫でてくれるわたしの髪。交際を開始した頃と比べるとその分だけ伸び、身体の前側に流すと丁度胸の先端が隠れるほどの長さにまでなっていた。その状態で騎乗位をすると胸が見え隠れするのが堪らないと言って、ここ最近はその体位をせがまれることが増えていた──けれど。
けれど。
……けれど。
「真戸乃、そういやあれから彼氏とどーよ?」
「瑞河さん……」
クリスマスまで一週間を切った、業務終わりのオフィス。帰り支度をしていたわたしに声をかけてきたのは、今日もパンツスーツ姿の素敵な瑞河さんだった。
「前、話聞きそびれちゃったし……変わりない?」
「変わりはないんですけど……」
「けど?」
周りを見渡し、人が疎らになっていることを確認する。デスクの近い新入社員の榎本さんは早々に退勤していたし、同期の蟹澤くんはたった今、笑顔で手を振りながらオフィスから出ていったばかり。十紋字課長はパソコンとにらめっこをしているが、小声で話せば会話までは聞こえないだろう。
「不安なんです。彼、最近飲みに行くことが増えて……。わたし、都合の良いように……身体だけ、求められてるのかなって」
あれから──とおやが外にお酒を飲みに行くペースは変わらない。「飲み過ぎじゃない?」と遠回しに様子を探っても「量はそんなに飲んでない」と言って回数は減らなかった。「寂しいからもっと早く帰ってきて」と言って抱きつけば、そのままベッドに連れ込まれてしまうだけであった。
「浮気、疑ってんの?」
「疑いたくはないんです。今までと変わりなく、優しいんです……でも、何か聞くと結局身体で誤魔化されているみたいで」
「聞かれたくないことがあるから、セックスして誤魔化してる感じがするってこと?」
「そう……ですね」
疑いたくはなかった。けれど──良いように扱われているだけの女のように思えてきて、わたしの気持ちはなんとなくとおやから離れつつあった。彼が浮気をしていて、それで別れを決意したとしても、未練が残らないだろうと思われるほどに。
別れたいとは思わない。彼が真っ直ぐにわたしを愛してくれるのであれば。けれど、疑わしいことが多すぎた。最近では家に居るときも飲み仲間の女性から電話がかかってくるのだ。
「それはアンタ……一度ちゃんと話さないと駄目だよ」
「はい……わかっては……いるんです」
「じゃあ今日だ。今日話しなさい? 思い立ったが吉日でしょ?」
わたし自身は全く思い立っていないのだけれど。瑞河さんが背中を押してくれたのだ、良い機会かもしれない。
彼女の言葉に頷き決意を固める。課長に頭を下げ二人してオフィスを後にすると、思い出したように瑞河さんは声を上げた。
「あっ、そういえば核村君は、あれから何もない?」
「核村ですか?」
蟹澤くん曰く、わたしに気があるという同期の核村。お昼に食堂で声を掛けられることも多々あったが、何かされたということはなかった。
「……気を付けなさいよ? 私も、出来るだけガードするけど」
「ありがとうございます、瑞河さん」
彼女には本当に頭が上がらない。いつかちゃんとお礼をしたいと伝えると、「気にするな」と笑いながら断られてしまった。
*
寄り道をせず真っ直ぐマンションに車を走らせる。定時上がりだったのか、駐車場にはとおやのジープが停まっていた。駐車をし、彼に何と切りだそうかと頭を捻りながらエレベーターに乗り込む。
(思ったままに、聞けばいいのに……)
遠回しに聞いたところで、わたしの気持ちは彼には伝わらないだろう。それならば核心だけを聞き出すのが一番手っ取り早い。
帰宅するととおやはキッチンに立ち、野菜を洗っている所だった。夕食の準備をしてくれているのだ。このままいけば御飯を食べ終わるまで、ズルズルと話せずじまいになりそうで、どうしたものかとその場に立ち尽くしてしまった。
「おかえり、どーした?」
「あのさ……」
