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44/堕ちてゆく(1)
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◆
愛しいと──心の底から愛し合った女を抱くことがこんなにも難しいことだったなんて。こうなったら無理矢理にでもこいつと交わらなければ俺は──もう、狂ってしまいそうで。
キスをする度に、怒ったままだったほたるの表情が次第に緩まって穏やかになってゆく。こいつは俺のことを許してくれてはいないのだろう。それなのにキスに応えてくれるということは、ひょっとするとその気があるのかもしれない。
(押せば……いけるかもしれない)
遠慮がちにほたるの腰を撫でると、そろりと手を重ねられ指が絡まった。口の中に舌を差し込めば、口の端から漏れる甘い声に欲望が掻き立てられる。
「頼む……頼むよほたる。最後に一度で良い、一度だけでいいから、俺を助けると思ってやらせてくれ」
「う……」
困惑したほたるの顔。てっきり呆れた顔をされると思っていたが、何故──何故こいつは困っている?
(まさかこいつもしたいのか?)
真面目なほたるが俺のようにセフレを作っているとは思えなかった。かといって、我慢をしていたとも考えにくいが、一人でするような女とも思えない。となると、こいつは俺よりも長い期間性欲を溜め込んでいたということになる。性欲の強めなほたるが長い期間セックスをしないとどうなるのか──。
「ほたる、なあ……」
身を寄せて頬に触れると、細い肩がぴくりと跳ね上がった。グレーのアーガイル柄のニットワンピースの下の柔肌に、早く触れたくて仕方がない。ぴったりと体に張り付くような薄手のニットがエロすぎて、見ているだけで興奮してしまう。
今までは好きな時に、何の許可もなく触れていたほたるの肌。けれど、今となってはそんなことも許されず、恐る恐る唇を重ねるのが俺に出来る精一杯だった。
一度唇を離し、そっと抱き寄せ再び唇を落とすと──ほたるは抵抗しなかった。そのまま彼女の頬を包み込み激しく唇を重ねる。
「んッ……う、ん……」
大好きなほたるの甘い声が耳にまとわりつく。
それだけで俺は、もう──。
「ほたる……ほたる……愛してる……ほたる……」
「とおや……」
指先が濡れた。目を開けるとほたるがはらはらと涙を溢していた。唇を震わせて、今にも崩れ落ちそうだ。
「ほたる……」
ほたるは何もこたえなかった。言葉の代わりにほっそりとした指が俺の耳を──首筋を這う。ほたるが抵抗しないのを良いことに、俺は彼女の腰を抱き寄せ、キスを交わしながら寝室へと足を向けた。
「……いいのか」
ほたるは何もこたえない。
踏み込んだ寝室は午後の柔らかな日差しがカーテンの隙間から差し込み良い雰囲気ではあったが、ベッドは乱れきってきた。一人寝でろくに手入れをしておらす、シーツはしわくちゃだし掛け布団も三分の一が床にずり落ちていた。そんなベッドの前でぴたりと足を止め、ほたるに最後の確認をとるように瞳の奥をじっと見つめた。
「……いいのか、俺……俺は……」
「もう……」
「何?」
「もう、どうでもいい」
「どうでもいい?」
「何もかも、どうでもいい。今は……黙って抱いてよ……」
二人揃ってベッドにダイブすると、俺はほたるを押し倒し首筋を吸い上げた。こいつは俺のものだという証を残す為だった。
「と……おや……とおや……とおやッ……」
合間に交わすキスの余白に、何度も名前を呼ばれ嬉しさが込み上げる。下半身の我慢は限界達していて、俺はほたるのニットワンピースの裾を胸の上まで一気に捲り上げた。
「あッ……!」
こいつの恥じらいの孕んだ声など、いつぶりに聞いただろう。開けた白い腹の下に伸びる黒いストッキングが色っぽくて、太股を何度も撫で回す。透けて見えるレースの可愛らしいショーツを早く剥ぎ取ってしまいたい。
