櫻木学園物語〜君のために〜

AKA

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怪しげな封筒

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俺は秋月隼人(あきずきしゅうと)だ。
ごく普通の中学校に通っている、中学生だ。
あと一ヶ月ほどで、中学校を卒業する。
『あと残り一ヶ月か…』
と思いつつ、これからのことを考えながら、帰っていると家に着いていた。
家のドアを開け
「ただいま」
と言ってみるが、当然声は帰ってこない。
それは、俺が小さい頃に両親は事故で亡くなっているからだ。
亡くなっていることを聞かされた時は、驚いたがあまり実感がなかった。
その時は、亡くなってから五年も経っていて、もう親の顔を忘れてしまっていたからだ。
その情報は、俺を引き取って育ててくれた、親戚の人から聞いた。
だが、今考えてみるとおかしな点があるなと思った。
俺を育ててくれた親戚の人は、その話をしてくれた後に、姿が消えてしまった。
その事をソファーに座って考えていた。
その時、チャイムが鳴った。玄関の方に行き、ドアを開けた。
そこには、いつも郵便を配達している松田さんがいた。
郵便を手渡ししてきた、その郵便を受け取った事を確認してから去って行ったように思えた。
少し疑問があったがきっと大事な郵便なんだろう、これは松田さんの気遣いだという事で片付けた。
まぁ悩んでいてもわからないので、とりあえず郵便中身を確認して見ることにした。
その郵便は宛名も送り先の住所も書いていない。
少し怪しげな雰囲気を醸し出していた。
俺は恐る恐る封を切って、中身を取り出した。
そこには、入学通知書と書かれていた。
詳しく読んでみると
(まずご入学おめでとうございます。
 あなた櫻木学園にご入学されます。
 あなたには能力があります。あなたはおそらく知らないでしょう。
ですが、あなたには能力があります。この事だけは覚えておいてください。
あなたのランクは分かりませんでした。何度、測定しても正直分かりませんでした。
とりあえず、最低ランクのF-(エフマイナス)にしました。
授業の時に、能力の詳しい検査を行う機会があるので、その時に精密検査をして改めて計測致します。
とにかく能力があるので、櫻木学園に必ず入学してください。
ご入学についての、注意や持ち物、今後の生活についてなどの説明します
 最初に持ち物については、基本的に自由ですのでなんでも持ち込んで大丈夫です。
 今後の生活については、寮生活になります。生活に必要な物についてはこちらから支給します。
次に学園内での校則について話します。
・学園外での、能力の使用は許可が必要です。(ただし、例外があります)
・生徒同士で争いを禁止します(ただし、決闘は例外です)
 最後に決闘についてです。決闘とは生徒同士が唯一戦う事ができる制度です。
決闘で戦い勝った者には、負けた相手に一つだけ、命令できます。
以上が学院での生活の説明です。より詳しい話は、入学式でお話します。)
俺は、意外と自由なんだな~っと思った。
生活に必要な物は、学園側が用意してくれるというので、必要最低限の物を卒業したら買いに行こう。
とりあえず今日は疲れたので夕飯を食べて、休む事にした。
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