いつも通りのとおやだ。互いにお酒を飲んでいない、今ならちゃんと会話に集中出来る筈だ。
「ご飯作ってるのにごめん。聞きたいこと、あって」
「何?」
手を止めたとおやが、不思議そうにわたしを見つめる。コートも鞄も置いてきたが、着替えもせずこんな場所で畏まるなんて、とおやも何かおかしいと感じ取ったに違いない。不安げに揺れる彼の瞳を、真っ直ぐに見つめる。
「とおや……浮気、してないよね?」
「はあ? するわけねーだろ!?」
語気を強めたとおやの視線がわたしを射抜く。この顔といい声色といい、どこをどう見ても彼が機嫌を損ねたことは明白であった。
「どうして……怒るの」
「お前がワケわかんねえこと言うからだろうが!」
「……ワケわかんねえこと?」
とおやには、わたしの言わんとする意味がわからないのだろうか。自分が遊び呆けて、わたしを不安にさせているから浮気を疑っているというのに。
(それなのに、『ワケわかんねえ』なんて……)
「こっちがワケわかんないよ!!とおやが!わたしを!不安にさせるからじゃんっ!」
「不安?」
「いつもいつも……飲みに行ってばっかり!わたしと居るより他の女とお酒を飲む方が楽しいんでしょ?!」
「違うっ!それは……」
「違うっていうくせに、最近家で一緒にお酒飲んでくれないじゃない!」
互いに言葉が止まらなかった。積もりに積もったわたしの中の不安や不満は彼のものを上回り、最終的に追い詰めてしまった。罵り合った言葉で胸はもやもやと気持ち悪く、頭の中はぐちゃぐちゃだった。
「なあ、落ち着けよほたる」
肩で息をするわたしの身体をとおやが抱きしめる。ああ──やっぱりこの腕が、身体が、香りが大好きで離れたくないと思ってしまう──けれど。
「なっ……なに、するの……」
「何が?」
抱きしめられたままキスをされ、それから彼の両手がわたしの背を這う。首筋に吸い付かれたところでその手は胸へと伸び、反対側の手はスカートの裾から中へと侵入を果たし、内腿に厭らしく触れた。
「……やめてよ!」
「なっ……」
堕ちかけていたところを必死に踏み止まり、乱暴にとおやを突き飛ばした。胸の前で手を組みながら後退し、顔を上げた。
「なんだよ、いきなり……」
「とおやこそ何なの? いつもそうやってセックスで誤魔化そうとする!」
「違う!俺は……そういうつもりじゃ」
「なんで!?なんでそういう時、好きだからしたいんだって言ってくれないの!?わたし何度も言ったよね?愛情は言葉にしてって!」
「それは……」
待てども待てども、とおやは沈黙を破ってくれない。どうして何も言ってくれないのかと苛立ちばかりが募ってゆく。
「……もういいっ!」
「いいって、何が──」
「別れよ……無理、もう」
「……は?」
「荷物、また取りに来るから…………じゃあね」
鞄とコートを持つと、靴を履き早足で外に出た。──寒い。コートに袖を通しながら小走りになってエレベーターへと向かう。
(とおや……)
振り返る。けれどそこには誰もいなくて。
前に一度同じようなことがあった。とおやがカッターシャツに口紅を着けて帰ってきたあの時、わたしは同じように彼から逃げた。とおやはすぐに追いかけてきてくれたけれどエレベーターは閉まり、彼はわたしの部屋までタクシーを使ってまで追って来てくれた。あの時はたしかそのまま──わたしの部屋のベッドでたくさん愛し合ったんだっけ。
それなのに今日は追いかけて来てくれない。
後ろめたいことがないのであればきっと、追ってきてくれると信じていた。そんなことを心の何処かで期待していたわたしが馬鹿だった。少しだけ彼を試した、わたしが馬鹿だった。
とおやのことを試すような、こんな気持ちで彼と付き合うのは駄目だとわかっていた。去って正解だったのかもしれない。けれど──別れようという言葉は、百パーセント本心ではなかった 。それなのに──それなのに。
(来てくれないんだ……)