「ん……あ、あんッ……あ……!」
淡いクリーム色に、グリーンのリボンが施されたブラジャーには見覚えがなかった。いつの間に新調したのだろう──。窮屈そうに押し込められた胸を焦らすように下から包み込んで揉み上げ、ぷつんとホックを外すと、見たくて、触れたくて、吸いたくて堪らなかったほたるの胸がほろりと零れ落ちた。
「んッ……ああッ……あッ……やッやッ……う、ぁ……!」
赤子のように右の乳首に吸い付き、左の乳房は指が沈むほど鷲掴み、揉み上げる。やっぱりほたるの胸は最高だ。甘く、柔らかく、病み付きになる。俺がいつまでも吸っているので、ガクガクと震えだしたほたるの腰がぴくんと跳ね上がった。
「んぅッ……あッ……と……おや……!」
黙って抱けと言われた以上、こいつをめちゃくちゃにしてやる気満々だった。俺でないと駄目な身体にしてやりたい──焦る気持ちを抑えるように何度も何度も乳首を吸った。紅潮してゆく頬を尻目に、ストッキングの上から内腿に指を這わす。その間の秘められた箇所は、俺が一ミリも触れていないというのに色が濃くなっており、じっとりと濡れているのは明白だった。
「欲しがりは相変わらずだな」
ストッキングの上から股を捏ねるように指を動かすと、恥ずかしげに眉を寄せたほたるがか細く啼いた。こいつのこんな姿──……他の男に見せたくない。いつまでも俺だけが独占し続けたい。
「んッ……あ、あ、ああッ……!」
じたばたと暴れだす足から、ストッキングとショーツを剥ぎ取った。その間にほたるは自らニットを脱ごうと身を捩るが、すぐさま俺が股に吸い付くや否や、腰を跳ね上がらせまたしても喘ぎ始めてしまった。
「あッ……あぁ……あッ……!」
彷徨うほたるの指先が、ガサガサとシーツを掴む。
「ああぁッ! やッ、あッ……あ……」
ひとしきり吸い終わると、左手の親指の腹でクリトリスをぐりぐりと苛め、右手の中指と人差し指をとろとろの膣口から一気になかへ押し込んだ。
「はッ…………ぅ、ああああッ! だめえぇぇイクッ……イク、イク、ぅあッああッ……ああぁんッ!!」
「もうイッたんか?」
「だッ……だって、だって、ひさし……ぶり、でッあ、あ、やぁああ……くりくりしたら、くりくりしたらだめッだめッ! あ、あ、あ……ひッ……いッ、あ……イッちゃうイッちゃう、う、う、やッああぁぁッ!!」
びくびくと痙攣するほたるの足先に唇を落とし、そこを舐め回しながら自分のズボンと下着を剥ぎ取った。コンドームに手を伸ばし手早く装着すると、早々に覆い被さり挿入を果たした。
「あ、あ、あ、ああッ……とおや……」
「何?」
「とおや……きもちちいい……」
「そうか」
激しく腰を打ち付ければその度にほたるが喘ぐ。俺たちは二人揃って下半身だけを晒したみっともない格好で、夢中になって愛し合った。
愛しいと──心の底から愛し合った女を抱くことがこんなにも難しいことだったなんて。こうなったら無理矢理にでもこいつと交わらなければ俺は──もう、狂ってしまいそうで。
キスをする度に、怒ったままだったほたるの表情が次第に緩まって穏やかになってゆく。こいつは俺のことを許してくれてはいないのだろう。それなのにキスに応えてくれるということは、ひょっとするとその気があるのかもしれない。
(押せば……いけるかもしれない)
遠慮がちにほたるの腰を撫でると、そろりと手を重ねられ指が絡まった。口の中に舌を差し込めば、口の端から漏れる甘い声に欲望が掻き立てられる。
「頼む……頼むよほたる。最後に一度で良い、一度だけでいいから、俺を助けると思ってやらせてくれ」
「う……」
困惑したほたるの顔。てっきり呆れた顔をされると思っていたが、何故──何故こいつは困っている?
(まさかこいつもしたいのか?)