自分でも身勝手で酷い女だと思う。けれどわたしを追ってきてくれないとおやは、もっと酷い男だと思った。
追って来てくれない。それが、とおやの本心なのだと──そう思った。
けれど。
……けれど。
「真戸乃、そういやあれから彼氏とどーよ?」
「瑞河さん……」
クリスマスまで一週間を切った、業務終わりのオフィス。帰り支度をしていたわたしに声をかけてきたのは、今日もパンツスーツ姿の素敵な瑞河さんだった。
「前、話聞きそびれちゃったし……変わりない?」
「変わりはないんですけど……」
「けど?」
周りを見渡し、人が疎らになっていることを確認する。デスクの近い新入社員の榎本さんは早々に退勤していたし、同期の蟹澤くんはたった今、笑顔で手を振りながらオフィスから出ていったばかり。十紋字課長はパソコンとにらめっこをしているが、小声で話せば会話までは聞こえないだろう。
「不安なんです。彼、最近飲みに行くことが増えて……。わたし、都合の良いように……身体だけ、求められてるのかなって」
あれから──とおやが外にお酒を飲みに行くペースは変わらない。「飲み過ぎじゃない?」と遠回しに様子を探っても「量はそんなに飲んでない」と言って回数は減らなかった。「寂しいからもっと早く帰ってきて」と言って抱きつけば、そのままベッドに連れ込まれてしまうだけであった。
「浮気、疑ってんの?」
「疑いたくはないんです。今までと変わりなく、優しいんです……でも、何か聞くと結局身体で誤魔化されているみたいで」
「聞かれたくないことがあるから、セックスして誤魔化してる感じがするってこと?」
「そう……ですね」
疑いたくはなかった。けれど──良いように扱われているだけの女のように思えてきて、わたしの気持ちはなんとなくとおやから離れつつあった。彼が浮気をしていて、それで別れを決意したとしても、未練が残らないだろうと思われるほどに。
別れたいとは思わない。彼が真っ直ぐにわたしを愛してくれるのであれば。けれど、疑わしいことが多すぎた。最近では家に居るときも飲み仲間の女性から電話がかかってくるのだ。
「それはアンタ……一度ちゃんと話さないと駄目だよ」
「はい……わかっては……いるんです」
「じゃあ今日だ。今日話しなさい? 思い立ったが吉日でしょ?」
わたし自身は全く思い立っていないのだけれど。瑞河さんが背中を押してくれたのだ、良い機会かもしれない。
彼女の言葉に頷き決意を固める。課長に頭を下げ二人してオフィスを後にすると、思い出したように瑞河さんは声を上げた。
「あっ、そういえば核村君は、あれから何もない?」
「核村ですか?」
蟹澤くん曰く、わたしに気があるという同期の核村。お昼に食堂で声を掛けられることも多々あったが、何かされたということはなかった。
「……気を付けなさいよ? 私も、出来るだけガードするけど」
「ありがとうございます、瑞河さん」
彼女には本当に頭が上がらない。いつかちゃんとお礼をしたいと伝えると、「気にするな」と笑いながら断られてしまった。
*
寄り道をせず真っ直ぐマンションに車を走らせる。定時上がりだったのか、駐車場にはとおやのジープが停まっていた。駐車をし、彼に何と切りだそうかと頭を捻りながらエレベーターに乗り込む。
(思ったままに、聞けばいいのに……)
遠回しに聞いたところで、わたしの気持ちは彼には伝わらないだろう。それならば核心だけを聞き出すのが一番手っ取り早い。
帰宅するととおやはキッチンに立ち、野菜を洗っている所だった。夕食の準備をしてくれているのだ。このままいけば御飯を食べ終わるまで、ズルズルと話せずじまいになりそうで、どうしたものかとその場に立ち尽くしてしまった。
「おかえり、どーした?」
「あのさ……」
いつも通りのとおやだ。互いにお酒を飲んでいない、今ならちゃんと会話に集中出来る筈だ。
「ご飯作ってるのにごめん。聞きたいこと、あって」
「何?」
手を止めたとおやが、不思議そうにわたしを見つめる。コートも鞄も置いてきたが、着替えもせずこんな場所で畏まるなんて、とおやも何かおかしいと感じ取ったに違いない。不安げに揺れる彼の瞳を、真っ直ぐに見つめる。
「とおや……浮気、してないよね?」
「はあ? するわけねーだろ!?」
語気を強めたとおやの視線がわたしを射抜く。この顔といい声色といい、どこをどう見ても彼が機嫌を損ねたことは明白であった。
「どうして……怒るの」
「お前がワケわかんねえこと言うからだろうが!」
「……ワケわかんねえこと?」
とおやには、わたしの言わんとする意味がわからないのだろうか。自分が遊び呆けて、わたしを不安にさせているから浮気を疑っているというのに。
(それなのに、『ワケわかんねえ』なんて……)
「こっちがワケわかんないよ!!とおやが!わたしを!不安にさせるからじゃんっ!」
「不安?」
「いつもいつも……飲みに行ってばっかり!わたしと居るより他の女とお酒を飲む方が楽しいんでしょ?!」
「違うっ!それは……」
「違うっていうくせに、最近家で一緒にお酒飲んでくれないじゃない!」
互いに言葉が止まらなかった。積もりに積もったわたしの中の不安や不満は彼のものを上回り、最終的に追い詰めてしまった。罵り合った言葉で胸はもやもやと気持ち悪く、頭の中はぐちゃぐちゃだった。
「なあ、落ち着けよほたる」
肩で息をするわたしの身体をとおやが抱きしめる。ああ──やっぱりこの腕が、身体が、香りが大好きで離れたくないと思ってしまう──けれど。
「なっ……なに、するの……」
「何が?」
抱きしめられたままキスをされ、それから彼の両手がわたしの背を這う。首筋に吸い付かれたところでその手は胸へと伸び、反対側の手はスカートの裾から中へと侵入を果たし、内腿に厭らしく触れた。
「……やめてよ!」
「なっ……」
堕ちかけていたところを必死に踏み止まり、乱暴にとおやを突き飛ばした。胸の前で手を組みながら後退し、顔を上げた。
「なんだよ、いきなり……」
「とおやこそ何なの? いつもそうやってセックスで誤魔化そうとする!」
「違う!俺は……そういうつもりじゃ」
「なんで!?なんでそういう時、好きだからしたいんだって言ってくれないの!?わたし何度も言ったよね?愛情は言葉にしてって!」
「それは……」
待てども待てども、とおやは沈黙を破ってくれない。どうして何も言ってくれないのかと苛立ちばかりが募ってゆく。
「……もういいっ!」
「いいって、何が──」
「別れよ……無理、もう」
「……は?」
「荷物、また取りに来るから…………じゃあね」
鞄とコートを持つと、靴を履き早足で外に出た。──寒い。コートに袖を通しながら小走りになってエレベーターへと向かう。
(とおや……)
振り返る。けれどそこには誰もいなくて。
前に一度同じようなことがあった。とおやがカッターシャツに口紅を着けて帰ってきたあの時、わたしは同じように彼から逃げた。とおやはすぐに追いかけてきてくれたけれどエレベーターは閉まり、彼はわたしの部屋までタクシーを使ってまで追って来てくれた。あの時はたしかそのまま──わたしの部屋のベッドでたくさん愛し合ったんだっけ。
それなのに今日は追いかけて来てくれない。
後ろめたいことがないのであればきっと、追ってきてくれると信じていた。そんなことを心の何処かで期待していたわたしが馬鹿だった。少しだけ彼を試した、わたしが馬鹿だった。
とおやのことを試すような、こんな気持ちで彼と付き合うのは駄目だとわかっていた。去って正解だったのかもしれない。けれど──別れようという言葉は、百パーセント本心ではなかった 。それなのに──それなのに。
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