真面目なほたるが俺のようにセフレを作っているとは思えなかった。かといって、我慢をしていたとも考えにくいが、一人でするような女とも思えない。となると、こいつは俺よりも長い期間性欲を溜め込んでいたということになる。性欲の強めなほたるが長い期間セックスをしないとどうなるのか──。
「ほたる、なあ……」
身を寄せて頬に触れると、細い肩がぴくりと跳ね上がった。グレーのアーガイル柄のニットワンピースの下の柔肌に、早く触れたくて仕方がない。ぴったりと体に張り付くような薄手のニットがエロすぎて、見ているだけで興奮してしまう。
今までは好きな時に、何の許可もなく触れていたほたるの肌。けれど、今となってはそんなことも許されず、恐る恐る唇を重ねるのが俺に出来る精一杯だった。
一度唇を離し、そっと抱き寄せ再び唇を落とすと──ほたるは抵抗しなかった。そのまま彼女の頬を包み込み激しく唇を重ねる。
「んッ……う、ん……」
大好きなほたるの甘い声が耳にまとわりつく。
それだけで俺は、もう──。
「ほたる……ほたる……愛してる……ほたる……」
「とおや……」
指先が濡れた。目を開けるとほたるがはらはらと涙を溢していた。唇を震わせて、今にも崩れ落ちそうだ。
「ほたる……」
ほたるは何もこたえなかった。言葉の代わりにほっそりとした指が俺の耳を──首筋を這う。ほたるが抵抗しないのを良いことに、俺は彼女の腰を抱き寄せ、キスを交わしながら寝室へと足を向けた。
「……いいのか」
ほたるは何もこたえない。
踏み込んだ寝室は午後の柔らかな日差しがカーテンの隙間から差し込み良い雰囲気ではあったが、ベッドは乱れきってきた。一人寝でろくに手入れをしておらす、シーツはしわくちゃだし掛け布団も三分の一が床にずり落ちていた。そんなベッドの前でぴたりと足を止め、ほたるに最後の確認をとるように瞳の奥をじっと見つめた。
「……いいのか、俺……俺は……」
「もう……」
「何?」
「もう、どうでもいい」
「どうでもいい?」
「何もかも、どうでもいい。今は……黙って抱いてよ……」
二人揃ってベッドにダイブすると、俺はほたるを押し倒し首筋を吸い上げた。こいつは俺のものだという証を残す為だった。
「と……おや……とおや……とおやッ……」
合間に交わすキスの余白に、何度も名前を呼ばれ嬉しさが込み上げる。下半身の我慢は限界達していて、俺はほたるのニットワンピースの裾を胸の上まで一気に捲り上げた。
「あッ……!」
こいつの恥じらいの孕んだ声など、いつぶりに聞いただろう。開けた白い腹の下に伸びる黒いストッキングが色っぽくて、太股を何度も撫で回す。透けて見えるレースの可愛らしいショーツを早く剥ぎ取ってしまいたい。
「ん……あ、あんッ……あ……!」
淡いクリーム色に、グリーンのリボンが施されたブラジャーには見覚えがなかった。いつの間に新調したのだろう──。窮屈そうに押し込められた胸を焦らすように下から包み込んで揉み上げ、ぷつんとホックを外すと、見たくて、触れたくて、吸いたくて堪らなかったほたるの胸がほろりと零れ落ちた。
「んッ……ああッ……あッ……やッやッ……う、ぁ……!」
赤子のように右の乳首に吸い付き、左の乳房は指が沈むほど鷲掴み、揉み上げる。やっぱりほたるの胸は最高だ。甘く、柔らかく、病み付きになる。俺がいつまでも吸っているので、ガクガクと震えだしたほたるの腰がぴくんと跳ね上がった。
「んぅッ……あッ……と……おや……!」
黙って抱けと言われた以上、こいつをめちゃくちゃにしてやる気満々だった。俺でないと駄目な身体にしてやりたい──焦る気持ちを抑えるように何度も何度も乳首を吸った。紅潮してゆく頬を尻目に、ストッキングの上から内腿に指を這わす。その間の秘められた箇所は、俺が一ミリも触れていないというのに色が濃くなっており、じっとりと濡れているのは明白だった。
「欲しがりは相変わらずだな」
ストッキングの上から股を捏ねるように指を動かすと、恥ずかしげに眉を寄せたほたるがか細く啼いた。こいつのこんな姿──……他の男に見せたくない。いつまでも俺だけが独占し続けたい。
「んッ……あ、あ、ああッ……!」
じたばたと暴れだす足から、ストッキングとショーツを剥ぎ取った。その間にほたるは自らニットを脱ごうと身を捩るが、すぐさま俺が股に吸い付くや否や、腰を跳ね上がらせまたしても喘ぎ始めてしまった。
「あッ……あぁ……あッ……!」
彷徨うほたるの指先が、ガサガサとシーツを掴む。
「ああぁッ! やッ、あッ……あ……」
ひとしきり吸い終わると、左手の親指の腹でクリトリスをぐりぐりと苛め、右手の中指と人差し指をとろとろの膣口から一気になかへ押し込んだ。
「はッ…………ぅ、ああああッ! だめえぇぇイクッ……イク、イク、ぅあッああッ……ああぁんッ!!」
「もうイッたんか?」
「だッ……だって、だって、ひさし……ぶり、でッあ、あ、やぁああ……くりくりしたら、くりくりしたらだめッだめッ! あ、あ、あ……ひッ……いッ、あ……イッちゃうイッちゃう、う、う、やッああぁぁッ!!」
びくびくと痙攣するほたるの足先に唇を落とし、そこを舐め回しながら自分のズボンと下着を剥ぎ取った。コンドームに手を伸ばし手早く装着すると、早々に覆い被さり挿入を果たした。
「あ、あ、あ、ああッ……とおや……」
「何?」
「とおや……きもちちいい……」
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激しく腰を打ち付ければその度にほたるが喘ぐ。俺たちは二人揃って下半身だけを晒したみっともない格好で、夢中になって愛し合った。
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